2015/10/12

上野公園でデート なう

2015.9.26【東京都】──「神田川を歩く_38」

 海水面が高かった縄文時代は、不忍池も海だったとされるので、この日歩いた通称「上野の山」は、海を見下ろす岬だったことになります。



寛永寺


 江戸時代の徳川家には、増上寺と寛永寺の二つの菩提寺がありました。
 増上寺(浄土宗)は室町時代以来の歴史があるため、家康が江戸に入る際の支えと位置づけたようです。一方の寛永寺(天台宗)は徳川家が建立した寺院で、三代将軍家光の葬儀が行なわれてから菩提寺とされます。
 将軍家の墓地は非公開のため門前の案内だけですが、歴代では知名度の高い五代将軍綱吉より、篤姫(十三代将軍家定の正室)の案内板が大きい様子に、訪れる方の関心の先がうかがえます(NHK『ブラタモリ』の以前のシリーズで墓地の様子が紹介された)。
 上は旧本坊表門の鬼瓦。厄除け+装飾用の瓦で、手がける職人を「鬼師」と呼ぶところに、職人への敬意が感じられます。


下町風俗資料館付設展示場 旧吉田屋酒店

 右は、移築保存された酒屋の帳場ですが、当時の酒屋にはアルコールが充満してそうで、一日座っていたら出来上がっちゃったのではないか?
 一斗瓶(18ℓ)が展示されますが、あれをどうやって運んだのか?(リンク先は女性3人がかりで…)。

 付近は古い建物が残る地域で、行列のできる「カヤバ珈琲」が隣接します。「たまごトースト」がおいしそう。
 以前の特産品「谷中生姜」にちなみ、「谷中ジンジャー」や「ジンジャービール」があります。
 ジンジャーエールのルーツはジンジャービールとされ、欧米では各家庭でジンジャービールを作るらしい。


黒田記念館

 ここは「近代洋画の父」とされた画家 黒田清輝の記念館で、2015年にリニューアルされました。
 その名から『湖畔:切手の絵柄?』の絵が思い浮かびますが、明治時代の展覧会で全裸婦画の下半身部分を警察が布で覆い、「腰巻事件」と騒がれたそう。
 遺言通り遺産で黒田記念館が建設できたのは、東京美術学校(東京芸術大学の前身)教授、帝国美術院院長、貴族院議員などを歴任する、子爵という地位の力か?


京成電鉄 旧博物館動物園駅

 以前京成電鉄には「博物館動物園駅:2004年廃止」があり、地上の入口は当時の姿で残されています。
 景観保存のためかと思うも、ここは東京国立博物館の敷地内にあるため、京成側では決められないようです。
 付近にもうひとつあった地下駅「寛永寺坂駅:1947年廃止」も、建物は倉庫会社の敷地に現存するらしい。
 京成線上野〜日暮里の駅間が長いのは、JRに対抗するためと思っていましたが、その間の京成線はカーブばかりでスピードを出せませんよね……


上野公園

 噴水周辺のベンチに座るアベック、女性同士、ひとりぼっちの男もスマホに夢中という姿には「そんなの家でやれよ!」ですし、噴水に歓声を上げる子どもの脇で、親が手元に夢中で大丈夫なのか? と。
 二人の「スマホタイム」が楽しいのは、それぞれのスマホに隠される秘密の隣から相手とつながるスリルだったりして?
 秘密を持つ人は相手にも…と、のぞきたくなる「秘密の匣」に見えたりするのでしょう。
 マイナンバー導入後の情報漏洩は、大迷惑でも責任を問えますが、スマホがのぞかれるのは自己責任ですし、その先には地獄が……
 いやいや、それを乗り越えて絆を深め合うのがいまどきの恋愛なんですよね?


清水観音堂「月の松」


 江戸時代、歌川広重の浮世絵「上野山内月のまつ」に描かれた、松の枝が円を描く姿を再現したものですが、締め付ける様がとても痛々しく見える。
 ですが、奥の不忍池弁天堂(長寿、福の神)から続く参道は「産道」のようでもあり、安産祈願を目指したものか?
 明治期の台風で倒れ2012年に復活しましたが、「おっ、粋だねぇ」とされるまでには時間がかかりそうです。


アメ横

 土曜昼間の飲み会は「仕事のグチは無し!」と、友人・仲間で盛り上がっています。
 下町っ子は分かりやすいんだよ。明るいうちにやることやって(仲間と飲んで)、お天道様が沈んだらとっとと寝ちまうのよ、なんて聞こえてきそうです。
 わたしは夜型の飲んべえで、夜を楽しまなきゃと思っていましたが、夜更かしではなく明るいうちの方が健康的なのか? とも……


追記──明日の受賞者は誰?

 連日の日本人ノーベル賞受賞のニュースに、「明日は誰?」と夢を見てしまう状況を、誰が想像できたか?
 身近には感じられないも、熱帯地域の寄生虫に起因する病気の特効薬開発に貢献し、多くの人々の命を救った医学生理学賞の大村智先生。
 翌日、素粒子ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動を発見した物理学賞の梶田隆章先生は、この研究はすぐに貢献はできないが「人類の知の地平線を拡大する」と、大村先生を意識したと感じる発言をします。
 分野は違っても、道を極めた者同士が出会い、刺激し、高め合う姿勢が、これからの世代の指標となります。
 素晴らしい功績に対するご褒美を存分に味わってください。


追記──W杯ラグビー日本代表の姿は、世界のファンの記憶に刻まれたことでしょう

 別の競技なので比較は出来ませんが、野球もサッカーも「つなぐ意識」で立ち向かっていい戦いをしてきたが、粘り強い連続攻撃で相手をかく乱・疲弊させて、勝機を見いだすプレーには、他競技でも手本とすべき戦術・意識と感嘆させられました。
 イギリスの観客も日本代表の戦いを拳を握りしめて応援し、「ファンタスティック ジャパン」として記憶に刻まれたことでしょう。競技場での観戦は「プレーの波に一緒に乗る楽しさ」の印象があります。
 お疲れ様でした。この盛り上がりのまま、ラグビーワールドカップ2019日本大会を!


追記──日本ハム大谷翔平が投手3冠!

 今シーズンは、着実に迫力が上乗せされた印象があります。
 わたしが買っていたバッティングでの、体の柔軟性や、ミートのうまさは、単なる「器用さ」として葬られることになりそうです。
 印象として、ダルビッシュより大きな投手になりそうと感じた時点で、投手への道を応援すべきと気持ちは固まりました……(クライマックスシリーズで負けてしまったが)

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