2012.7.15【東京都】──「山手線を歩く! 27」
神田〜東京間のルート選びで地図を眺めるうちに、久しぶりに人形町周辺を歩きたくなり、ちょっと寄り道しました。
行きにくい場所の印象があるも、三田から都営浅草線で6つ目であることに、改めて都内に住んでいることを実感します。
より大きな地図で 山手線を歩く を表示
人形町(Map)
御徒町に勤め外歩きが多かった時分、当時営団地下鉄の一日乗車券を買い、日比谷線「人形町駅」と開通したばかりの半蔵門線「水天宮前駅」の乗り換えでこの町をよく歩きましたが、結局水天宮の見学程度で、評判の「玉ひで」の親子丼は食べられずの記憶が残ります。
「日本橋人形町」の由来には、「人形遣いが多く住んでいた」とあり、上方(大阪)から芸達者が集まった印象を受けます。
江戸時代付近には、歌舞伎小屋、薩摩浄瑠璃(薩摩出身の薩摩太夫と名乗る人形浄瑠璃)や人形芝居があったそうです。
町の基盤は、1612年駿府(現静岡市)から遊女屋が付近に移転したことに始まり、その評判から歓楽街が拡大していきます。
都となった江戸には都市整備のため人足が集められ、男女比は3対1の記録が残るほどですから、当時の遊郭「元吉原」には女性不足から、野獣のような肉食系男子が群れたようです(後述の経緯から現在地は「新吉原」とされる)。
上写真は「今半(すき焼き屋)」店舗外観。
失政とされる江戸末期「天保の改革;1841年」の綱紀粛正により、風俗取締り、芝居小屋の江戸郊外(浅草)への移転、寄席の閉鎖など、制約は庶民の娯楽に及び、この一帯は活気を失います。
明治に入ると芸妓の置屋(芸妓の所属事務所)・お茶屋(芸妓を呼ぶ店、売春なしの風俗店?)が多数集まり、付近の芳町は、柳町、新橋と並ぶ花街とされます。
日本の女優先駆者である貞奴(以前は女形が演じたが、アメリカ興行でデビュー)は芳町芸者で、社会風刺した『オッペケペー節』の川上音次郎( 1900年:明治33年パリ万博で公演)のパートナーとして、世界を駆けめぐります。
メインストリートからいく筋先までも点在する飲食店の商売には、トータルで相当数の人出が見込まれています。
想起したのは場所も近い門前仲町や森下の満足感で、きっとこの地も都心と違いうまいモノを安く提供し、価値ある満足感から「気軽さ」を演出しているのでしょう。
ここは「日本橋小学校」で、その響きから「何か特別なものが?」の期待させる存在ですが、日曜の門前に自転車が並んでいる様子から「公共施設」の存在が想像されます。
そこには、日本橋図書館、サウナ付きの区立プール・区関係施設と、敷地内に日本橋幼稚園があります。
一回りしてみると、裏側には地下駐車場の入口があり、校庭の下は駐車場のようです。
土地のない中央区苦肉の策でしょうが、小学校の敷地を立体的に有効利用する姿勢は「ご立派!」と頭が下がりますし、人が集まることは防犯にも通じます(ここではその心配はないか……)。
水天宮(Map)
水天宮は福岡県久留米水天宮の分社で、安産・子授けの神として信仰を集めます。
もともと久留米藩有馬家の邸内(三田・赤羽橋:現住所近く)に祭られたことが評判となり、塀の外から賽銭を投げ入れる人が多いため、限定公開で門戸を開きます。
その姿勢が好感を生み「有馬家は情け深い」を表現した「情けありまの水天宮」の地口(言葉遊び)は、「おそれ入谷の鬼子母神」と共に江戸の二大流行語となったそうです。
お宮参りには、赤ちゃんにも着物を着せるイメージがありますが何せ暑いので、いくら現代風であっても「熱中症に気をつけて!」の言葉しかありません。
前にも書いたか、お宮参りで想起するのは映画『八つ墓村』(1977年野村芳太郎監督)で、中野良子さんが息子を抱え、夏の日差しの中をまっすぐな長い石段を上る絵が忘れられません……
水の神様である水天宮では、カッパは福を呼ぶ存在とされ、上の犬より小ぶりですがカッパ像も頭をなでられ、お皿はテッカテカでした。
箱崎ジャンクション(Map)
上写真は首都高速道路の箱崎ジャンクションです。
近ごろは首都高も利用しませんが、一度下から見上げてみようと。
近くの「東京シティエアターミナル:T-CAT」玄関の自動ドアが開くと、「うぉ〜、オアシス!」と感じるような陽気でした。
2001年アメリカ同時多発テロ後は、空港以外での搭乗手続きが認められなくなり、入国管理局のセキュリティ強化から出国審査業務・搭乗手続業務は行われていません。
バスターミナルはあるため客待ちのタクシーが集まるのは、「やっぱ日影だし〜」(高速の下)休息を兼ねたい心情がよく分かる暑い日でした。
浜町公園(Map)
浜町公園の隅田川に面した土手で、ストックを使ったウォーキング講習会が開かれています。
調べると「日本ストックウォーキング協会」が普及促進にあたるそうです。
ご想像の通りクロスカントリースキーがルーツで、ストックを使うと坂道が楽に感じられるのは上半身を使うからで、平坦地でも全身運動になるため消費カロリーが増加し、ダイエット効果が高まるとのこと。
確かに「転ばぬ先の杖」ではないが、ストックを持ち歩く習慣が身に付けば不意の転倒を防げそうですが、手が使えなくなるのはちと不便そうです……
0 件のコメント:
コメントを投稿