2020/02/10

TOKYO 2020の「虎の穴」──西が丘

2020.1.4【東京都】

 イベント的なものがいくつかあり間隔が空きましたが、今回は戸田公園の続きで北区を歩いたものです。



 完成は2008年1月で、同年8月の北京五輪に間に合わせたつもりらしいが、それでは遅すぎでしょ……
 JOC(日本オリンピック委員会)が運用する、加盟団体所属選手の強化に利用される施設で、屋内トレーニングセンター、屋根付き陸上トラック、宿泊施設等があり、レスリング、卓球、フェンシング、競泳・飛込、ライフル射撃のトップ選手を招集し鍛える「虎の穴」です。
 中でも、JOCエリートアカデミー(有望な小・中学生を発掘し、ここを拠点に通学・トレーニングする)の設立が大きく貢献していそうです(卓球の張本選手 等)。
 右は、近くの関係ないマンション(失礼)……


 NTC拡充棟(上)はパラアスリートも利用可能な、障害者スポーツを意識した施設で、五輪・パラ共用の水泳や卓球 等の専用練習場、「車いすで床が傷む」と断られない球技コート 等があります。取り組みは素晴らしいが開催1年前の完成では、これも遅すぎでしょ…… 将来はパラアスリートの聖地になることを楽しみに。
 本施設も「味の素NTC・イースト」のネーミングライツ契約が結ばれ、本体の「味の素ナショナルトレーニングセンター」、西が丘サッカー場の「味の素フィールド西が丘」を含め、一帯は「味の素の丘」とされました。


 隣接する国立スポーツ科学センター(上)は、競技者の心身の状態を評価・診断〜競技力向上のサポート、国際競技力向上を目指す研究、スポーツ外傷・心理カウンセリング・栄養相談 等を担う施設とされ、ここが虎の穴の中枢機関になります。
 戸田漕艇場にある戸田艇庫も本組織の管理下。


 JR赤羽駅と十条駅を結ぶ道を「ROUTE2020 トレセン通り」(中間にNTCがある)とした北区は、「トップアスリートのまち」として、隣接する稲付西山公園アスリート手形モニュメントを設置します。
 北区にゆかりのある選手の手形が並び、卓球の張本選手もありましたが、ここは、ケガからの復活を祈っている体操の内村航平選手の手形(上)を選びました(北区との関係は不明)。

 右は西が丘サッカー場の掘り下げ式ベンチ。本会場で行われる全国高校サッカー選手権の日程は終わったばかり(以前はサッカー場がポツンとある印象でした)。

 一連の施設にどれだけ税金が注ぎ込まれたか不明ですが、五輪主催国の国民意識に「期待できそう」との気運を生むためには、必要な事業と感じます。今後も若手の育成支援(希望を育てる)は継続すべきテーマと。

 赤羽自然観察公園では、園内の湧水を活用して以前の環境が復元・整備され(右)、北区ふるさと農家体験館には古民家が移築されています(下)。
 戦前の一帯は、東京兵器補給廠(TOD:Tokyo Ordnance Depot)とされる軍用地でしたが(戦後米軍に接収)、その件については改めて……



追記──身近で感じる新型肺炎の影響

 近頃ドラッグストアの前では、特売ではなくマスクを求める行列を目にします。
 発生・感染源とされる地域から特別機で帰国後に即入院の状況は、十分な治療を受けられない兵士を戦場から連れ帰るような印象を受けます。船から出られない方々の不自由は察するも、受け皿があるだけマシで、入港拒否された船はどこへ行けばいいのか?
 ──状況は違うも、映画「さすらいの航海」(第2次世界大戦前、ドイツから亡命するユダヤ人の船が各国から受け入れを拒否され大西洋上をさまよった)を想起します。
 診察した医師の「健常者の重症化は少ない」、患者の「インフルエンザの方がきつかった」等の話は一部の見解としても、今後知見が増えればリスクは軽減できることを周知し、冷静さが早期に戻るよう祈るところです……

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