2012/06/18

背中から伝わってくること──鶯谷〜上野

2012.6.10【東京都】──「山手線を歩く! 22」

上野動物園(Map)

パンダ

 わてが来日した上野名物「人寄せパンダ」どえす。
 寝ている間もワイワイとやかましいなんて、聞いてないんですけど……


 雨模様だった土曜の翌日が晴れた日曜のため人出は多いようで、パンダ舎では上下2段の見学通路とも渋滞する様子に、例の「立ち止まらないでください!」のアナウンスが聞こえます。
 以前の訪問時にはのんびり見学でき、ササを食べる姿が見られ「パンダがよく見えた!」と満足できた印象がありました。
 上野動物園にはパンダがいるものだという認識が、約3年間の不在期間の経験により「会えるうちに行かなくちゃ!」と、意識が変わったのかも。
 いまも子どもたちのパンダ人気は変わらないので、人寄せなどといわれる年間1億円近いレンタル料も、「お金では買えない」判断の根拠になることは、上写真のような姿でも理解できる面があります。


テナガザル

 精悍(せいかん)な表情は威嚇的な態度に見えますが、まったく動こうとしません。
 この姿勢で動かないため「どこにいるの?」と気付かれないようです。
 「エサはまだか?」という時間帯だったのかも知れません。

 この付近が動物園の北端にあたり園外を見上げると、前回歩いた東京藝術大学美術学部の「木材を扱う建物(工場:こうば)」が隣接しています。
 鳴き声や奇声は慣れるでしょうが「においは大丈夫?」と思ってしまいます。
 都会の施設なので、特に気を配って対応しているとは思いますが……


ゴリラ

 擬人化しやすいフォルム(姿)と、どっしりとした落ち着きから「頼れる父親像」を思い浮かべ、親近感を覚えたゴリラの背中です。
 振り返る際も「何か用?」と上半身だけ向けるしぐさが、無愛想ながらも存在感を示す一家の大黒柱的なイメージに結びついたりします(この場所からの姿が見学者にも一番人気でした)。

 ここでは見られませんが、いざというときは胸をたたく「ドラミング」で敵を威嚇する頼りがいのある姿を、「勇ましさ」や「存在感」を失いつつあるオヤジたちは、見習わねばと感じたりするかも知れません……

 園内には「見えないよ〜」の子どもの声が響きます。それは親の「ほらスゴイよ、見てごらん!」に対する、子どもたちの「目線の違い」を指摘する声のようです。
 親がいくらしゃがんで子どもの目線で説明しても、見ようとはしません。仕方ないと親に担ぎ上げられると、急にご機嫌になります。
 要するに、周囲の子どもたちと同じように「抱き上げてもらいたい」要求なのでしょう。
 最初に抱き上げられる姿を目にした子どもから、きっと無限連鎖のように「甘えたい気持ち」が伝搬するようです。
 親の側もよろこぶ顔を見たいので構うものの、「またやって攻撃」の対応から、親子共に機嫌が悪くなってしまいます……


オオアリクイ

 運動施設内の同じルートを周回する様子をカメラを構え待っていると、背後から外国人パパの「Oh Anteater !」(ant:アリ+eater:食べる人[動物])と子どもに伝える声に、何と分かりやすい表現! と……
 生き物の名称は(学術名は仕方ないも)万国で共通認識を持てるように、分かりやすい表現とする意識を、一例ですが理解できました。

 でも、彼らの食事はどうしているのか?
 大きなアリの巣を与えてもすぐに食べ尽くしそうだし、多すぎると外に逃げだしそうです。
 彼らには歯が無いため動物園では、鶏肉、牛レバー、卵黄等を流動状にして与えるとのこと。アリを食べさせてもらえないAnteaterです。


プレーリードッグ

 彼らはネズミに分類されるリスの仲間になります(右写真もリスに近そうな姿)。
 北米の草原地帯(「プレーリー:肥沃な土地」と習った覚えがある)の地面に巣穴を掘り、イヌに似た鳴き声からこの名で呼ばれます(イヌは地面に巣穴を掘る習性がある)。
 彼らは見張りを欠かさず、見通しのため巣穴周辺の身長より高い草を刈り取ります。
 そんな習性が草原の環境を守るようで、彼らが去ると草原は砂漠と化すとされています。

 ここの運動場は日も当たらず草も生えない暗い大木の下にあり、主食の草がまかれています(巣穴を掘れないようにしてあるのか?)。
 背景には、繁殖力が旺盛(?)などの問題があるように感じました。


ヒツジ


 何だか「倒錯した演劇の装飾?」のように見える羊です。この季節になっても毛皮を身につけるため、暑くてグッタリしてるようにも見えます。
 ここは「こども動物園」で、園内で放し飼いされた動物たちと触れあえる子どもに人気の施設です。
 人←→動物間、互いの疫病感染防止のため、入退場の際には手洗いが義務づけられています。
 その場所で「ビオレu:花王」が「きちんと手洗いキャンペーン」に協賛しています。
 家に帰って子どもが手洗いする際に「うちはビオレじゃないの?」などと言いそうですから、うまい宣伝と感心しました。
 子どもに手洗いの習慣がつくならと、親は考えますものね。


ヤギ


 温厚そうに見えるヤギですが、その角は闘うためにあります(雌雄を含めて角の有無は品種で異なるそう)。
 写真の2頭はまだ若いのか、じゃれ合ってる程度ですが、大人同士では流血沙汰もあるそうです。
 沖縄の多良間島では「ピンダアース:ヤギの決闘」という大会があり、出場するヤギは体格がいいので角(頭?)がぶつかり合う際には「ゴン、ゴン!」と迫力ある音が響きます。
 沖縄にはヤギを食べる習慣があり(においが強烈なヤギ汁、それほどにおいが気にならないスペアリブを食べたことがあります)、ペットとして育て、闘わせ、最後は食べるという、実利的な「家族の一員」(と表現する彼らの心境は理解できない)なんだそうです……


ワオキツネザル

 右写真はワオキツネザルで、生息域はマダガスカル島の南部に限られる珍しい動物です。
 その名前は、キツネザルに似ていることに「ワオッ!」と驚いた訳ではなく、尾に白黒の輪が並ぶことから「輪尾」とは、「ヘェ〜!」としかいいようがありません。

 不忍(しのばず)池のほとりに作られた「アイアイのすむ森」は、前回訪問後(2009年5月)にオープンしたので初めて目にしましたが、この空中散歩は開放的で彼らの休みなく動き回る姿は、今回一番楽しめた気がします。

 動物園や水族館には何度足を運んでも、その度ごとに新たな発見があるので、何度でも誘われてしまいます……

 動物園内の人通りの多いベンチで、堂々と子どもに授乳している若いお母さんを見かけました。
 それが悪いわけもなく、視線を向けて驚いたこちらが悪いことをしたような気持ちにさせられますが、子どもはきっとおおらかに成長することでしょう。


追記──洗濯機が動かない!
 本来は、オウム事件最後の手配者逮捕や、アウン・サン・スー・チーさん大活躍! について書くつもりでしたが、「洗濯機が動かない!」の衝撃にすっ飛びました。
 洗濯機が壊れたことに気付く状況とは、洗濯物がたまったころ(わたしは主に土・日の夜)に、シャツの襟などにスプレー洗剤を付け15分ほど置いた時点ですから、ここで「できない」といわれても、他の策を選択できる状況にありません。
 まずは、近所のコインランドリーを探す必要がありますが、田町にあるのか?
 危機管理の想定が甘かった(?)ため、ちょっとオロオロしています……

0 件のコメント: