2016/04/18

再開発しても広くならない──渋谷〜恵比寿

2016.3.26【東京都】──「渋谷川水系を歩く_6」 渋谷川

 渋谷駅の南で姿を現す渋谷川は、コンクリートで覆われる狭い河床のため、下水網が整備された地域とはいえ、洪水の不安は消えません。
 現在渋谷川は、渋谷駅付近の宮益橋から天現寺橋までの区間(2.6km)とされます 。




旧東急東横線渋谷駅、東急東横店東館(東横のれん街)付近の工事現場


 上は、前回ヒカリエから眺めた渋谷駅再開発工事現場の近景で、「平成37年完成予定」の看板を目にした瞬間、駅の姿は二の次にして、その頃の自分はどうなっているのかと、遠い未来に思いを馳せてしまいます。
 これまで駅ビル(東急東横店)の地下を通っていた渋谷川は、流路変更+地下貯水槽が設置されますが、右手バスロータリーの地下には現在の東急東横線渋谷駅があるため、地下の構造物も隙間なく設置されるらしい。
 新設された東横線地下ホームが以前と同様狭いように、再開発しても土地は広くなりませんから、地上も地下も窮屈な渋谷らしさは変わらないようです。


 国道246号線上に残る東横線高架橋(上)は、歩行者用横断デッキに整備されるそう。
 軌道跡の間にあったホームの狭さに改めて驚き、「渋滞するのも当然」と、往時の窮屈さがよみがえります。
 渋谷駅の改札口は最後尾と中程にあるため、混雑を避けようと先頭車両まで歩けば楽に乗れましたし、座れることもありました。また、殺人的混雑との評判も、通勤時間が遅いせいもあるが、渋谷行きの最後尾車両はそれほどでもなかった印象があります。
 東横線沿線暮らしの魅力は「横浜が近い!」「鎌倉・江ノ島に行きやすい」で、転居後は足を運ぶ機会が減ったことからも、その有利さを実感します 。


 東横線渋谷駅と山手線を挟んだ反対側には、予備校や専門学校が並ぶ様子は見えても、線路際の壁が落書きだらけとは想像できません。
 落書きの様子を目にし、「犬のマーキング」を想起しました。ライバルのにおいを消すことができない犬は、自己主張であるにおいの上塗りを繰り返すため、電柱に染み付いた様々な主張を視覚化すると、こんなイメージなのではないか?
 気に入らないと、落書きを重ねるやからに「犬畜生にも劣る」と忠告したい。




 金王八幡宮の「金王桜」は長州緋桜という種で、雄しべが花弁化した八重が混在する花ながら、「八重といってもこの程度なんですよ」と神職さんが説明してくれます。
 桜の花見は平安時代の京都に始まり(以前は梅 等)、競うように各地の桜が集められたため、現在も京都では多くの種類の桜を見ることができます。
 満開の下で「森を見て花を見ず」に狂うのではなく、いくつかでも種類を覚えて桜を愛でるべきと感じたりします。


渋谷川沿いの景色


 東横線の線路が撤去された渋谷川沿いで、車窓から目にしたビル(SANSUI:釣具店の看板や、非常階段が喫煙所だったビル等)の様子を懐かしく見上げます。
 軌道撤去、跡地整備も終わった並木橋付近に残る支柱は、再利用されるのか?
 撤去後の景色で大きく変わったのが、代官山に向かい大きくカーブする地に建つため、東横線の制限から遠慮気味な印象のあった、清掃工場と敷地沿いの道路付近。
 線路の無い現在建設すれば様子も変わったでしょうが、それが東横線の痕跡として残されれば、記憶の拠り所となりそうです。


恵比寿横丁

 JR恵比寿駅東側に残る大黒ビル(1959年築)1Fの「恵比寿ストア」では、古くからの店主と建物の寿命競争という印象を受けます(店主の高齢化からシャッター街になりつつあるが、建て替えも迫ってそう)。
 その先にあるレトロな雰囲気の「恵比寿横丁」(右)には英語のホームページもあり、外国人観光客にも受けていそう(収入源?)。
 恵比寿のルーツは、渋谷川沿いの庶民の営みにあったが、西・南側丘陵地の代官山・中目黒・ガーデンプレイスの影響により、オシャレな町とのレッテルを貼られてしまったようです(恵比寿ラーメンなんて遠い過去……)。


NADiff a/p/a/r/t となりの第7美晴荘


 上は「NADiff a/p/a/r/t」(現代美術中心の書籍やアートグッズを扱う店舗、ギャラリー、喫茶・スナックなどが入居する施設)に隣接する第7美晴荘。
 道案内の看板に「←NADiff、第7美晴荘」とあるので関係があるのかと思いきや、単なるとなりのアパート(独居老人が暮らす)らしい。
 NADiffの紹介とおぼしきページでは、わたし同様NADiffではなく第7美晴荘の写真を掲載するページが多いことに驚きます。加えて写真も、階段と窓辺の植物を撮った上と同じアングルであることには、笑っちゃいます。
 もう一歩工夫しなければいけませんね……


追記──「わかりません」の説明がわかりやすかった、気象庁の対応

 最初の震度7の地震を受け、これ以上の地震は発生しないと思い込んだ経験不足が、被害を大きくしたのではないか? の自問もあり、気象庁の率直な対応に誠意を感じました。
 研究とは試行錯誤の積み重ねによるため、間違う場合が多いことも確かだが、初めての現象に接した際に、無力さを素直に認める姿勢は大切なことで、「わかりません」の説明は、国民に真意が伝わりやすかったと感じます。
 今回の現象は非常に大きな研究テーマなので、この貴重な経験を生かして解明の糸口を見いだしてもらいたいと願うも、自然はそれほど甘いものではありません。
 ともかく早期の地震収束を祈り、復旧・復興活動を応援することが最優先です。

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