2018/12/10

錦秋に染まらない?──旧古河庭園、六義園

2018.11.23【東京都】

 紅葉を期待し旧古河庭園、六義園へ足を運びますが、ちと早かったか。千葉のように初めての地をさまよう楽しみはないが、知った場所では歩調もスムーズになります。




 広さはないが、起伏を利用して日本庭園と洋館+西洋庭園が配される趣向から、大正ロマン(1919年:大正8年)が目指したものは、いまの日本人好みに通じるようにも。
 季節に合わせて都立庭園紅葉めぐりスタンプラリーが実施され、年配の方がスタンプを探し歩いています。目当ては景品(来年のカレンダー)としても「スタンプを集める」という目的には、年齢に関係なく引きつけられる魅力があるようです。
 これをお年寄りを外出に誘うきっかけに活用できれば、ボケ防止や運動不足解消に役立てられるのではないかと。

 同じ枝に緑と紅い葉が混在する様子(右)から、紅葉は枝の葉全体が同時に染まるのではなく、染物のように末端から染まっていく様子がうかがえます。


 バラに限らず庭の手入れが行き届いた様子にはいつも感心しますが、そのおかげで紅葉と秋バラを同時に楽しむことができます(単に温暖化のせい?)。
 上写真を帰ってから目にし「こんなウケ狙いの写真を撮ったのか?」と驚きましたが、屋敷や庭園設計者の術中に飛び込んだとも言えそうです。ベタな絵ならではの強さが感じられるので、今後はこんな視点でも撮ってみようと思い始めています。
 駒込駅近くの本郷通り沿いにあった銭湯 亀の湯は、跡形もなく駐車場に……




 見ごろではないが紅葉シーズンのため駒込駅側の染井門が開門されており、そこに並ぶ行列にビビりましたが、正門はガラガラの通常通りでした。
 上は、見学者の投げたボールを傘の上で回す大道芸で、彼のチャレンジは成功し緊張感を満足感に変えてくれますが、次の子はとんでもない方向にボールを投げてしまいます。その子に求めるのは無理だったとしても、飛び入りの人選って難しそうと。
 「いつもより多く回しております!」の染之助・染太郎さん(ともに故人)は、伝統演芸の太神楽(だいかぐら)師と呼ばれたそうです。


 上の松は枝ぶりが見事なため、かなり背の高い雪吊が施されています。積雪から枝を守るための縄の配置やバランスが考慮され、最後は職人さんの美意識で仕上げられているように(これは美観目的の飾りかも)。
 外国人観光客の多くは特徴的な吹上の松や茶屋が好みのようで、その周辺は通路が渋滞しますが、紅葉にはさほど関心がないように見えます。


 上の渡月橋は混雑(手すりがなくすれ違いは危険)のため一方通行とされ、サザエさんのエンディングのような絵に。
 「色づき始め」の情報でしたが、もう少し時間がかかりそうというか暖かい日が続いたので、この先もふぞろい(まだら)のままで終わってしまいそうに。


 前回まで千葉方面を歩いたため、都心部の交通網の細やかさ、運賃の安さに、改めて便利さを実感します。ですが、千葉方面への行き帰りは人の流れとは逆方向のため、帰路の車内でグッスリ眠れましたが、都心からの帰路では混雑する地下鉄東西線(下り)に乗るため、休息もままなりません……



 木村威夫さん(2010年没)の展示会を知り、国立映画アーカイブ(京橋)に立ち寄りました。
 鈴木清順、熊井啓、黒木和雄監督作品をはじめ、拝見した作品はどれも印象に残ります。特に鈴木清順監督『ツィゴイネルワイゼン』(1980年)については、「満足のいく仕事ができたが、監督はその上に違う世界を作り出してくれた」(正確な表現ではないかも)、に近い驚きを観客も感じられたことは、美術と演出が互いに刺激しあった成果だったと。木村さん監督作品『夢のまにまに』(2008年)も好印象でした。
 木村さんが日活入社当時の映画界は夢のような世界でしたが、斜陽産業とされる中でも芸術家肌の美術演出のおかげで、黄金期に負けない光を放っていたと……

 本施設は、2018年4月 東京国立近代美術館フィルムセンターから独立した国立美術館が運営する映画専門機関で、施設内には映画上映ホール「長瀬記念ホール OZU」があります。長瀬とはIMAGICA(旧東洋現像所)の創業家が設立した長瀬映像文化財団で(日本の映像文化を支える存在としてふさわしい団体と)、OZUは小津安二郎さんではないかと。
 このホールでは何でも上映できそうなので、上映プログラムを考えるのが楽しそう。
 右は、黒澤 明監督作品『七人の侍』(1954年)に登場したのぼりのレプリカ展示。

0 件のコメント: