2016/03/21

珍しいものを見る目──代々木上原

2016.3.5【東京都】──「渋谷川水系を歩く_3」 宇田川

 渋谷の繁華街「宇田川町」の由来となる流れは幡ヶ谷付近に始まり、初台から東北沢に刻まれた複数の谷筋が代々木八幡付近に集まり渋谷へ向かいますが、現在は全流域が暗きょとされます。



JICA東京宇田川源流付近)

 幡ヶ谷駅近くで見かけた「SAKURA HOUSE:外国人向けシェアハウス」は、新宿に近い交通の便のよさと、JICAに近いことも立地選定の理由か?
 京王新線の初台、幡ヶ谷駅の利用機会は少なくても、新宿駅での乗り換えは不便と感じたりします。

 JICA東京は、開発途上国からの研修生に、技術・知識・制度構築の支援をし、指導者として育成するための施設。
 右はレストランの案内で(この日はアフリカメニュー?)、ワールドランチには世界の料理が並ぶらしいが、胃袋がビックリしそう…… 部外者も利用可能です。


 宇田川の源流は、JICA内から木立の雰囲気を眺めただけですが、以前森永製菓創業者の屋敷があったらしい。
 付近には、代々幡斎場(江戸期寺院の共同火葬場がルーツ)に加え、NITE:製品評価技術基盤機構東京消防庁消防学校が隣接する場所柄から、以前は国の管理地とも。
 戦後GHQ管轄下に置かれ、後に東京医療少年院とされた経緯から、知られたくない軍の施設があったようにも。
 上は付近の家。右は代々木上原駅に近い料亭?


東京ジャーミイ

 小田急線代々木上原付近の車窓に見えるモスクは、「東京ジャーミイ・トルコ文化センター」として2000年に再建され、現在は再建を支援したトルコ大使館に所属(ジャーミイ=モスクのことで、アラビア語で「人の集まる場所」の意。ミナレット=塔のこと)。
 ロシア革命(社会主義政権樹立:1917年)の際、日本に移住したイスラム教徒(タタール人:元は遊牧民)のモスクを、日本が「対イスラム宣撫政策:反社会主義勢力の擁護」の寄付で建設したことに始まるそう。

 トルコの前身オスマン帝国(多民族・多宗教国家)は、第一次世界大戦の敗北で分断されて以来、現在も民族問題(クルド人だけでない)や隣国(シリア・イラク等)との火種を抱え続けます。
 ムスリムの国籍は多様(中東、中央・南・東南アジア等)であっても、どの国でも同一の教典が読まれるのですから、「目には目を…:犯した罪は自分に返ってくる(犯罪抑止が本来の趣旨)」の解釈は同じであるべきで、過激派組織の勝手な解釈は許されるものではありません。

 東北沢駅近くの旧上原川の谷筋で、小田急線が高架となる以前、代々木上原〜東北沢間の坂に真っすぐ続いた軌道の光景を思い出しました。
 また東北沢からは、テレビ朝日『タモリ倶楽部』で、鉄ちゃんの故 原田芳雄さんが興奮し「オレの家が見えた!」と、はしゃいでいた姿が思い出されます。

 右の坂道も「モスクへ続く道」に見える光景は、彼らの狙いとはいえインパクトありすぎです。
 町中で遭遇した異文化への接し方には、ガキ時分の遠足で訪れた「旧ユネスコ村」で「珍しいものを見る目」のような、純粋さが大切と思うのですが……

 代々木上原駅に近い古賀政男音楽博物館の背後には、サポートする(?)JASRACのビルがそびえます。
 日本の音楽著作権保護は、1939年に設立された大日本音楽著作権協会(JASRACの前身)に始まったとのこと。
 近ごろでは、音楽配信サービスからのダウンロード利用(複製)や、動画共有サイトから著作権料を徴収する方針などの問題が指摘され、裁判も行われています。
 新しいルールに抜け道は付きものでも、みんなで足並みを揃えようとするのは、海外との取引で不利とならない仕組みづくりのため、であれば納得できる気がします。
 右は、代々木八幡宮。


追記──3月21日 東京で桜が開花しました。

 そのうち咲くものですから、急ぐ必要もないのですが、東京タワーの「ピンク」のライトアップを目にすると表情もほころびますから、この国に暮らす人々にはとても重要なことだと感じ入ります。
 だって、条件反射的にゆるみますもの……

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