2021/01/25

歴史をアピールする──新川

2021.1.11【東京都】

 出発前の吉野家で、気持ちいい食べっぷりの(箸が止まらない)、可愛い体育会系女子高生(?)を目にし、その旺盛な食欲を眺める楽しさから、これぞ「父親が頑張れる原動力!」と納得しました。同席の母親もかなりの早メシなので、一家の食事風景を眺めてみたいと……



 上は、新川の東端が接続する旧江戸川で、中洲の妙見島(右)との間には、昨年は感染拡大の元凶とされた屋形船が係留されています。クラスターが発生した船宿では、半個室に模様替えするなどの対策を講じているそうですし(いまどきの屋形船はシャレています)、業界全体で踏ん張って、あの風情を継続させてもらいたい! と。
 映画『男はつらいよ』に登場した柴又の老舗料亭 川甚(230年の歴史)が、売り上げ減少により閉店するそうです(以前は観光バスが並んでいました)。

 妙見島(江戸川区)は23区唯一の自然島とされる中洲で、塀に囲まれた内側には、産業廃棄物処理場やマーガリン工場等の殺伐とした光景が広がりますが、唯一ニューポート・マリンクラブだけが、島らしいイメージを感じさせてくれます。


 新川は、明治期に完成した利根運河(江戸川と利根川を結ぶ)を利用する東京〜銚子間、江東区 高橋(隅田川に小名木川が接続する清澄白河付近)〜浦安間の航路とされましたが、鉄道開通により船の運行は終了します(接続する中川・旧江戸川に水門が設置:1965年)。

 河川周辺の改修では、船の往来でにぎわった江戸時代の再現を目指し、擬宝珠(ギボシ)のある木造の橋(右)や、下の新川さくら館 等が整備されます。
 木造の橋には、ボードウォークのような木の上を歩く心地よさがあり、完成当時にはヒノキの香りがしたそう。


 一帯の整備計画予算は約80億円に及ぶため、無駄遣い、箱物行政との批判を受け、人道橋と地域交流センターの数が削減されたそうですが(2010年)、寒い季節でも散策する方は途切れませんし、密にはならずにのんびりできる散策路は、区民に受け入れられたのではないかと(14年完成)。ジョギングでも、信号なくノンストップなので走りやすそうです。


若者へのメッセージを広めるべきではないか

 感染症対策分科会会長 尾身さんのインタビューに、
「1年近くの間コロナのために経済も大変疲弊しているので、若い人の仕事のチャンスも減ってくることもあります。現在大切なことに、若い人のちょっとしたことで、日本の医療を救える一番の立役者になれること、高齢者の命と日本の医療を、日本を救えるんだというメッセージが、若い人の間に伝わってくれるとありがたい」
とありました。
 「若者が悪い」としか言えない当局者やマスコミは、見習うべき言葉であるし、このメッセージを広める努力をすべき立場にあるのではないか。


“America is back” に期待は高まるが……

 諸外国は、無事に大統領就任式が行われたことに安堵し“Welcome back”の姿勢ですが、対立が先鋭化した国民の結束を取り戻すことは、かなり困難な道のりになりそうです。
 「失われた4年間」は長かったように感じますが、アメリカにとって必要な時間だったと思えてきます。「世界のリーダー」とされる国では、「ナショナリズム」に向かう動きでもリーダーシップをとってしまい、軌道修正は難しそうですが、世界はその状況からの “America is back” に向けた動向に注目しています。
 新大統領だけで達成は難しいとしても、その道筋を示してもらいたいと……

2021/01/18

木々の季節時計──新川西水門広場

2021.1.9【東京都】

 全国の主要都市に2度目の緊急事態宣言が出されました。この周辺を歩くのは昨年の宣言時以来になりますが、当時は桜の季節を楽しめないなんて、と感じたことを思い出します……



 この冬は1月から容赦ない寒さが続きますが、木々が持つ季節時計は例年通りに進んでいるようです。
 右のロウバイ(蝋梅)はこの日に花開いたようで、晩冬(小寒:1月6日頃〜立春:2月3日頃)の季語とされます。
 新川西水門広場にある火の見やぐら(上)を管理される方は、鳥が蜜を吸っては花を落とし、丸坊主にされたことがあるため見張っているのだそう。鳥にとっては餌の少ない季節のご馳走でも、花がなくなるとわれわれの季節感が失われます。
 下の十月桜は、春と10月頃の年2回開花し、冬も断続的に小さな花を咲かせるサービス精神の持ち主で、ほんのりとした薄紅色は、寒さを乗り切る力を与えてくれます。


 新川は、徳川家康が行徳の塩田から、江戸に塩を運ぶ運河として整備した「新しい川」で、荒川開削(大正〜昭和初期)により中川と接続しますが(荒川以西は小名木川)、地盤沈下による水害防止のため、中川との間に西水門が設置されます。
 現在、新川排水機場の整備により西水門跡は公園とされ、火の見やぐらが建てられました。特に由緒はないらしいが、新川整備のシンボル的存在となっています。
 といっても、花の季節を除けば密にならない散歩コースなので、のんびりできます。


政治家に可能なのは、お金による解決だけとも……

 全国主要都市への緊急事態宣言の会見では、感染症対策分科会の会長が同席しました。言い訳をグダグダ並べる政治家よりも、要点をストレートに話す先生の方が、はるかにわかりやすかったかと。前任者と同様に学習できないならば、最初から先生が同席できるように、統一見解を準備するのが政治家の役割ではないか。それもできないならば、分科会主導との批判も受け入れ、まずは「命あってのビジネス」程度を言えなければ、国民の不安・不満は収まらないと。

 煽るばかりのメディアよりも、祖父母や両親が感染しても入院できず、自宅待機のまま医師の診察なしに亡くなる事例が、インパクトを持つ状況となってしまいました。
 脅しは効かなくなり、お願いはさらに力を持たず、罰則による締め付けが検討される一刻を争う状況で効果的なのは、お金による解決(再度の給付金)かもしれません。お互いにさもしさを覚えるも、そんな状況に至らしめた政治家に可能なのは、お金による解決だけとも……

2021/01/11

これも富士信仰?──葛西臨海公園

2020.12.31【東京都】

 年末は実家に帰らなかったため、例年の鎌倉・江ノ島ではなく、近場で富士山がよく見えそうな葛西臨海公園へ。


 園内の施設(観覧車・水族園)は、クリスマス後から休業しているため、混雑もなく人出はちょうどいい感じです。
 右はヤナギですが、若葉はこんなに早いんでしたっけ?

 毎年この時期に思うのが、関東の太平洋側は晴天続きで(乾燥して肌はカサカサで、頻繁に消毒する手はひび割れてきますが)、風が弱い昼間には、防寒着がいらないほどのポカポカ陽気の恩恵を受けているため、大雪に見舞われる地域の方には申し訳ないと……
 この冬は寒波の襲来が続いているので、くれぐれもお気をつけください。


 上は隣接する、オリンピックで利用予定のカヌー・スラロームセンターに設置された仮設の観覧席で、他に利用予定がないため解体されず、雨ざらしになっているようです。
 現在の状況から半年で五輪が開催されたとしたら、「何と素晴らしいことか!」と歓喜するでしょうが、世界的に劇的な改善が見られない状況下での開催は、これまで以上の感染拡大を引き起こしそうです。感染症対策においても、五輪開催のビジョンが足かせとなっては困るので、早期に判断すべき状況にあるのではないか……


 富士山の姿を目にすると、どこで、どんな状況でも「ホッと」落ち着くからでしょう、曇天時に新幹線乗車時も、見えない状況を確認するために、窓をのぞいたりします。
 外国人観光客も賞賛するように、姿の美しさは世界に通用するものですが、われわれにとっては心のより所のようで、身近でありながら目にできたことは自慢になり、周囲がうらやむというのは、信仰対象に近い存在と言えそうです。
 その姿に対峙した瞬間、素直な気持ちから「新しい年は、きっといい年に!」と、祈りたくなりますし、眺めているだけで穏やかな気持ちになります……


 大晦日の夕暮れまで遊んでいる家族連れは少ないものの(江ノ島周辺は結構います)、海側が開けているので、夕焼け目当ての人が足を運ぶようです。
 また、この公園にはゲートがないため初日の出見学も可能で、ディズニーランドのシンデレラ城から昇る初日が見られるスポットとして人気があるらしい。

 下の、ゲートブリッジに反射する夕陽は想像してなかったので、こういう楽しみ方もあるのかと。冬場の夕刻は急に寒くなるので、普段なら帰路についていますが、いい雰囲気だったので……


安心させようとしているのか?

 「1ヵ月後には必ず事態を改善させる。そのためにも内閣総理大臣として私自身、全力を尽くし、ありとあらゆる方策を講じてまいります」(緊急事態宣言発令時の発言)としながらも、外国人の新規入国を継続させ、穴は塞がないと決めたそう。その理由に「ビジネス継続」を挙げるらしいが、現在の玄関口は出島ではなく首都なのに、心臓部の穴から全国へ感染拡大させる危険性を放置するとは、ずいぶんと間の抜けた方策かと。
 電車で通勤する平民と、焼肉店まで車で移動する上級国民とでは、危機感の受け止め方がまるっきり違うようですが、会見時に緊張感のない表情を見せるくらいなら、原稿を読んでいた方がまだましという気がします。まさか、ゆるい表情で安心させようとしているわけでもあるまい……

2021/01/04

年始の祈り──新左近川親水公園

2020.12.26【東京都】

 近所を歩くことは日常の過ごし方ではありますが、同じ場所ばかりを歩いていると、文章のネタがなくなってきます……



 地域の広報誌に、公園のスイセンが満開とあり、印象になかったので行ってみると、植えられるのは公園のほんの一角ですが、確かに花の盛りでした。真冬のスイセンに励まされ、これから咲く花たちに期待をつないで春を待つ、寒さ本番の季節が始まります。
 地域の話題はささやかなもので十分とはいえ、怖くて足を伸ばせない現状の「行動範囲が狭くなったジジイのような気分」は、いただけないと……


 公園の人出が少ないのは、クリスマス前から区の運営する施設が、感染拡大防止のため休止されるためらしい(上は前週の写真で、カヌーは年始まで利用停止中)。
 風が弱い日は日向ぼっこに絶好の場所で、気温は高くありませんが、日差したっぷりのポカポカ陽気なので、歩いていると防寒着を脱ぎたくなります。


 上のつばさ橋の先にある東京臨海病院が、感染患者受け入れ施設として取材を受けていました。江戸川区の施設(保健所等)がよく取材を受けるのは、現在都内で9番目に感染者が多い自治体としての、啓蒙に向けた方針ではないかと。
 母は、かかりつけ医に陽性判明者がいたと知りビビったらしいが、うちの近所も同様な状況ながら、単に実態を知らないだけかも…… だからといって行動の改めようがないので、これまで通りの対策を続けていくしかありません。


 「正月なんだから少しくらい」と考える人が多そうなこと、それを大目に見ようとする気分はわかるだけに、大きな穴となりそうな不安を覚えます(正月明けは大変な事態になりそう)。
 昨年は数多くの「こんな○○は初めて」を経験しましたが、「こんな正月は二度とごめん!」と、一年の計を心に期する方が一人でも増えて欲しいと願う新年です。

 上は、カヌーポロ(リンク先Youtube)という競技のゴールが水面に映る絵。上にとまるカモメを狙うも、コントラストが強すぎて写らなかった失敗作ですが、水面がキレイなので。
 右は少し前の写真。


自主性が感じられない国

 いまさらでも「先手」と言いたかったらしい、全世界からの新規入国禁止が年末になったことも、第3波とされる感染拡大の元凶の一つと思われます。それでも海外から侵入する穴は空いているので、その対策だけでは効果を見込めないのではないか。
 どうも政府の態度は、国内の意見は無視するも、海外の流れには逆らえないように受け止められます。それは「国民」ではなく「国が生きる道」を模索するように見えるため、国民としては「どうしたものか」と、途方に暮れてしまいます……


気持ちがひとつになれた紅白歌合戦

 昨年の活動に制限を受けた歌手・ミュージシャンたちは、みな露出の機会を求めており、この場で表現したい思いは同じ方向性のベクトルを持つため、出場者たちの気持ちが大きなうねりとして伝わってきました。
 感染予防対策でホールのステージにこだわれないため、これまでとは違う様々なパフォーマンスが展開され、オーケストラを別スタジオに準備した、Superfly「愛をこめて花束を」等にシビレました(玉置浩二「田園」のアレンジは楽しかった)。歌手も、楽団員も、存分に表現できたのではないか? そんな出演者たちの思いは、視聴者に伝わったことと。
 今までのように、時間にせかされる進行に流されることなく、パフォーマンスをじっくり楽しめたように感じます。

 二階堂ふみの司会ぶりは見事で、彼女の度胸とクレバーさを生かすには、役者よりこっちの方が向いてるのではないかと……