2013/11/18

ビニール袋を握りしめる充足感──東中野〜中井

2013.11.9【東京都】──大江戸線を歩く_22


より大きな地図で 大江戸線を歩く を表示

東中野駅付近(Map)


 上は東中野にあるマニアックな映画館「ポレポレ東中野(旧BOX東中野)」。
 自分もマイナー映画好きの自覚はあるも、この映画館にはその下のアングラでも足りない「趣味」「ボランティア」のような印象があります。この日の上映作品は『ねむの木の詩』(宮城まり子監督 1974年)。
 写真の人だかりは、産直野菜(?)販売の買い物客で、奧のイベントスペースも「何の群れ?」と思うような人込みです。
 身近な仕掛けがうまいらしく盛況ですが、なるほど好きではない空間のニオイのせいで映画館にも足を運ばなかったのかと、納得しきりです……

 東中野駅は1906年(明治39年)、JR中央線の前身である旧甲武鉄道「柏木駅」として開業します。
  資料にも「柏木〜立川間の約27.4キロにわたる一直線路線は、新幹線以前は全国で3番目に長いとされた」と残る。
 右の「柏木不動尊」は、以前の地名が残っている程度の関心でしたが、手入れが行き届くだけでなく、毎年4月と11月にはお菓子や甘酒がふるまわれると知り驚きます。この写真も招かれ撮らされたのかも知れません。
 何でも、写真家篠山紀信の出身地は「東京市淀橋区柏木」の表記だとか。

 東中野日本閣(結婚式場)は再開発後、高層のツインタワーとなります。以前あった看板のインパクトが消え、建物内に健在も、無くなった? の印象を受けます。


小滝橋(おたきばし)付近(Map)


 上は神田川に面した甘味処で、小滝橋の近くになります。
 現在のコンクリート護岸では風情もありませんが、江戸時代には茶屋が並ぶような散策地だったそうですし、谷地という場所柄で人が集まりやすく、色気もあったのでは? という気がします。
 現在都営バス小滝橋車庫があり、ここより新宿大ガード西交差点に至る通りは小滝橋通りとされます。


落合中央公園、せせらぎの里公苑(Map)

 遠くからも目に入る高い場所にある野球場の照明灯には、何か川崎球場のような懐かしさが感じられ、かなり前の有藤、村田兆治などパリーグ選手がプレーしていそうな空気が漂います。
 落合水再生センターの屋上に作られた公園施設(1964年)なので、近ごろの太い鉄柱1本で支える照明灯は建てられないのかも知れません。
 こんな天気でも、草野球チームは張り切ってヘボ練習(失礼!)をしています。メンバー集めで苦労する分も草野球を楽しんだ記憶がよみがえります。


 同水再生施設上に設けられた「せせらぎの里公苑」には、右のようなレトロレンガ(汚水処理後に出る汚泥焼却灰を利用)が敷きつめられています(写真では分からないが、不思議な光りを放っていた)。

 なぜ下落合駅前の市街地に下水処理場が必要かといえば、新宿高層ビル街のトイレ等で再生水を利用する「新宿副都心水リサイクルセンター」プロジェクトの役目と、水源の枯渇から水質が悪化した渋谷川・古川、目黒川、呑川に送水する役目とされます。
 そういえば、目黒川沿いの川の資料館(中目黒)で教わった気がします。
 一方で、麻布十番付近の古川(谷地形)では、水害対策の古川地下調節池整備事業(2008〜16年)が進行中です。
 水を守り、水から人を守ることは都市の必要条件ですが、大都市での施設建設の困難さがうかがい知れます。


下落合駅付近の商店(Map)


 下落合駅近くの、以前は商店が並んだと思われる通りで、鮮魚店に出会います。
 ショーケース内に立つ値札の数が、元気さを物語っています(リンクの地図に名前が載るとは有名店?)。
 この光景に、20代の時分お世話になった板橋区蓮根中央商店会を想起しました。
 魚屋(当時シメサバが大好物)、豆腐屋(家で厚揚げ・がんもを焼いた)、肉屋(唐揚げがおいしい)で、それぞれ単品で買うためレジ袋には入れてもらえず、持ち手のない透明のビニール袋の端を握りしめ、ぶら下げ帰る際の充足感を思い出します。
 今でも店のオヤジやおばちゃんの顔まで思い出せることから、「地元付き合い」だったと改めて感じます(銭湯の番台に座るおばちゃんの顔も覚えてる)。

 近ごろもコンビニやスーパーの店員さんの顔は覚えても入れ替わりが多いので、いつの間にか記憶から消えることが当たり前になりつつあります……



追記──ポール・マッカートニーは惨敗でした……

 「最速予約」「先行予約」等の抽選にもれ、最後は「オークション」も初めてチャレンジしましたが、初心者では太刀打ちできないとあきらめました。
 ヤフオクなどでは、自動入札(落札希望者が設定した最高額までライバルと競り合う)機能があるため、こちらが金額を上乗せしても即座にその上の額を提示してきます。
 オークションはそうして競り合うものでも、相手のペースで金額だけつり上げられた末、相手の限度額に達して降りられたら、自分だけが丸裸で取り残されるような恐怖を感じました(不正な駆け引きが介在しそうな印象も)。
 予約の時点から金儲け連中の人海戦術に太刀打ちできなかったような気がします……

0 件のコメント: