2016/03/14

路地をさまよう習性──原宿

2016.2.27【東京都】──「渋谷川水系を歩く_2」

 江戸時代の隠田川(渋谷川本流)流域には、葛飾北斎『富嶽三十六景:穏田の水車』のような田園風景が広がりましたが、玉川上水廃止後に水質が悪化し暗きょ化されたことで、流れ沿いに現在のキャットストリートのにぎわいが生まれました。



都営霞ヶ丘アパート


 旧国立競技場に隣接するこの施設は、1964年東京オリンピックの競技場建設のため、立ち退きを強いられた住民の移転先でしたが、今回の新競技場敷地とされ「白紙に戻し、ゼロベースで見直す」設計変更後も取り壊しは進められ、2度目の立ち退きになります。
 退去期限後も居座る方には驚きましたが、地元への愛着だけではなく、この先の行き場が無いのではないか? 都営住宅の入居条件を、独居は「60歳以上」と年配者対策としながらも、建て替えなどの理由で追い出そうとする対応(家賃の高い住宅を斡旋)には、「うばすて」と感じるのも当然と思います。


明治神宮御苑


 パワースポットとされる湧水「清正井(きよまさのいど)」の人気は相変わらずです(風水で富士山と皇居を結ぶ「龍脈:気が流れる地下の道」にあるとされる)。
 その流れは、竹下通り地下の暗きょを経て旧隠田川に合流します。都心では珍しい湧水を、数百mで下水に流すのはもったいない気もするが、竹下通りのにぎわいは地下の「気の流れ」のおかげとすれば、納得できる気がします。


表参道

 ロボットも、Oh My God ? コミュニケーションロボットには、相手がいない場合は自分でアピールしろとプログラムされているのか?
 将来、自走式となれば行動範囲が広がり… とステップを考えていくと、ロボットが身近な存在になる日は遠い未来ではなさそう、と思えてきます。

 参道は、冬至の朝に太陽が昇る南東向きに建設されたため、沿道のウインドウは南西 or 北東向きとなります。人の流れは夕方まで日の当たる旧同潤会アパートがあった南西向き側が圧倒的です(家賃もかなり違いそう)。


キャットストリート


 週末の表参道は上京組が多いため、目的を持った(バーゲン?)人の流れに見えますが、路地にあたるキャットストリートには、のんびり散策を楽しむ雰囲気が感じられます。
 ここは、暗きょ化された旧穏田川(渋谷川)上に整備された遊歩道で、路地に潜む店舗を求めて歩く若者の姿は、新橋の路地裏をさまようオヤジと変わらないのでは? とも。
 上はキャットストリート(右)と旧隠田川(左)の分岐点で、以前同じ場所の写真を目にした記憶があるが、誰が撮ってもおもしろい絵に。


宮下公園

 スポーツクライミング(東京オリンピック追加種目に期待!)施設を、大人顔負けのサルのように登る右の姿+木登りが得意な同級生がいた記憶から、浅田真央ちゃんが大人になりジャンプに苦しむ姿を想起しました。
 子どもの体で可能だったジャンプでも、成長に伴う心身のバランス変化から生じる壁は大きく、それを乗り越えようとする努力は並大抵ではないのだろうと……
 彼は、いつまでサルでいられるのだろうか?

 以前ブルーシートが並んだ場は、健康的な公園として生まれ変わりました。下は、ダンス練習用のスペース。



のんべい横丁(ホームページがあるんだ…)

 渋谷駅に近い「のんべい横丁」は、山手線と旧渋谷川の間に残された昭和遺産(宮下公園の並び)。
 オヤジの「落ち着く〜!」場所は若者や女性にも落ち着けますから、そんな姿もチラホラ見られます。
 数少ない聖域を侵略されては「居場所が無くなる」との、オヤジの嘆き声が聞こえそう……

 駅ビル工事のため、渋谷駅周辺では工事状況で通路が変更されます。副都心線建設時は何とかなったが、東横線ホームや駅ビルの代わりに「ヒカリエ」を目印にと思うが、フェンスで見通せずとまどってしまいます……


追記──東日本大震災から5年

 復興事業がようやく住民が具体的に判断できる段階に至ったようで、住民からの要望を受けた計画の見直しが各地で行なわれています。当然ながら地域の将来は、国の押しつけではなく、住民の自主性を持った行動が築くものです。
 踏み出すためには、自己責任を背負う勇気が必要ですが、国、自治体、住民ともに、その準備には5年という時間が必要だったようです。
 原発事故の後始末費用は、運用・管理で「金を稼ぐ」東京電力以上に、国民の税金から支払われ続ける「国民の不利益」の理解を広めれば、国際社会からの懸念をはねのけ「日本は核兵器、原子力発電にNO!」と宣言できるはずです。

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