2019/02/18

発展を願って──東陽町

2019.2.2【東京都】──地下鉄 東西線を歩く_13

 かなり前に見聞のため、わざわざ江東運転免許試験場まで免許更新に来たことがあり、遠かったせいかここではないと感じた記憶があります。ですが引越しの際に、江戸川区の警察署ではゴールド免許の更新もしていないため、江東で更新しろと指定されました……



 仙台堀川は江戸〜明治期に開削され、1982年の埋め立てまで船が往来したため水道管は旧運河上を通され、現在も遊歩道の上空を横断しています(付近は幹線道との立体交差のため高度差がある)。
 自治体は埋め立てた運河を緑地帯とし、ところどころに広場を整備することが自分たちの仕事と考えるようですが、子供達は遊び場が無いためか、付近の遊歩道の傾斜を利用してスケートボードをしてます。
 目の前の環境を工夫して楽しもうとする想像力が、手すり等を滑る競技を生み出したように、どんな場所からも可能性は見出せるとしても、サポートがなければ環境が整備された場所へと若者たちは去ってしまいます。
 年配者でも歩きやすい散歩道は、町のインフラとして重要な施設に違いありませんが……

 植物には詳しくないので、幹がスッとまっすぐに伸び、枝が上方に向き、樹形が円錐形で赤茶に紅葉する木をメタセコイアと思っていましたが、右のように根元から呼吸根(膝根:しっこん)が出てくるのは、ラクウショウ(落羽松←この漢字読めなかった)という杉の仲間(松ではない)なのだそう。
 湿地や沼地を好むくせに、水分があると呼吸できないため地上に根を出すらしい(マングローブと同じ)。新宿御苑で目にした立派な呼吸根を持つ木の樹齢は100年を超えるとのこと。
 旧運河の面影を残すために整備された人工的な水路やせせらぎには、冬場は寒々しさしか感じないが、暖かい季節になるとそのありがたみが実感できそうです。



 ここは旧仙台堀川と旧横十間川の合流地点で(以前水門があった)、付近の中州にアオサギが営巣している絵は以前も撮った記憶があります。
 周辺で目にする鳥の種類も多そうで(ツグミ、コガモ、ダイサギ等々)、バードウォッチングで人気になったのは、周辺の住民に静かに見守る共存生活が浸透したおかげかと。マンションに囲まれた地が、何年も変わらず鳥たちの楽園であり続ける環境は、都心部のお手本にすべきではないかと。
 横十間川は東京スカイツリー近くで北十間川から分岐し南下する運河で、その名称は、江戸城に向かわず城に対して横に流れ、川幅が十間(18m)あったことに由来するそう。




 東陽町という響きに下町らしさが感じられないのは、1967年「発展を願って名づけられた」ためで、現在の東陽町駅付近には72年に廃止された城東電車洲崎線(路面電車)の洲崎停留所があり、遊郭で知られた名ではなく明るいイメージの名称にしたかったようです。
 上は東京イースト21として建設された複合商業施設(ショッピングモール、ホテル、イベントスペース、オフィスビル:1992年)のシンボルとされる太陽と月で、以前の水路に挟まれた資材置き場の記憶を消し去り、区役所に近い江東区のランドマークとしてアピールする姿は(鹿島建設による)、東から昇る太陽をイメージしたものか。
 女性専用の喫煙所を見かけたが、これは発展的な取り組みなのか、地域特有の問題なのか?

 右は距離を合わせられなかったので比較できませんが、荒川を挟んだ江東区(左:区役所前)と江戸川区(右:西葛西駅前)に設置される水位標を並べた絵。
 キティ台風は1949年関東地方に上陸した台風で、通過が満潮時と重なった東京湾では、A.P.+3.15mの高潮により江東区や江戸川区など広い範囲が浸水被害に遭い、行徳塩田では製塩業が廃業に追い込まれたそう。
[A.P.(Arakawa Peil):東京湾霊岸島量水標を基準とする基本水準面]
 どうすることもできない境遇で通じるため慰め合うような面もあり、無事だった方は隣人への応援を忘れてはならないと思うも、災害時は双方共に水没しそうなので、お互い逃げるだけで精一杯という気がします……


追記──恩師である中学の先生が亡くなられました

 恩師という響きには、年齢差を内包した遠い存在のイメージがありますが、年齢差がひと回り程度でいとこのお兄さん的な存在ながらも、恩師と思い続けています。
 20代半ばだった立場を自分に置き換えてみると、そんな時分に含蓄のある話などできないと思うし、中学生に語りかけても通じるわけないので、ごくありふれた言葉だったんだと思います。意見に耳を傾け「やってみればいいじゃないか!」と背中を押してくれる言葉に勇気をもらった記憶が残ります。それはわたしに限らず、不安定で自信の持てない年代全般に対する接し方だったため、人気があったのかも知れません。
 人を励ます気持ちを持ち続けたいと……
 ありがとうございました!

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