2010/06/28

非日常とリアルの表裏──浮島、川崎

2010.6.12
【神奈川県】

浮島(Map)

 浮島は、羽田空港の多摩川を挟んだ対岸にある埋め立て地で、神奈川県側の多摩川河口になります。
 東京湾アクアラインはこの付近から海底トンネルに突入していきます。

 右写真の建物は、首都高速湾岸線の多摩川トンネル第一換気所で、多摩川の下を通る海底トンネルの出口付近にあります。
 大仏の目のような切れ長の窓から、空気を取り込んでいるのだろうか?

 早速脱線しますが、昔のTVアニメ「黄金バット」の敵であるナゾー(そんな名前なぞ忘れており調べました)を想起するような建物です。
 ナゾーは黒ずきんをかぶったいでたちで、四つある目が、赤、青、黄、緑(Windowsロゴと同じカラーリング)で、かぎのような手を持ちます(いま見ると、リスのように立った耳が「トトロ」のように見えたりします)。
 これは勝手な想像ですが、白ずきんをかぶったKKK団(クー・クラックス・クラン:アメリカの白人至上主義を主張する、残虐性を持った人種差別団体)の、黒ずきん版的な意味が込められていたようにも思えます。

 浮島釣り公園は現在も健在ですが、以前となりには、川崎〜木更津、川崎〜日向(宮崎)航路のフェリーさん橋がありました。
 木更津航路は、東京湾アクアライン開通により1997年廃止。日向航路も原油価格高騰などの影響から2005年に廃止されたため、浮島のフェリーさん橋は閉鎖され、跡地は物流センターとなりました。
 以前仕事で、宮崎までフェリーで行ったこともあり、前回訪問時までは懐かしんでいましたが、現在は跡形も無く、場所の特定すらできませんでした。


 建設中の羽田空港D滑走路のさん橋方式部分は、対岸からこのように見えます。
 埋め立てでは、周辺環境への影響が懸念されるので、この方式が採用されましたが、結局何年かたつと、柱付近から土砂が堆積しそうに思えます。
 それを見こして、埋め立てるよりは、干潟となる方がいい、としたのかも知れませんが、日が当たらなければ光合成もできず、微生物は繁殖できない気もします。
 でも、一日中日の当たらない干潟というのも珍しいと思うので、普段見かけない生物に出会えるようになるかも知れません。


 近ごろ、ライトに照らされたプラントの夜景撮影や見物が、ひそかな人気だとテレビで目にしました。
 確かに無機質ではあっても、パイプなどには曲線美が感じられたり、光線の具合で面白い光景と出会えるのかも知れません。
 普通に撮っても絵になる光景はありそうですから、はまる人もいるのでしょう。

 浮島は、工場誘致を目的に埋め立て造成された土地ですから、ここでの主役は工場になります。
 右写真のような工場への引き込み線って、さびれているようでも意外と現役だったりして驚くことがあります。
 上ものである高所の架線部分は、高圧の送電線として現在も利用されているように見えます。
 設備には維持費がかかるので、不要なモノは残さないと考えると、やはり、線路があるところには貨物列車が通行しているのでしょう。
 目の前にあったフェリーターミナルが廃止され、鉄道の需要が高まりそうな気もしますが、いまどきはトラック輸送がメインなのかも知れませんし、貨物列車を見かけることはありませんでした。


川崎球場(Map)

 川崎球場は現在、アメリカンフットボールのグランドとされ、この日も社会人大会が行われていていました(軟式野球でも使用可能だが、マウンドはない)。
 試合終了後でも、部外者は立ち入り禁止だったかも知れませんが、とぼけて観覧席まで潜入して撮りました。
 試合後の場外は、なごやかな舞台裏という印象で、選手、チアリーダーとサポーターが歓談しています(みんな仲間内のようです)。
 うなだれる選手もいる中、派手な衣装のチアリーダーたちは、まだテンションが高ぶってるように見えます。
 「さぁ、打ち上げで、イケメンをタッチダウンするわよ!」と、ここからが本番? のようにも感じられました……(こんな品のないセリフもスラスラ書けてしまうのは、川崎という土地柄でしょうか?)

 ここは以前プロ野球で使用され、1957年〜1977年に大洋ホエールズが、1978年〜1991年にはロッテオリオンズが、フランチャイズとしていました。
 川崎球場で印象に残るのは、近鉄バファローズがリーグ優勝マジックを2としてのぞんだ、「ロッテー近鉄」戦のダブルヘッダーの記憶です(1988年)。
 テレビ中継で目にした、満員の球場に入場できない人たちが、球場に隣接した建物の廊下や屋上で、鈴なりになって観戦している姿が、強烈に焼き付いています。
 当時パリーグの試合は、ほとんどテレビ放映されないにもかかわらず、あの関心の高さには、純粋な野球ファンの気持ちが表れていたように思います(タダ見禁止でもおとがめ無し、とされる関心の高さでした)。
 結局近鉄は、第一試合に勝つも、第二試合は時間切れの引き分けとなり、最終戦で優勝を逃しますが、アウエーの敵側チームにも、あたたかい声援が送られていたと記憶しています(当時は近鉄を応援していました)。


川崎競輪場、川崎競馬場(Map)


 上が川崎競輪場、右下が川崎競馬場になりますが、この地は、この手の施設が似合う町のイメージとしては、全国でも有数な町といえるでしょう。
 川崎駅は、工場名を行き先としたバス路線が数多く運行される、工場地帯のターミナル駅ですから、周辺には飲食店、歓楽街等、労働者の疲れを癒す施設は、オール完備(?)されています。

 また脱線しますが、川崎の歓楽街といえば堀之内と耳にしながらも場所を知らなかったのですが、競馬場の近くなんですね。
 夕時だったので、面倒を避けるため中は通りませんでしたが、出勤のお姉様方とすれ違いました。
 期待されるコメントは、ございません……

 競馬場はJRAの方針なのか、結構洗練されてキレイな印象がありますが、競輪場のセンスは昭和期のままとの印象を受けました(門前からの印象)。
 いまどきはパチンコ店でも「オシャレ」を目指していますが、どう転んでも競輪場に女性客は引き寄せられない、と腹をくくっているのかも知れません。
 オヤジギャル(古い?)も近寄らない、「男の世界」を守ろうという姿勢ならば、「それもありかな?」と、理解できる気がします。
 でもそのうち「輪女」(競輪マニア女子)なる存在が、注目を集めるようになるかも知れませんよ。
 「夢を買う」などと言いますが、結果は「リアル」ですから、女性の方が堅実に「夢」を膨らましそうな気もします。
 でも、ギャンブル好きの女性の思考回路って、男性的だったりするんですよね……

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