2017/03/13

世田谷の香り──等々力

2017.2.25【東京都】──「呑川(のみがわ)を歩く_5」 九品仏川(くほんぶつ)_1

 今回から、九品仏(浄真寺)裏手を水源とし、東京工業大学付近(東急大井町線 緑が丘駅〜大岡山駅)で呑川に合流する、支流の九品仏川(暗きょ)を歩きます。



等々力周辺

 右の満願寺や下の玉川神社は、室町時代に世田谷城を築いた吉良氏による「兎々呂城:とどろじょう」に由来するらしいも、廃城後は明治期まで放ったらかしだったようです。
 昔ながらの世田谷の光景を目にすると、父方の伯母の「何にも無い田舎でタヌキがいたのよ!」を思い出し、「世田谷の香りが残っている」と思いを馳せますが、現在も等々力渓谷ではタヌキを見かけるそうです。

 世田谷区は地方からの転入者が多いためか、ふるさと納税による税収減がダントツで大変らしい……

 右の「岩獅子:子を谷底に落とす獅子」は、ライオンが原型とされる伝説上の生き物(現在の狛犬)で、飛鳥時代に伝来したとされます。

 今回等々力に足を運んだのは、等々力渓谷を刻む矢沢川が、以前九品仏川に流れていたと目にしたためですが、それは水が届かない農地への水路だったようで、一帯には縦横に水路跡の暗きょが残ります。
 旧農地だった尾山台駅北側は碁盤目状に整備されるも、特徴(目印)が無いため、歩きづらかったりします。


 周辺には現在も農地が点在しますが、上のような構えの農家は少ないようです。
 ここまで立派だと家の方には申し訳ないが、このままマルッと保存するために、寄付してもらえないかと思ったりします。

 付近に点在する体験・市民農園は、遊休農地を貸す・売る・転用が制限されるため、農地を遊ばせるよりはマシと、収入は少なくても市民向けに提供されるようです。
 下の農園は無農薬が売りとしても、ここまで必要? というネット掛けのサービスに驚きます。都心では出荷品並に配慮された体験農業への関心が集まるようですが、普段口にする作物が育てられる環境こそ知っておくべきでは? と思ったりします……





 九品仏川の水源は、九品仏(浄真寺)裏手のねこじゃらし公園(上)周辺とされるが、標高図で北側に丘陵地が迫る様子から、斜面からの湧水が付近に集まったように見えるが、付近の九品仏池は埋め立てられました。
 その地形は等々力以北に続くので、古くから湧水周辺に人が住み着いたようです。

 寺の境内にあった奥沢城は吉良氏に築かれますが、秀吉の小田原征伐後に廃城となり、1678年浄真寺(浄土宗)とされます。
 参拝者は多めながらも、落ち着いた空気のお寺です。



追記──どうしても見てしまうWBC(ワールドベースボールクラシック)

 ハマらないようにチラッと経過だけ見るつもりが、何とベンチから権藤さん(ピッチングコーチ:78歳だそう)が表れ、「勝利の方程式?」(もう大魔神はいないが)と、リモコンを置きました。
 解説の元WBC優勝監督 原 辰徳氏が、牧田のクローザー起用を疑問視していましたが、あれこそ権藤マジックかと最後まで目が離せずに……
 筒香の「ここに来たら打ちますよ」と球を待ち、好球を呼び込みスタンドへ放り込む姿にホームランバッターの資質を感じます(大谷と並び中田 翔への刺激になりそう)。
 選手たちが躍動する姿は頼もしく見えるので、応援しなければ!

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