2019/01/07

2年目の西葛西

2018.12.29【東京都】

 西葛西での生活も1年4ヶ月となり、生活の中で感じた町の特徴について少し伝えられるのではないかと、雑感を拾いながら歩きました。


ビジネスホテルが成長産業?


 西葛西駅周辺では、大きなキャリーバッグを引きずる外国人観光客をよく見かけますが、朝の混雑する電車に「それ持って乗るんかい?」とおかまいなしに挑むグループも。
 駅周辺には8軒のホテルがあり(ベストウェスタンは2軒)、この1年で3軒が開業する盛況ぶりに驚きます。TOKYO 2020に向け右肩上がりの外国人観光客の受け皿として、都心にも多くのホテルが開業していますが、近頃のトレンドとされる個人旅行客(エコノミークラス)をターゲットとしたビジネスホテルの立地に向いているようです。
 送迎バスが東京駅(50分)、舞浜駅(30分)方面に出ていますし、東西線で大手町駅(東京駅)まで20分ですから、ビジネス客+国内観光客にも利用しやすい場所のように。
 電車を降りれば人混みも無く静かな町なので、印象も悪くないのではと。


専門学校の立地にふさわしい?


 上は専門学校の看板で、これら全部を学校法人滋慶学園が運営しています。分野は多岐に及ぶことから(ウエディング、美容、調理、スポーツメディカル、福祉、アート、放送 等)、総合専門学校の運営を目指しているように。本部は大阪にあり、東京の足場として悪い場所ではないと思うが、学生たちは「都心じゃないのかよ」「ディズニーランドは近いけど何度も行けない…」とか言ってそう。

 また付近にはプロが技術を磨くパン科学会館(一般社団法人 日本パン技術研究所)があります。ここでは、製パン・製菓教育、フードセーフティ(食品安全衛生管理)等の指導が行われ、製パン技術教育コースでは本科100日間という本格的な指導を受けられるそう。ここで修行したパン職人は多いようで、年始挨拶に訪れる人々を何組も見かけました。

 以前は副都心化を目指し企業を誘致したものの、都心回帰の流れで大企業の事務所は移転・廃止とされましたが、教育機関にとっては居心地のいい場所のように映ります。


インド人コミュニティのおかげ?


 インド人システムエンジニア等へのビザ発給が緩和された2000年頃から東京で働く方が飛躍的に増え、特に江戸川区(西葛西)に集中したのは、インド人コミュニティが立ち上げたインターナショナルスクールの評判によるそうです。
 付近に暮らすインド人ファミリーでは英語教育が必須とされ、近隣で刺激を受けた日本人ファミリーから入学希望が増えたため、東葛西にキャンパスを新設したそう。身近なインターナショナル教育に関心を持つ島国人の姿勢は理解できますし、近所のインド料理店で開かれるイベントでは、日本人親子が一緒になって楽しむ様子が見られます。
 付近にはインド系以上に中華系住人が多く、日本語学校があるため東南アジア系の方も見かけるように、近隣国に偏ってはいるがインターナショナルな町と言えそうで、西葛西ならではの新しい文化が生まれそうな気もします。
 田町の方が多様でしたが、こちらは「圧」が違います……


川(がわ)を取れば胸を張れる?


 上は現在改修工事中の江戸川区球場で、昨夏の甲子園大会時分に耳にした若いお母さんたちの、「エドキューで負けちゃったから…」「うちの高校もエドキューが最後だった」の呼び方が可愛らしく響きました。出身の神奈川では、保土ヶ谷、追浜(おっぱま)とそのまま呼んでいたが、いまどきはどんな呼び方をしているのだろうかと。
 また江戸川区には、商店街ヒーロー「商売繁盛 エドレンジャー」がいます。商店街連合会が生み出したヒーローがシャッター軍団と戦うという設定で、リアル過ぎて身につまされる大人たちの方が応援していそうですが、子供たちには人気で近所の催しは大盛況!
 東京近郊で育った者には、江戸に川(がわ)が付くとガクンと下がるイメージがあるため、それを取ればイケると考えたようですが、その時点で認めてしまっているようにも…… 江戸川区のみなさんゴメンナサイ!


2018.12.31

「勝手にシンドバッド」な夢

 今回のNHK紅白歌合戦の最後には、新しい年を迎えるカウントダウンイベント「平成打ち上げライブ」のような盛り上がりがありました。
 サザンオールスターズはデビュー40周年ですから、楽曲にそそのかされた同年代も60代前後の「じぃじ」「ばぁば」となり、紅白のトリは「演歌や嵐じゃないだろう」とくすぶっていたのではないか。
 発売当初の評判は「歌詞が聞き取れず、やかましいだけ」でしたが、若者には盛り上がれる曲として受け入れられ、コンパでは替え歌に声を張り上げていました。
 デビュー当時、音楽番組「ザ・ベストテン」にランニング+短パンで登場した姿を目にした黒柳徹子さんが、「洋服買ってあげましょうか」と心配した連中が時代のトリを務めることを、彼らも夢は見ても実現するとは想像しなかったでしょう。
 われわれがそんなチャンスを手にできないのは、「勝手にシンドバッドな夢」をどこかで見失ったためかと……

 松任谷由実の「物語性のある楽曲」は、ジブリ映画の世界観に置き換えられ広く浸透したように、ニューミュージックとされた音楽が60代前後の「懐メロ」であることを認識させられます。サザン同様、昭和の懐古であっても、パフォーマンスにはこれまでの積み重ねが感じられたように。

 右は、大晦日の鶴岡八幡宮で神職のアルバイトに向かう若者たち。

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