2012/11/05

防災拠点とは……──有明〜国際展示場正門

2012.10.6・20【東京都】──「ベイエリアウォーク ⑤」
《ゆりかもめを歩く② 有明〜国際展示場正門》


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ゆりかもめ:有明〜国際展示場正門(Map)


 有明駅の隣接地に「有明の丘基幹的広域防災拠点施設(内閣府の管理)」があります。
 大規模災害発生時には司令センターとなるようで、上写真奧の壁面にディスプレーが並でいるも、どこかの本店のように「何とかならんのかね〜!」と地団駄を踏むだけという気もします。

 この施設には、災害で閉じこめられた際、生存の可能性の目安とされる「72時間をどう生き残るか!?」を体験できるプログラムがあります。
 家族で訪れる方が多く、親子で体験するすることはとても大切なことですし、自治体職員のような団体がバスで見学に訪れる施設です。
 まずは、災害現場の状況を理解し、発生が予測される困難への心構えとすべきですが、万全の備えは無理と考え、覚悟の準備が必要という現実的な提言のようです。


 広大な敷地の東京臨海広域防災公園には、オスプレイ以前の大型ヘリコプター7機分の駐機場があり、そこまでが国営公園とされます(上はヘリポート)。
 そこに接する都立公園には、さまざまな支援活動で使用可能な緑地や広場が広がり、敷地外でも隣接の「がん研究会有明病院:先日妹がお世話になった」は災害拠点病院とされ、写真奧の国際展示場は、避難所および物資の集積・配送拠点となりそうです。

 そんな視点でこの地域を見ていなかったので、「確かに機能的」と感心しますが、お偉方がヘリコプターで逃げ込む非難所(避難所ではない)、とされませんように……


 駐車場に全国各地のナンバーをつけた消防車が並ぶ様子に「何事?」と思うも、翌日開催の「全国消防操法大会」に集結し、前日練習が行われています。
 「消防団」の大会なので、皆さん別に仕事を持つ方々のボランティア活動になります。
 ボランティアといえ、大震災では任務により亡くなられた方も多くいます。 
 震災後初めての大会で「全国47都道府県揃い踏み!」のうたい文句には、全国消防団の心意気が込められていると感じます。
 この大会で評価されるのは技術かも知れませんが、そこで表現されるのはそれぞれの郷土愛に違いなく、真剣な姿勢にはさまざまな思い込められることでしょう。
 何といってもおじさんたち(兄ちゃんもいます)がキビキビ動く姿には、「男らしさここにあり!」のカッコ良さがあります(オヤジたちを褒めてあげてよ!)。


 以前、パソコンメーカーとお付き合いがあった時分には(主にアップルさん)、国際展示場(上)にもよく足を運びましたが、いまどきはパソコンからネット端末へと関心はシフトしています。
  パソコン普及期に、それを利用した新しいサービス提供に携わる側(デザイン・出版関連)にはものすごい負荷がありましたが、いまや「指先」でできる時代となりました。
 手軽さは目指すところで、敷居が低くなったおかげで仕事での利用にも抵抗感は少ないようですが、技術的に「何でできないのか」を説明しても、理解しようとしない人が増えたように感じます。


 上は国際展示場裏にある「ゆりかもめ:東京臨海新交通臨海線」の車両基地です。
 訪問時は土曜日の夕方という運行ピークの時間帯ではないのに、車両は数えるほどしかありませんから、あまり車両に余裕は無いのかも知れません。
 全車両無人運転ですから、何か起きた際には「職員の機転」による回避もなく、「運転休止」とされそうで、あまり通勤には使いたくない路線です。

 レインボーブリッジ上で止められたら非常口はあるの? と調べると、震災の際に橋上で緊急停止した車両から芝浦側のループを歩かされる様子を映す動画を見つけました。
 封鎖できないはず(?)のレインボーブリッジで、その事態に対応可能な者はいいですが、あんな通路は歩けないという人々は車内で待ち続けるしかないのでしょう。
 お金って、万が一のために使うものと思いますが、ちょっと難しいのかも……


 これは有明スポーツセンター何だか突然口が開いて「ビックリ ドッキリ メカ!」が出てきそうですが、上部のマカロンのような部分のまん中にあるガラス窓部分は一周できる回廊になっていて、内側は体育館とされこの日は卓球をしています。
  でもその下は何? と調べると、東京都の下水処理施設で、その計画の上に江東区が乗っかったようです。
  技術の進歩でしょう、従来のような屋外の処理プールは不要のようで、隣接の「有明テニスの森」コート地下にも施設があります。 
 上写真左隣には有明清掃工場(1995年完成)があり、埋め立て地というステージで、土地の有効活用+エコな取り組みをアピールするつもりだったようですが、ここにも「想定外」の事態が及ぶことになります……


 埋め立て地にチャペルの鐘が響きます。
 付近に2002年「アニヴェルセル 東京ベイ:結婚式場」、2008年「東京ベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート:上」を誘致します。
 高速道路を隔てるも清掃工場とは隣接しながらGO!を出すには、自治体側の「安全・安心!」の強い説得があったのでしょう。
 しかし2011年の原発事故以降、関東地方の清掃工場には意図的ではないにせよ「放射線を帯びた廃棄物」が集積します。
 寝耳に水の近隣住民たちは放射線量計測を求め、市民レベルでも計測を始めます。
 実際には大きな数値は計測されないにしても、客商売への影響は大きい気がします。
 それゆえ、騒ぐ人の声は大きくても、自治体側の表現は控えめなのかも知れません……


東京港フェリーターミナル(Map)

 20代の時分、オフロードバイクで北海道ツーリングに向かう際、この地からフェリーに乗った記憶があります。
 現在では、東京湾内の速度制限による4時間程度のロスを避けるため、茨城県大洗港から運行されます。
 夜行便なので、当時は明かりも少ない埋め立て地に「こんなところにあるのか?」の不安感を思い出します。
 斜めに架かる橋の記憶があるので、この場所と思いますが、橋を渡った最初の交差点に小さな「奄美・沖縄航路→」の看板を目にし、そちらに誘われます。
 待合所ターミナル的な建物は見当たらず、コンテナ等の荷置き場にしか見えません。
 調べると、運賃25,000円で43時間程度かかるようですから、車両運搬の必要向けの航路のようです。小笠原航路より長いし、食堂も期待できなさそう……

 埠頭周辺の道路はどこも大型車両通行のため広く作られていますが、ターミナル周辺では車両通行よりもシャーシー(大型トレーラーの貨物部分)の仮置き場が求められるようで、道路に仮の柵を設け月極シャーシー駐車場とされます(右)。これごと盗まれることはないのだろうか?

 1997年に建て替えられた東京港フェリーターミナルは現在、徳島〜新門司港航路だけの利用となっています。
 首都圏周辺の高速道路網が整備され、東京湾内通過での4時間程度の時間ロスがサービスのマイナス要素とされるようになったのか、使用料が高いのか、東京港の性格はオールマイティから変わりつつあるようです。


 国際展示場からの帰路選択には水上バス(上は船上より、手前は晴海客船ターミナル)があるため、いっときのリフレッシュに選ぶ事が多かった気がします。
 10月の季節感にそぐわない雲を目にすると、暖気の強い環境になっていることを再認識されられます。

 船が着く日の出桟橋から自宅まで歩いても、20分ちょっとであることにベイエリアの身近さを体で感じます……


追記──山中先生の文化勲章

 iPS細胞研究でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授が、文化勲章を受けられました。
 この早い授与決定には大賛成です。同じ場で授与された山田洋次さん方には失礼ですが、山中先生にはさっさとご褒美をあげて、とっとと研究に戻ってもらいたい、という気持ちがあります。
 詳しく分からない人間にも、夢を与えてくれるインパクトがとてもうれしいのです!

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