2012.2.18
【東京都】──「山手線を歩く! ⑥」
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長者丸踏切(Map)
この日は目黒駅から歩き出すも、10年ほど通った地に立つと思い出すことが多く(あの店はまだあるか? 等の関心で)ウロウロするため、なかなか先に進めません(一見さんお断りの立ち飲み屋はなくなったように見えます)。
山手線の車窓から「踏切が見えた」記憶をたどり線路際を初めて歩きましたが、「アレ? 山手線の踏切じゃなかった……」です。
きちんと記憶を整理すれば現実の絵が思い浮かぶのに、勝手に「山手線の踏切」にすり替えてしまい、「数少ない山手線の踏切を渡る」気分でいました。
そこは、ちょうど山手線が埼京線(貨物線)を立体交差で越える付近で、歩道は山手線のガードをくぐり、踏切で渡るのは埼京線(貨物線)だけです。
記憶を自分が都合いいようにすり替え、とぼけられるようになれば、もう立派なオヤジです。しかしこれは自分を信用できなくなる症状ですから、ちょっとショックです。
ですが、そのように逆らえない積み重ねから、心中のこだわりが消え「そんなこともあるさ」と思えれば、笠智衆(りゅうちしゅう:御前様)さんのような心穏やかな生活が送れるようになるのかも知れません……
巣鴨〜田端間にあると思っている踏切を、このシリーズで確かめてきます。
長者丸は古い地名で現在は(五反田・目黒駅より北なのに)品川区上大崎とされます。
長者とは、前回触れた自然教育園周辺の白金長者のようですが、「太田道灌のひ孫である新六郎」説と、豪族「柳下上総之助」説を伝えるだけで確からしい記述は見当たらず、調べる焦点がずれているのか、ちょっと不明です。
現在でも区画の広い大きな家が並ぶので、長者町であるのは確かです。
ここは山手線車窓から見える「 日の丸自動車学校」で、脇の道から見上げました。
かなり前ですが、この球体は空洞の飾りであり、フジテレビの球体の建造物よりかなり小さいことを、TVで見た覚えがあります。
横から見ても設計の意気込みが感じられますが、その後「教習生増えました?」の成果について聞いてみたい気がします。
この坂道は、自動車学校前から目黒川に下る道で、以前米国からの客人を歩かせちゃったことがあり「サンフランシスコのようだ」と言われ、後悔した記憶があります。
ここをよく歩いた覚えはあっても自分の習性として、ディンプル(滑り止めのくぼみ)があるような急坂は避けるはず! でも、思い出せずにガーデンプレイスに向かい歩いていると答えが見えてきました。「そうそう、ガーデンプレイスのTSUTAYAによく通ったんだ」と。
1994年の開館時分は「ここに無ければどこにもない」品ぞろえが豊富な印象があり、「古い日本映画までよくぞそろえたものだ」と、小津安二郎、成瀬巳喜男、木下恵介さんの作品や、旅行先が舞台とされる作品のビデオを借りに通っていました。
出店のコンセプトに「ないビデオはない」を掲げていたそうで、その意図はユーザーにしっかり伝わったことになります。
せっせと通った際は当然、行きは傾斜の緩やかな権之助坂を上り、帰りにこの急坂を下りました(坂の名称は見つかりませんでした)……
恵比寿ガーデンプレイス(Map)
右は、恵比寿ガーデンプレイスのレンガ敷きを照らす陽光です。
ビール好きの認識は「やっぱ、ここの生ビールはうまいよな〜!」なのですが、以前は3店舗ほどあったビールを飲ませてくれる店が、昨夏訪問時は1店だけになっていました。
現在でも生ビールのおいしさは変わらないと思うのですが、来客数の減少(ブームの収束)とともに店舗も消えていったようです。
飲料の中でもビールの価格は高いので、デフレ時代に持てはやされる発泡酒とともに「ノンアルコールでいいや」という「バーチャル派?」が増えたのかも知れません。
若者は酒を飲まなくなったとも聞きますが、「うまい生ビール!」の求心力は弱まったのだろうか?
ガーデンプレイス以前の、1985年にオープンした「ビヤステーション恵比寿」では、ブルートレイン車内で旅情(?)を楽しめたり、東京では初登場? 天井が高く広いビアホールがあり、線路沿いに長い行列ができました。
ちょうどそんな時分に恵比寿の会社に数ヶ月通っていて、行列の様子に腰が引けたものの「今日こそ行くぞ!」と、「席取り隊」を16時に派遣して、ようやく19時くらいに入れた覚えがあります。
そのかいあって、大きなビアホールで、おいしいビールを楽しんだ記憶が現在も残っています。
わたしは「その瞬間のために!」と、夕方から水分を取らないというストイックなこだわり方はしませんが、ひとくち目の「カァ〜!」の瞬間に感じる「至福!」を目指して日々の仕事をしていることは、多くのお父さんと同じ様に否定できません……
茶屋坂(Map)
恵比寿駅から見てガーデンプレイス手前右手に、線路を渡るアメリカ橋があります(そんな曲もありました)。米国セントルイス万博の展示品を買い取り(橋を売ってたの?)、鉄橋のモデルとして1906年に設置されます。
その橋を渡った先の交差点は以前T字路でしたが、現在十字路とされ真っすぐに目黒川(山手通り)方面へ抜けられる道路が新設されました(2009年開通)。知らなかったので、もちろんその道を歩きます。
まだ新しさが感じられる坂を下ると、バス停に「茶屋坂」の表示があります(上写真は道沿いのヘアサロン)。ここはバイパス的な道なので厳密な茶屋坂ではありませんが、そこにあった茶屋が落語「目黒のサンマ」の舞台だったとされます(場所は特定できないそう)。
目黒に勤めていた頃、「目黒のサンマ祭り」当日の駅前には、もうもうとした煙が立ちこめ、嫌いな人には大迷惑な青魚のにおいが充満し、大好きな人には「食いて〜!」と思わせるような「これ以上ないアピールの場」だったこと思い出します。
起源は落語の作り話で、誕生から百年以上の年月を経て「新たな庶民文化」が芽ばえました。東北地方(宮古と気仙沼)との連携から生まれた「新しい文化」として、続いて欲しいと願います。
産地を宮古・気仙沼としたのは祭りは2つあったためで調べてみると、目黒にはもう一つあり、恵比寿では「となりの恵比寿サンマ祭り」が、東京タワーでは「三陸・大船渡東京タワーさんままつり」など、「家では焼きにくい魚を外で焼いて振る舞う」催しが全国的に広まっているようです。
昨年は継続されることで勇気づけられましたが、今年は本格的に盛り上げて「みんなで食べてるよ〜!」と、漁業関係者にエールを送りましょう。
めぐろ歴史資料館(Map)
右写真は「ジロー人形イサムサン」で、戦前に作られた「二本足で歩行する人形」になります。最近の撮影と思われる歩く様子が、横のモニタに映されていました。
現代のASIMOのルーツと思える、生物の進化をなぞるような「二足歩行」を目指す試みは、戦前から大きなテーマだったことがうかがえます。
資料館の展示物で力を入れていたのが、上目黒にある「目黒新富士発掘」に関する展示です。
新富士(=富士塚)とは富士講(富士山信仰の集団)により、人工的に築山された信仰のための盛り土で、広重の浮世絵にも描かれる江戸名所でした。
その内部発掘から、納められていた仏像が発見されます。富士山=浅間神社の印象があるので「仏像?」とも感じますが、神道だけでなくさまざまな信仰があったようです。
ここは、めぐろ歴史資料館近くの正覚寺で、日蓮宗のお寺になります。
現在では中目黒駅に近い場所柄ながらも「駐車場はこちら」の案内があるほどの土地を所有しています。
想像ですが、昔から氾らんを繰り返した目黒川沿いのため農民は困窮し、農地を寺に寄進したのではないか? とも思える土地柄です。
墓地の入口に門があり中はうかがえませんが、まま広そうな印象があります。
右写真は弁天堂(?)脇にある井戸で現役のようです。
海外の写真にこの手のモノを目にしますが、ここは日本。バックの赤は朱塗りのお堂になります。
2012.2.26
速報?「東京マラソン 2012」
あいにくの曇り空でしたが予想された風は弱く、マラソン日和と言えるでしょう。
TVでは目にしていましたが、実際目にすると口がポカンと開いちゃう「カラフルなイモ洗い」のようでした。
ここ田町駅前の国道15号線は、正月の箱根駅伝ばかりか、東京マラソンのコースでもある催し多き場所なので、「日曜は昼まで寝てたい」ところをむち打ち起き出して見学に。
コースは都心側から来て品川で折り返してまた戻るため、道路両方の車線一杯に人の群れが1時間以上続くので、駅伝のように見逃すことはありません。箱根駅伝は往路・復路の2日間楽しめますが、往路などはスタート直後なので、アッという間に走り去ってしまいそうです。
応援の人たちは、参加者36,000人の中から目的の人を見つけるわけですから、その目つきは真剣そのものです。
写真のような「色見本状態」ですから、目立つ色のウエアを着ていてもこのカラフルな群衆の中では埋もれそうです。
上写真左のオッサンの「カッパ?」のようなコスプレは、見逃されないための工夫なのかも知れません。
応援の人たちも気合いが入っていて、片手に電車路線図を持ち「次の銀座は地下鉄がいい」と、駆けていきます。
日曜日とはいえ道路の占有時間はかなり長いため、生産活動にも影響が及ぶと思われますが、応援を含めた驚くべき集客力にはそれを黙らせる力があります(金銭の問題ではなく、これだけの人が集まる祭りには反対できない)。
東京都は「スゴイ仕掛けをしたもんだ」と、感心しきりです……
国外の方も多く参加しているので、応援も国際色豊かですし、走るのはキツイにしても参加者が楽しんでいる様子が、沿道からも見て取れますから、年に一日くらいは車道に人を走らせてもいいのでは、と納得させられました。
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