2012.12.24【東京都】──「ベイエリアウォーク⑭」
《ゆりかもめを歩く⑩ 汐留、新橋》
より大きな地図で ベイエリアウォーク を表示
汐留(Map)
汐留付近では地下道ばかり利用していたので、一度ビルの谷間を歩いてみようと、デッキに上がりました。
「ゆりかもめ」新橋駅から続く高架の歩道は、かなりの高さで地上の道路をまたぎ、高層ビル群のすき間をぬうように伸びていきます。
その高低差を強調しているのが日本テレビタワー周辺で、写真では伝わらないかも知れないが、映画『天空の城ラピュタ』のパズー(主人公の少年)が暮らす、切り立った崖に続く鉱山の町を想起します。
下写真はディテールからもお分かりのように、宮崎駿デザインによる「日テレ大時計」の足部分。
他にも付近には、宮崎さんの「近未来空間のイメージ」が見え隠れするような印象があります。
からくり大時計の動きはYouTubeで見ましたが、大林宣彦映画(『時をかける少女』など)のような、針の勝手な動きが印象に残る程度……
ビルの谷間という日の当たらない場所柄ゆえ、「人の営み」からぬくもりを感じて欲しいというストーリーのようです。
これまで見上げること(関心)もなかった右の電通ビルが、尖ったフォルムであると初めて気付きました。
この部分にも柱は必要ですし、階段くらいしか用途は思いつきませんが、どんな利用をしているのだろうか。
広告代理店というのはテレビ局と違い自ら「発信」しないくせに、テレビは広告に支えられ、その広告の「初めに電通ありき」とのエラそうな態度が好きではありません。
付近の高層建築物が海風を遮るため、内陸部で高温化(ヒートアイランド)が発生すると指摘されて久しいが、冬の季節には逆の効果をてきめんに体感できたりします。
ビル群の南側にある浜離宮恩賜庭園では冬の北風がビルに遮られるため、風をほとんど意識することなく、ゆるゆると散策が楽しめます。
ですが帰り道、一歩ビル街に足を踏み入れた途端、寒風にさらされ「さっきまでの穏やかさは何だったの?」と、ギャップに身震いさせられます。一度お試しあれ……
浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうおんしていえん)(Map)
池に海水を引き入れ、潮の干満による変化を楽しむ「潮入の池」は、現在都内ではここだけとのこと(以前清澄庭園では隅田川の水を引き入れていた)。
それが役人たちの論理では「潮の満ち引きを楽しめる景観は保全すべき」となり、「陸側の景観は保全対象ではない」というスタンスになってしまいます。
いまさらどうにもなりませんが、いくら一等地とはいえ、あんな壁を造るこたぁねぇんじゃねぇの? と思ってしまう密度です……
上は十月桜という冬に咲くサクラ。まばらで迫力はありませんが、近くで見るとやはりサクラの仲間です。花びらが小さいため、寒さに縮こまっているように見えます。
庭園には江戸時代に造られた鴨場(鴨を捕る施設)が残されています。
池の周囲に身を隠せる土塁を築き、引堀(ひきぼり)という狭い水路におびき寄せ、網で捕獲します。
上写真の小覗(このぞき)から様子をうかがい、池で飼育するアヒルに、右上の板をたたく音が引堀にエサをまく合図と教え込みます。
狩りの際も同様の手順ですが、なぜ鴨が引堀に入ってくるかというと、アヒルを追う習性があるんだそうです。
網で取り逃がした場合は、鷹匠が鷹を放ち仕留めます。
以前TV『ブラタモリ』で目にしましたが、実際に園内で鷹匠がデモを見せてくれる機会があるようです。
そんな説明書きを読むと、板をたたきたくなる気持ちは分かりますが、残念ながら現在アヒルは飼われていないようです。
また鴨たちも先祖代々の教えなのか、見晴らしのいい潮入の池で羽を休めています……
海辺の南端には竹芝桟橋で目にした汐留川水門の巨大ポンプ、正面に月島、北側に築地市場、そして背後には汐留と、水路を挟みさまざまな施設に取り囲まれています。
こんな一等地に、よくこれだけの庭園が残されたものだと感謝し、また花の季節に楽しませてもらおうと考えています。
モミジやカエデは終わりですが、ハゼノキ(上)は色鮮やかに染まっています。
豊洲から歩いてきた「ゆりかもめ」沿線は新橋で終了になりますが、ベイエリアをもう少し歩こうと思っています。
追記──大河ドラマ『八重の桜』が始まりました。
主人公である新島八重さんの生涯は波瀾万丈で話題も豊富なので、きっと痛快な物語になるものと期待しています。
気合い十分で挑む綾瀬はるかのハツラツとした姿も楽しみに。
福島が舞台ということもあり(後半は京都に移るので急いでいるのか?)、NHKも年初から力を入れてガンガンプッシュしていますから、ドラマを絡めて盛り立てていきましょう!
0 件のコメント:
コメントを投稿