2013/12/23

エルドラドの夢──豊島園〜練馬春日町

2013.12.14【東京都】──大江戸線を歩く_27


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豊島園付近の寺町(Map)

 地下鉄大江戸線豊島園駅前に、田島山十一ヶ寺という浄土宗寺院が軒を連ねる一画があります。
 元は浅草にあった誓願寺の塔頭(たっちゅう)でしたが、関東大震災の後に本寺は府中に移転するも、塔頭はこの地に集団移転します。
 塔頭とは、本寺の高僧の死後、弟子が師を慕って敷地内に建てた小院のことなので、本寺と分かれてしまうと、より所あらずの印象を受けます。
 ですが、広い墓地を共に守る姿からは、共同体の大切さが伝わります。
 右の手榴弾のような石は、立ち入るべからずのしるし。


としまえん(Map)


 園内の回転木馬は、1907年にドイツで製作され「カルーセルエルドラド」の名を持ち、日本に現存する最古の遊戯機械として2010年「機械遺産」に認定されます。
 彫刻はすべて木製の手彫り(もちろん木馬も)だそうで、細部を見ると子ども向けではない、作者のロマンや世界観が込められた、芸術作品的な味わいがあります。
 アメリカで乗ったとされるアル・カポネは、退廃的な「黄金郷:エルドラド」を夢見たのではあるまいか。
 そんな舞台にロバート・デ・ニーロが登場したならば、馬の表情も豹変し倒錯した世界になりそうな怪しさを秘めています……(そんな映画のシーンありましたっけ?)


 プールの監視台を転用? のソリは、スケートリンクで格好の遊具になります。
 ガキ時分のリンクに遊具の類はありませんが、札幌冬季五輪の時代なので、選手をマネして楽しんでいた気がします(もうスケート、スキーは行かないだろうなぁ)。
 子どものヘルメット着用義務は大切ですよね。ニット帽をかぶっていても、不意の転倒で後頭部を打つと「\☆/」が飛びましたもの。
 ガキ時分はスケートに限らずよく頭を打ちましたが、結構大丈夫なもんだと思っていますが、それは間違いです。

 練馬区なのに「豊島園」とは、以前豊島氏が治めた練馬城跡地に立地することに由来。


点在する生産緑地(Map)


 夕方の野菜無人販売所は、近所の人が入れ替わり立ち寄る人気スポットです。
 何たって値段の安さ、地産地消の新鮮さ、生産者への信頼感の三拍子ですから、生鮮品直売の基本といえそうですが、ロッカー式なのは都市近郊ゆえの不心得者対策のようです。
 ですが全部売れても1万円に満たないと考えると、サイドビジネスではなくご近所サービスに近い気がします(消費者の笑顔に接することが喜びなのでしょう)。

 右は、農地で体験農場の世話や、採れた農産物でもてなすレストランを経営している農家の屋敷です。
 農地を全部見てはいませんが、生産緑地に指定された農地でも農業とされる生産活動はしてないように見えます。

 副業で生活しているように見えるのはカモフラージュで、本業となる「大地主」では賃料収入だけで左うちわの、土地成金なのでしょう。
 以前「練馬大根」で名をはせた農地を、全部手放せなかった農家は、節税対策で生産緑地指定を受けるも、30年間は転売できないため、ご近所へのサービス業として「庭いじり」程度の活動を「日課」としているようです。

 右は高松八幡神社で、大根畑に浮かぶ鎮守の森が、現在は住宅街に囲まれ、環状八号線を背負う場所柄となり「性格変えなきゃ!」(って、昔なかった?)かも……


追記──猪瀬東京都知事辞職

 周囲に政治のプロがいなかったとすれば、石原前知事のアドバイスが足りなかったと受け止められます。
 最大の使命であった「東京五輪招致」を成し遂げてご苦労さんでは、青島元知事(都市博中止)のパフォーマンスと変わりませんし、毎年知事選挙をする都市を首都とする国への信頼も失われかねません。
 利権が集中する東京の頭を各政党は虎視たんたんと狙うようですが、住民とすれば、特別な都市ではあるが「普通の生活をさせてもらいたい」と、願うことでしょう……


追記2──ビッグコミックオリジナル『あぶさん』完結。

 ついに、その時が!(連載期間:1973年〜2014年2月終了予定)
 調べると主人公「あぶさん:景浦安武」は、南海の藤原満、ロッテの有藤道世、阪神の田淵幸一、広島の山本浩二の同期とあります(ご存じの方は少なさそう)。
 近ごろは、歴代ホークス(福岡ダイエー、福岡ソフトバンク)が優勝すると、思い出したように買う程度でしたが、実在の関係者を取り上げる「ヒューマンドラマ」的な物語から、舞台裏の人情を垣間見た思いがして、とても引かれる作品でした。
 大阪の地下鉄に「中百舌鳥:なかもず」の行き先表示があり、登場した南海ホークス二軍練習場があった場所に一度はと思っていました(付近の「仁徳天皇陵」を訪問)。
 漫画でしか描けない面白さ・痛快さが込められた物語でした。
 ありがとうございました。

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