《ゆりかもめを歩く⑨ 日の出〜竹芝》
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日の出桟橋(Map)
上は、レインボーブリッジをくぐり入港する船の正面にあり、東京港のシンボルであるはずの「晴海客船ターミナル」ですが、写真左奧から手前側には巨大なビルが林立するため、この姿は背景に埋没してしまいます(日の出桟橋からは背景が抜けて見える)。
船乗りは海図などから港内信号(上の「F」は制限無しのFree)を探しますが、素人には見つけにくく、存在感というより「意欲が感じられない」施設に見えてしまいます。
横浜のように、ベイブリッジをくぐり大桟橋を目にすれば「あそこに接岸するんだな」と、一目で分かる期待や安心感は、とても大切なアピールと思うのですが、もう力を入れられない状況のようです……(レインボーブリッジ通過の高さ制限のため)
上は隅田川・東京湾観光水上バスで、カッコイイと思うも(前に見た気がする)何も寒いのに屋上デッキに出なくてもと思いますが、それには背景があるようです。
これは松本零士デザインの「ホタルナ:ホタル+ルナ(月の女神)」という船で、2012年に就航し大人気とのこと。
見た気がすると思ったのは、8年前から運行の松本零士プロデュース第一弾「ヒミコ」を目にしていたらしい(デザインテイストが似ている)。
これまでの水上バスには屋外甲板がありましたがヒミコには無く、それがホタルナで実現したため、ファンたちは寒さも関係なく屋上デッキに上るようです。
この船で宇宙を旅する必要は無いことを、松本さんも納得したのではあるまいか?
豊洲では「乗船券売場」に利用される、シルバーボディの「エアーストリーム:トレーラーの名称」は水上バス会社施設のようです(ここはアイスクリーム店だったか)。
背後のシンフォニーやバンティアン(竹芝ふ頭)は、船上ディナー、パーティのできるクルーズ船ですが、波の静かな東京湾内とはいえ洋上なので当然揺れます。
船に弱い人は近寄らないにしても、「ディナークルーズ」の響きに引き寄せられる人は多いようでが、大丈夫? 「アレ、わたし酔っちゃったかも?」も含めて……
一度だけ経験した屋形船の宴会では「酒・船? どっちに酔ってる?」と無頓着ですが、トイレは座敷の外にあり「海に落ちるなよ!」のかけ声は、結構本気と感じるほど船が揺れてたりします(酒・船どっち?)。
クルーズ船は屋形船より揺れませんし、品もあるので大丈夫ですよね……
竹芝桟橋(Map)
レインボーブリッジの下に望む、大井ふ頭のクレーン群に活気がないので(曜日や時間帯かも知れませんが)実態を調べてみようと。
「いまや横浜港に抜かれ…」の様子は織込み済みですが、2011年国内主要港湾統計によると、入港船舶の総トン数では横浜トップの2位ですが、貿易輸出額では名古屋、横浜の順となります。東京で目立つのは輸入額の多さです(1位)。
漠然としたイメージ通り、名古屋や横浜から自動車や工業製品を輸出し、大量消費地である東京でガツガツ輸入する流れが、日本貿易の大動脈のようです。
今後もこの構造を維持する腹づもりで、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への交渉参加となれば、当然「強きを守り、弱きをくじく(守れない)」とのスタンスになることは、火を見るよりも明らかです(逆の考え方では日本の国力は弱まってしまう)。
そう考えると東京港のふ頭は、困らない程度にヒマ(週休2日)でもいいのか?(デフレ脱却に安価な輸入品を減らすためにも)と思ったりします。
上は汐留川水門とされますが、その陸側も海水域で水上バスなどの船だまりがあるため、川の水門とされてもピンときません。
江戸時代干潟の埋め立て時から、運河のような人工的な水路も川とされ、工事下に置かれたものは、陸地扱いの河川として管理されます。
この水門には、海水面上昇時に右の海側からの海水侵入を防ぎ、左の陸側にたまった河川からの流入水をパイプを利用し、海側に排水する役目があります。
配水管の上にある構造物がユニークで撮りましたが、その説明には「配水管のカバー」としかありません。
想像もできない活躍で驚かせてくれそうなので、不謹慎ですがこのカバーが稼働する場面(洪水時)を見たくなります。
まん中の垂直に下がる腕の根元が軸となり、右のしっぽ部分の下が逆流を防ぐ弁になっているのでは? 上はその際のバランサー(重し)と想像しますが……
竹芝桟橋を出航する「おがさわら丸:東京と小笠原諸島父島を結ぶ唯一の定期航路」に遭遇します。
はて? ここを夕刻に出たら到着は翌日の夜? と調べると、土曜の夕方竹芝着なので勤めを終え停泊地に向かう姿のようです。
もう20年も前ですが、初代おがさわら丸に乗り込む際「あれっ、八丈島航路の船より小さくない?」と、船中の揺れを覚悟したものです。
現在の2代目は少し大きくなっても、八丈島航路の新船より小さいそうです。需要を考えれば仕方ないとしても、重要度は極めて高い島民の命綱とされる存在です。
時刻表によると所要時間は26時間程度で、途中の寄港や休憩も無いため、サラリーマン的な1日8時間換算では片道で3日分の労働時間となります(船内では交代制としても)。
父島ではクルー交代ができないので休息日が必要となり、父島で2日間の休みを取ります(荒天などの非常時には変更あり)。
それを積み重ねると1週間に1往復しかできず、採算はとても考えられませんから、運営側に使命感はあっても、船のサイズは「最小限」となってしまいます。
父島で暮らす大学の同級生への年賀状は、船便の曜日を読むと元旦には手元に届きそうです……
本年も当然のように暮れていきます。
よいお年をお迎え下さい。
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