2018/12/17

のぞいてみたい願望──上野公園

2018.12.1【東京都】

 今年二度目の訪問(花見以来)となるのは、転居後は新宿・渋谷等 山手線西側方面が圏外となったため、下町圏に引っかかりやすくなったせいかも……




 上は、京成線 旧博物館動物園駅(1933年〜1997年)がアートスペース(「アナウサギを追いかけて」の展示)として21年ぶりに一般公開された様子で、ボードを持ったお姉さんが「本日の入場整理券配布は午前中に終了のため、入場できません」と説明するように、見学はかないません。
 少しくらい見せてやろうとの、おこぼれとして(?)脇の門が開かれています(上の白い物体は右のウサギのお腹)。見てもらうことに意味がある展示会を開くために、見せられるよう整備し直す取り組みは、芸術の森、東京藝術大学の隣接地ゆえ実現したように。
 都の歴史的建造物とされる開かずの門の中を、のぞいてみたい願望を抱く人は多いので、イベント終了後に改めて公開されますことを。



 江戸時代は寛永寺の敷地でしたが、1873年(明治6)芝、浅草、深川、飛鳥山と共に日本で初めて公園に指定されます。関東大震災(大正期)の後には西郷隆盛像がたずねびとの張り紙で覆われ、東京大空襲後には臨時の火葬場があったそう。東京で迷子になった際など、もしもの時の待ち合わせ場所とされる知名度の高いランドマークでした。
 東北方面の玄関口のため駅周辺には途方にくれる人も多く、溜まり場付近にアメ横(闇市)が生まれたように、現在もホームレスには居心地がいい場所のようです。
 以前からホームレスに食事を提供し布教活動する宗教団体を見かけたが、現在は数が増えたそうでこの日も賛美歌(?)が聞こえてきます。日々の練習の成果か、結構聞けるレベルだったりします(右の方は無関係)。

 グズグズせずに次なる目標へ! なんて二の次との考えでお目にかかれる相手ではありません。ご察しの通りパンダのシャンシャンを目指しますが……
 公開当初の熱狂はだいぶ静まったように見えても、もう少し時間が必要らしい。パンダ情報は様々公開されており、ライブ映像や、ニュース映像アーカイブス等を見てしまうと、会いたくなっちゃうのはわたしも同じです。それでもこちらは、到着30分前に整理券配布終了ですから、旧博物館動物園駅よりは手が届きそうな感触を受けます。
 天気のいい日に散歩するには格好の場所柄で、人出が多いと分かっていても誘われてしまう、庶民のランドマーク人気は衰えません。
 右の「時の鐘」は6時、12時、18時につかれます。

 右は、手前の少女が拍子木を打つと、台上の演じ手が踊り始める大道芸で、外国人観光客からは「ブラボー」の声が掛かります。
 子供を使った出し物からは、日本が貧しい時代の、教育より生きることを優先した状況(目にしたことはない)を想起してしまうが、現在は寺山修司が語った時代(口減らし等)とは違います。
 いまどきでは、少女が師匠に弟子入りし、大道芸人の修行をしていると受け止めた方が理解しやすそうな気がします。
 自分で生き方を選択できる時代ですから、外国人のようにありのままを受け止めて、素直に反応すべきでなのだろうと。

 近頃は上野に限らず人が集まる雑踏では、あちこちから中華系(中国+台湾 等)の言葉が聞こえてきます。
 上野界隈で商売をする方々は、観光地・繁華街の認識を持つため異論はないと思うが、はたから見るとどこの観光地も中華系観光客に養われているように感じます。
 今年各地で発生した自然災害等(今年の漢字は「災」)で観光収入が大きく落ち込んだ際に、中華系観光客の減少が取り上げられました。特に中国人観光客をお得意様としているようですが、依存しすぎると別の理由から「死活問題」が発生する恐れがありそうに。
 現在の米・中間の貿易戦争は、体面を気にしないガキのケンカのようで、将来は不安だらけです。
 右は不忍池の枯れたハス。


 NHK大河ドラマ「西郷どん」終了

 当初、西郷役の鈴木亮平に感じた違和感はほどなく薄れ、次第に「太か」人物像と重なり存在感が大きく見えてきたのは、役作りで体型が太くなっただけではないと。
 西郷さんらしさとは、国民のための国づくりを目指し奔走する姿や、武士を束ねて明治新政府に異を唱え反乱を起こすこと以上に、2008年「篤姫」で描かれた、薩摩藩主 島津斉彬から篤姫と共に命を受け敵対する立場となっても、国・人を愛する気持ち(無用な戦いは避けたい)に従い、江戸城無血開城を実現させた決断にこそ表れていると。
 それこそ「太か人物」ならではの英断と思うが、本作では明治維新達成に向けた葛藤を描きたかったらしい。
 
 近頃の大河ドラマで不満だったタイトルバックのCG合成を、全部実写(に見えた)としたことに拍手です(実写の方が格段に迫力がある!)。


追記──ブラタモリ「豊洲」に落胆
 
 「豊洲市場も無事開場したので、早い時期に豊洲をアピールしてもらいましょうよ!」との、小池都知事の声が聞こえるような企画に驚きました。
 豊洲市場に触れないところがブラタモリらしいとは、評判を利用したカモフラージュで、見せられないものを隠すためでは? と勘ぐりたくなります。
 この番組は地面を掘り下げようとする探求姿勢が売りなのに、旧工場地帯の「盛り土」(そのキーワードが墓穴を掘る)の上に市場や住宅が立ち並ぶ「新しい町」との説明(都の宣伝)で、「めでたし…」と終わらせたいとの意図が感じられます。
 将来、市場移転時に騒がれた汚染土壌や、汚染地下水の流出(東大島)のような問題が発生しないことを願いたいが、タモリの「すごいとこですねぇ〜」の締め言葉にも、「本当に大丈夫なの?」が込められていたように……

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