2016/11/07

庶民性が売り──目黒周辺

2016.10.22【東京都】──「目黒川を歩く_15」 中目黒〜不動前

 東急東横線は、2013年地下鉄副都心線(西武池袋線、東武東上線)との相互直通運転を期に、日比谷線との直通運転を終了します。日比谷線直通の各停は中途半端な印象があり(急行に乗り換えれば中目黒で前の列車に乗れた)、利用者はスッキリしたのでは?



目黒川船入場(ふないりば)


 上は昭和初期に開設された船着場で、付近まで海水を導くため広く・深く整備されました。
 左側地下に氾濫防止調整池が作られますが、海水が満ちる場所で雨水を制御できるのだろうか?
 下流域で防水板を備える建物を多く見かけますが、安心できない防災対策への抗議とも受け止められます。
 以前お世話になった川の資料館は閉鎖されました。

 山手通り×駒沢通り交差点にオープンしたニトリのレジ行列がすごい! 若者に人気の町では、安いものしか売れない本音が浮き彫りとなったようにも。
 右は中目黒公園コキア国営ひたち海浜公園のような絵を見てみたい……


目黒駅周辺

 目黒駅前では都バス車庫跡地の再開発が始まり、オフィスビルと住宅用ツインタワーが建設中も、五反田側は高級住宅地(花房山)の高台に続く見晴らしのよさからか、365戸の億ションは完売らしい。
 ですが目黒といえば、大鳥神社 酉の市(下)や、目黒のさんま祭を思い浮かべる方が多いのではないか。
 毎年大混雑する酉の市(今年は11月11・23日)に人が集まる理由は、希望を求める明るい表情を見れば理解できます。
 また、さんま祭の駅前を覆い尽くす煙や臭いは、他の町では迷惑とされそうですが、無性にそそられるのもこの町ならではという気がします。
 山手の町ながらそんなカラーを出せる地域性は、権之助坂沿いに根付いた庶民性が健在である証、のようにも……

 目黒駅付近の旧目蒲線軌道跡には、撮影用のスタジオが並びます(右は施設前)。目黒に通う頃も足を運ばなかった気がします。




 目黒不動は、崖下の湧水付近のお堂(下写真の左側)付近に始まり、台地上に大本堂、平地に仁王門が建てられ、瀧泉寺(天台宗)が整えられたようです。
 落ち着ける空気感はやはり湧水によるもので、「浄化:reborn」された清らかな水へのあこがれが、自身の再生願望を喚起させるようにも。
 水かけ不動(下右側)の歴史は浅いらしいも、大阪のお不動さんとの違いを、庶民文化の違いと捉えると、様々な側面が思い浮かぶので、一興とも……


 台地上の大本堂裏にある大日如来像で、見慣れない手つきで祈る東南アジア系の集団に出会います。信仰心は国境を越えると感じる反面(大日如来は宇宙全体の象徴とされる)、異なる信仰との対立を生み出す面を意識する時代となりました。
 不信心なくせに異国人の信仰心に親近感を覚える、いい加減な宗教観はさておき、「島国(根性)の独立心」を持つ民族に「異国に通じる精神性」をもたらしてくれたのは、仏教なのかも知れないと……


追記──国政は国民の機嫌を気にしないらしい

 国連「核兵器禁止条約」反対、地球温暖化対策「パリ協定」が発効後も不参加。それでも「強行採決するかどうかは議院運営委員長が決める」の発言通り、TPP法案を強行採決する状況を、果たして国民は望んでいるだろうか?
 それぞれに外部圧力の機嫌をうかがうようだが、国民が思い描く国のあり方とはまるで違う方向に進んでいると感じるのは、わたしだけではないと……

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