2017/02/20

スポーツが地域文化──駒沢

2017.2.4【東京都】──「呑川(のみがわ)を歩く_2」

 呑川上流部には主な水源が3箇所あり、今回は真ん中の、駒沢オリンピック公園付近を流れる駒沢支流(駒澤大学駅付近〜八雲で桜新町からの流れに合流する暗きょ)を歩きます。



駒沢

 前回訪問した桜神宮の先から始まる真っすぐな道は、目黒川支流 蛇崩川の際に立ち寄った駒沢給水塔(住所は弦巻)へと続く水道道路。
 尾根筋を通された旧大山街道(地下を東急田園都市線が通る)は、江戸時代に品川用水が通された分水嶺(呑川と蛇崩川を分ける)にあたります。
 また、大正12年(1923年)多摩川沿いの砧(きぬた)浄水場から旧渋谷町に給水する経路中で、もっとも標高の高いこの地(46m)に中継施設が建設されました。
 写真で見るライトアップには、眠くなりそうなレトロ感が(現在、震災時に飲料水を供給する応急施設)。


 駒沢緑泉公園の噴水(上)は、寒い季節でも水を吹き上げるため、季節に関係なく子どもたちは寄ってきますが、見守る親たちは「濡れたらカゼひいちゃう!」と、困惑気味です。左端の子は、急に吹き上げた水に驚き腰を抜かしたように倒れ込み、慌てて救いの手が。確かに目が離せません。

 近くの駒沢はらっぱプレーパーク(下)では、備品(?)のリヤカーがめずらしいらしく、乗るのも引くのも奪い合いです。
 かく言うわたしも小学生時分、普段は用務員の方が使用しているものを、枯れ葉やゴミ運搬の際に貸してもらい、帰り道に乗って遊んで怒られた記憶があります。
 当時の戦力(軽車両扱い)はまだ活躍中? 上野周辺ではまだ見かけそう……


 玉川通り(246号)駒沢交差点には、レジに行列ができる八百屋があります(下)。3割程度男性も並ぶので(若者は駒大の学生?)、特売日なのかも知れません。
 テラスに広げられた商品を眺めるだけでも楽しそうですし、ザワザワと活気ある商店の存在って、それだけで町の自慢になりそうです。



駒沢オリンピック公園

 公園に隣接する駒澤大学では入学試験が行われており、校門前には受験生の帰りを待つ父兄の姿が。何をしても手に付かない心情は察しても、この場で結果が分かるわけではありません。
 試験終了で安堵したら、次は吉報の願掛けと、子どものためなら何でもしてやりたいのが親!

 以前、スケートボードで積み重ねたスケボーを飛び越える姿を見かけた広場に、スケートボード、インラインスケート、BMXで利用できる、ストリートスポーツ施設が整備されています。
 若者たちのアピールが実を結んだのかも知れないが、以前の遊び方もストリートっぽくて楽しかったと。

 右の大階段下広場は、フリーマーケットが開かれるような場所ですが、片隅に設置したバスケットゴールの元には、多くの若者が集まります。
 男女を問わず気軽にできるバスケットボールやフットサルは、スペースがあればどこでも楽しめそうですが、公園など広い場所でも「キャッチボール禁止」ってのは、より危険という認識のためか?
 競技用施設に加えフランクな場が増えたおかげで、気軽に体を動かす人の輪が広がった周辺では、「スポーツが地域文化」とも言えそうです。

 1949年旧ゴルフ場の国体用施設整備に始まり、64年東京オリンピックでは競技会場とされ、レスリング、バレーボール、サッカー、ホッケーが行なわれました。ですが、2020年東京オリンピックでは練習場とされる程度で、競技会場には利用されないらしい。
 現在改築中の屋内球技場は、2010年制定の「駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画」によるもので、東京オリンピック開催決定の2013年には動き出していましたが、予算削減に取り組む現時点から振り返ると、何とかならなかったのか? とも。

 当初は施設をベイエリアに集め、コンパクトさを売りにしていたが、ここより都心から離れる馬事公苑を会場とするなど、見直しの可能性はあるにしても、残された時間は3年しかありません。
 どこを叩いても「ムダ!」と響く計画のまま進めることに、都民・国民は納得していませんが、耳を傾けるのは小池知事だけという状況で、東京五輪を成功に導くことができるのだろうか?
(右はオリンピック記念塔)

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