2014/03/24

春は隅田川?──岩淵水門周辺

2014.3.15【東京都】──「隅田川を歩く_1」

 春一番の嵐もやってきたので「春のうららの隅田川〜♪」(瀧廉太郎『花』:滝の字は上が正しいらしい)っと、今回から隅田川沿いの下町を歩きながら、ぼちぼちスカイツリーでもと考えています。

 隅田川の名は元々入間川(荒川支流)下流の俗称でしたが、荒川本流とされた時代を経て、明治末〜昭和初期に建設された荒川放水路(岩淵水門〜葛西臨海公園付近の河口まで:下地図右の流れ)が荒川本流とされ、岩淵水門〜竹芝桟橋付近の河口までを正式に隅田川(下側の流れ)としたのは1965年になります。


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赤羽駅周辺(Map)

 赤羽駅に降り立つのは久しぶりで、駅の大規模な改修工事中は「乗り換えはどこに行けばいいの?」とさまよいましたが、完成後のホームは「雲に上る」ようで驚きました。
 駅前も今どき風に整備され、下のアンデス音楽(フォルクローレ)パフォーマンス(BGMには心地いい)も可能な広場が作られます。
 逆光気味なのにライトを当てたような明るさは、ビルの反射光(光って大切!)。

 一歩路地に入れば以前と変わらず、昼間から店先にテーブルを出す立ち飲み屋(やきとり等)が並ぶ様子は健在で、これぞ赤羽! の光景に安堵します……


江戸時代は渡しのあった岩淵の宿場が栄えますが、鉄道の開通以来、高台にある軍施設の元で駅を中心に「軍都」として発展します。
 右のカトリック赤羽教会は、空襲で軍需工場が焼き払われた跡地に建てられたもので(1949年)、戦後の赤羽復興の歴史を残す姿です。

 戦後復興の自由な空気というか野放し地帯のため、いたる所に「車通り抜けられません」のワクワクする看板があり、「右 or 左?」と迷路を楽しめる地域が健在です。
 ガキのようですが、一期一会の究極の選択で、選んだ理由と○ or ×の結果をキチンと反省し学習することは、とても大切なことです!
 付近では、利便性を考え袋小路にしない方針らしく「どっちも正解」で「何だぁ〜」の路地ばかりでした……


岩淵水門付近(Map)

この日はまだ春を感じる陽気ではないも、穏やかな晴天に「空が広くて、気持ちいい〜!」と、一足早く「春の伸び」をします。

 以前暮らした新丸子は多摩川に近く川沿いをよく歩きましたが、河川敷の広い荒川からは、およそ15年前まで暮らした高島平在住時の記憶がよみがえります。
 河川敷が広いおかげで「いたばし花火大会」は、都内最大の「尺五寸玉」を上げられると自慢げでした(多摩川の花火を小さく感じるほど実感がある)。
 また、若い頃は毎週の徹夜仕事明けの足でストレス発散(?)に歩いたこと、等々を思い出します……


 江戸時代まで現在の隅田川から江戸川に至る低地には、飯能方面が水源の入間川、秩父が水源の荒川や、群馬・栃木県を水源とする利根川も流れ込んでいたため、現在下町とされる一帯は広大な湿地でした。
 そんな湿地を水田として開発しようと挑みますが、縦横無尽に流路を変えるような洪水に集落単位で対抗できるわけもなく、本格的な開発は江戸幕府による「利根川の東遷:現在の銚子方面への流路変更」等の改修事業と歩調を合わせることになります。
 とはいえ湿地を埋め立てた地域なので、将来まで水害対策と縁を切れない場所柄です。


 一枚上の赤い旧岩淵水門は役目を終えましたが、東京都歴史的建造物の指定のおかげ(?)で現在も保存されます。
 下は現役の岩淵水門で、防災計画の要請により規模は格段に大きいが、赤い水門と比べるとデザインより機能重視(リンク先は水門の役割を示す看板の写真)とされるのは仕方ないのでしょう。
 上写真は旧水門付近のオブジェ。


 ですが、以前目にした衝撃が忘れられない大規模水害による地下鉄への浸水予測シュミレーション(以前紹介したリンク先が健在なので再度紹介します)には、この付近の堤防決壊を想定した場合、都内の地下鉄は甚大な被害を受けると示されます。
 近頃の水害では、水門のような構造物は機能しても、シュミレーション不足の橋や堤防部分に被害が多い印象があるので、再確認してもらいたいと願います。


 堤防沿いのテラス建設現場では川底に基礎を設置する作業中らしく、潜水士とつながる司令船(右下の白い船)のスピーカーからダイバーが指示する声が響きます。
 おそらく「あまちゃん」種市先輩のようなヘルメットを被る、南部もぐり姿でしょう。
 クドカン(宮藤官九郎の脚本)は容赦ないですから、「あまちゃん2」はこんな場面からスタートするかも知れません。「おらやっぱ北三陸さ帰(けえ)る!」とか……

 久しぶりの郊外の絵は「開放感ある!」のですが、この先の隅田川には河川敷はないので思いっきり空気を吸い込んで、本格的な春の訪れを待つことにします……

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