2017/05/08

大田区は飾らない──池上

2017.3.25【東京都】──「呑川(のみがわ)を歩く_9」 洗足流れ_2

 花見や内川への寄り道で、呑川歩きの間隔が開きましたが、洗足池を水源とする洗足流れの支流である洗足小池からの流れを歩きます。



 高台を通る環状七号線と中原街道の交差点付近の丘に位置し、環七の踏切解消のため地下駅とされたので、以前電車は坂を登っていたことになります。
 初めて降り立つと、駅前商店街ぱすてる長原の魚屋の多さに目が止まり「魚好きが多い町?」が第一印象に。焼き魚・煮魚もおいしそうですし価格も○なので、夕方ここにビッシリ商品が並んだら目移りしそうと。

 下は洗足小池へ下る坂道で、スマホに夢中なくせにシャッター音には振り向く様子に、下を向いて歩くじゃまな奴にはシャッター音を鳴らしてやろうかとも。




 農業用の溜池が後に釣堀とされますが、営業中止以来放置されていた池を大田区が整備し、小池公園として2009年にオープンします(流入河川のない湧水池)。
 目障りな施設は地下に埋められ、サッパリとした印象ですが、これからの季節には日陰が少なすぎでは?
 現在釣りは禁止ですが、ガキどもはスッポンを見つけて騒いでいます。

 排水を下水に流すことで、下流の旧水路周辺は宅地化されたようですが、溜池も小規模なダム湖であることをお忘れなく。

 右写真で季節の違いがバレてしまいますが(花見の前に訪問したもの)、ネコヤナギと思われる花穂(カスイ:稲穂のように花軸に群がる花)に、春待ち気分を重ねて撮ったようです。
 花見も終わり、コートをクリーニングに出した現在からは、ずいぶん前という気がします。
 季節がわりは特に気候変化がめまぐるしく、「暖かい」と「暑い」が同時にやってくるので(もう、7月・8月並の最高気温の日もありました)、タイミングを外してはいけませんね……



 洗足流れは、住宅地の小川にちょうどいいサイズ感らしく、整備された川沿いをいこいの場や、ガラクタ置き場として有効活用(?)する様子は、風景にしっくりなじみます。
 整備の際、変に飾り立てない大田区のさじ加減が住民の感性とマッチするらしく、住民たちが丸くおさめた事に自治体が口を出さないならば、とても暮らしやすい町と思えてきます。
 メディアで目にする町工場の厳しい状況は、自治体には解決できなくても、理解してあげないと味方がいなくなってしまいます。




 日蓮が湯治のため、身延山から茨城県に向かう際に立ち寄り亡くなった地に建立された寺院で、尽力した池上氏の名が残されます(付近に池はなかった説)。
 ここは幕末期に、西郷隆盛と勝海舟が江戸城明け渡しの会談をした地で、江戸市外に陣取った西郷隆盛の譲歩(江戸は攻めないから譲れ)が、勝海舟に伝わったようにも。

 合格祈願は桜の季節には早いが、桜のように咲きたいと祈る気持ちは理解できます。



 人のいない木造ベンチを撮りたいので、電車を1本見送りました。とても落ち着くこの駅は、ほとんどが木造のまま現存するようなので、また来なければと思っています。
 近ごろ、虫食いのように池上線の駅をかじっていますが、近いうちに全線をめぐらねばと考えています。

 駅名の記述に地名由来の異論を目にしました。
 そこには、元は「池亀」(普通は亀池じゃない?)とされる、亀が多く住む隣駅の蓮沼(池)上流にあたり「池上」とされた、とあります。
 どちらが正しいか分からなくても、昔の情景を思い浮かべることは楽しかったりします……

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