2012/05/14

植物たちの彩りがまぶしい──巣鴨〜駒込

2012.4.29【東京都】──「山手線を歩く! ⑰」

 本稿は天候が安定していた連休前半に歩いた報告になります(先に歩いておいてよかった……)。
 今回歩いた施設は掲載も2度目ですし、写真を多く撮ったのでキャプション程度の文章にしようと思います。
 最近は自分でも文章が長すぎると感じるので、「この程度にすべき」の見本にしたいと思っているのですが……


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 ここは「東京大学大学院理学系研究科附属植物園:小石川植物園」とされる施設で、植物学の教育・研究を目的とする東京大学の施設になります。
 1684年徳川綱吉の白山御殿跡地に幕府が作った「小石川御薬園(おやくえん)」がこの植物園の前身で、前回ふれた「品川、牛込御薬園」を引き継ぐ施設になります。

 上写真は「柴田記念館:柴田桂太教授が受けた学士院恩賜賞の賞金寄付により1919年に建てられた施設」で、植物園に残る最も古い建物になります。
 調べてみると、この「建物ファン」が結構いるらしく、わたしもその人気に共鳴するようにシャッターを押しました。
 このようなしゃれたたたずまいと、敷地環境で暮らせたらとあこがれてしまう、落ち着いた建物です。



 上写真は「イロハモミジ並木:手前」と「桜並木:奧にあるも分かりにくいか?」の間に広がる緑地です。
 モミジの葉は紅葉も青葉も光を通しやすいので、裏(下)から逆光的に見上げると、それぞれの季節の「鮮やかな色彩」が味わえます。


 満開には少し早いですがこの「ツツジ並木」は、映画『外科室』(1992年 監督:坂東玉三郎 出演:吉永小百合)ロケ地とされ、とても印象に残っています(泉鏡花の原作にもこの地が登場する)。
 春の季節感を与えてくれる桜のはかなさと違い、初夏の植物であるツツジには腰の据わった表情があり、色彩鮮やかな季節の到来が感じられます。

 ガキ時分を過ごした家の玄関先にツツジが植えられていて、花のみつを吸った覚えがあります。いまもツツジを見かけると、みつの甘さと、手についたベトベトがしつこく、ズボンでこすってもとれず「どうしよう?」と手を見つめた光景が思い出されます……



 園内に「ハンカチの木はこちら→」(上写真)という臨時の案内板がありのぞいてみると、終わりかけのようですが目にできました。
 白く大きな葉(花ではないらしい)が目立つので「ハンカチの木」「幽霊の木」と呼ばれます。
 中国原産種ですが、フランス人のアルマン・ダヴィッドが発見〜欧米で発表したことから、学名には彼の名前がつけられます。上のリンク先の記述には、彼は欧米人として初めてジャイアントパンダを目にした人物とあります。

 いつの時代でも「珍しさ」は人々の関心を集め、「発見」→「乱獲」→「絶滅危惧」に追い込まれるため、「ワシントン条約:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」が必要になってしまいます。

 右写真は分かりにくいのですが、ミズバショウの花が咲き始めている姿です。
 東京の屋外で目にできるとは思わなかったので、絵になってませんが無理やり掲載しました。

 ミズバショウといえば尾瀬が思い浮かびますが、開花時期は6月とされるので、出かけるのは難しい時季です。
 もうずいぶん前になりますが、これまで訪問できたのは夏休み期間だけです。





 右は、幹から花が咲くように見える「ハナズオウ」の木で、中国~朝鮮半島に分布するそうです(マメ科)。
 花の茎が短く枝や幹から直接咲くように見えるため、満開時は花が枝を覆うと知り、以前そんな樹木を見た記憶がよみがえりました。
 また花の後の枝には、インゲンのような茶色のサヤが下がるとされますが、そんな姿の木も見た覚えがあります。

 植物に関する知識は無いながらも、切れ切れの記憶の断片をつなぐことができれば、一気に植物に対する関心と理解が深まるのでは? と思ったりします(それは万事に共通の命題です)。
 そのためには、この地のように多様な植物が育てられる植物園へ、季節ごとに足を運ぶ必要がありそうです。

 時間はかかりそうですが、ポチポチと積み重ねたいと思っています。


 「小石川植物園+六義園」という都内屈指の名勝地を、これまで1日で歩くことは無かった気がします(前回訪問では同じページですが、訪問日は異なります)。

 同じ日の、同じ気分で歩いているにもかかわらず、六義園の門を入った途端に、感受性の「センサーが切り替わる」かのように、関心の対象が変化していることを自分でもおもしろく感じました。



 舟小屋と松が並ぶ様は、庶民生活とかけ離れた「優雅さ」を象徴しているようにも感じられます。
 「庭の池に舟を浮かべてみたい!」そんな夢物語をいっときでも抱ける庭園ゆえに、人気があるのか?
 現代の生活では目標にもならない、大きすぎる夢物語です……



 上写真は「つつじ茶屋」で、明治時代につつじの古材で建てられ戦災を生き残ったそうです。
 しかし、昨年の震災で被害を受けたまま未修復の状態で、立ち入り禁止とされてます(大正時代の関東大震災は大丈夫だったのかしら?)。

 季節ごとに楽しめる光景こそ、日本庭園の目指すところと思います。(→秋の光景








 朱傘内側の、ほねを支える部分がこんなにもカラフルに飾られていること、初めて知りました。

 次はどの季節に訪れましょうか……



 追記──巣鴨駅ビル完成

 工事が長かった印象のある巣鴨駅に駅ビルが完成していました。
 山手線と地下鉄三田線の乗り換え客は多いものの、「巣鴨で買い物」につながるのかは、ちょっと疑問です。
 ですが、池袋〜上野間にはショッピングモール的な施設が無いことは確かです(日暮里駅前の再開発がどうなったのか今度見てきます)。

 気になったのが、三田線からのエスカレーターを上った正面にあった「立ち食いそば屋」です。
 工事前までの印象ですが、山手線の中では「おいしい!」記憶が残る店(5〜6人しか立てないほどの狭さ)でした。
 リニューアル後はどこに? と探しましたが、消えてしまったようです。
 「何がおいしいと感じたのか?」もう一度食べてみたかった気がします……


 追記2──田町・三田付近の「母の日」

 5月第2日曜は母の日とされますが、自宅周辺では「この土地の風習(?)」と思うほど、多くの人たちが同じ箱を持つ姿を見かけました。
 わたしのアパートの隣接ビルに「コージーコーナー:洋菓子、レストラン」があり、普段日曜は休業日なのですが、この日は洋菓子の販売のみ営業しています。
 人々はその店のケーキの箱を「ステイタス」のように手にし、家路に向かいます。
 特に夕方は店舗も混雑していて、その人気ぶりには驚きます。
 その手に関心がないため推測ですが、付近にほかの洋菓子店は無いのかも知れません。
 いずれにしても「花(カーネーション)よりだんご(ケーキ)」をよろこぶ母親が、この付近(だけ?)には多いのでしょう……

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