2012/12/17

虹をわたる心地よさ──レインボーブリッジ

2012.11.25【東京都】──「ベイエリアウォーク⑪」
 《ゆりかもめを歩く⑦ お台場海浜公園〜芝浦ふ頭》

 以前レインボーブリッジを歩いた際は本土側から向かい、両側の歩道を歩きたいこともあり途中で引き返したので、渡ったことにはなりません。
 今回はお台場レインボーバスで向かい、橋を歩いて家まで帰るコースになります(真っすぐ歩けば1時間弱程度)。


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お台場海浜公園(Map)

 この日は、お台場海浜公園はスルーしてレインボーブリッジを目指すはずでしたが、砂浜のにぎわいに誘われました。
 砂浜にはビーチバレーコートが何面も設置され「第21回お台場ビーチバレー(2人制ファイナル)」が開かれています。
 お台場ビーチバレーは、この砂浜で毎年4月から11月に開かれるエントリーフリーの大会で、現在7年目とのこと。
 プロとは違う「草ビーチバレー」なので、時折見られるナイスプレーに歓声が上がる程度ですが、砂まみれでのハツラツとしたプレーには、見る側にも力の入る場面があります。
 男女ともギャラリーの少なさは季節柄なのでしょう。
 やっぱりこのスポーツは、夏じゃないと盛り上がりませんよね……

 ビーチバレーの浅尾美和選手が引退表明しました。
 その報道写真に、和的で派手さは無いも整った容姿は、日本人男性の多くに好かれるタイプではないか、と感じたりします。


 彼女らの足元に広がる白砂(本当にキレイ!)は、伊豆七島神津島(こうづしま)の湾内整備でしゅんせつされた砂が運ばれ、有効活用されました。
 島ではどこに廃棄しよう? という土砂ですから、輸送費はかかりましたが「白い島」の絶好のアピールになります。
 神津島は、流紋岩質のマグマ活動から生成される無色鉱物の多い岩石で成り立つため、島の周囲は白い崖に縁取られ、砂浜は「真っ白」でとてもまぶしく明るい印象があります。
 沖縄のサンゴ由来の白砂と比べ、ミネラル豊富(鉱物由来)で色素が多い分、白色度は落ちるも、ガラス質のキラキラが明るさを演出しています。

 伊豆七島では新島、式根島が「白い島」の仲間になります(大島や三宅・八丈島は富士山のように真っ黒:これは地下でのマグマ生成過程の違いによります)。


レインボーブリッジ(Map)


 レインボーブリッジの歩道(レインボープロムナード)から、台場の様子を見下ろせるポイントがあり、ここから新旧「埋め立て事情」のコントラストが見えてきます。
 手前にある江戸時代の台場は、周囲に土を盛った砦仕様で、戦いを想定した構造になっています。
 一方、奧に見えるお台場地区は平坦で、汎用性を想定した様子がうかがえます。
 この対比は、埋め立て事業の昨今を学ぶための格好の素材になりそうです。
 そんな光景を眺めながらレインボーブリッジを歩く「社会見学の授業」もありでは?(子どもたちの関心をつかめそう)という気がします。

 レインボーブリッジ(吊り橋)は上下2層構造で、瀬戸大橋(吊り橋・斜張橋・トラス橋を併設:上層の車道と下層の鉄道)、横浜ベイブリッジ(斜張橋:上層の首都高速と下層の一般道)をミックスした欲張りな仕様になります。
  上層は首都高速(台場線)、下層の中央をゆりかもめが通り、両脇を一般道の臨港道路海岸青海線が通ります。

 下層の両端にへばりつくような遊歩道(レインボープロムナード)では、金網越しながら見事な展望が開けます(中央にゆりかもめが通るので反対側は見えない)。
 北側遊歩道(ノースルート)からは都心や東京スカイツリーが、南側遊歩道(サウスルート)からはお台場や品川・大井ふ頭が望めます(自転車は貸し出し台車に載せた手押し通行は可ですが一方通行)。
 今回は日当たりのいいサウスルートを歩き、天気の良さと、風がなかったおかげで(この場では風の方が重要です)少し汗ばむような心地さを感じながら歩けました。
 でも、車の騒音はじかに響くのでやかましいこと覚悟ください……


 一枚上は台場側の主塔(高さ120m:右下写真と同じ)で、芝浦側の主塔との距離は570mありそれぞれ鉛直(重力の方向)に立っていますが、塔頂間の距離は根元の距離より11mm長いとのこと(誇張すると、バンザイする両腕が開いている様)。
 身近な存在でも、地球の丸さを実感できる気がします……

 橋へのアプローチは、お台場側は新規開発で土地に余裕があるので、どれもスロープで可能ですが、芝浦側は既存施設との兼ね合いがあり、工夫が必要になります。
 上層の首都高は接続先の既存施設も高架道なので、スロープで接続できますが、同じく高架軌道ながら傾斜が急なのか、ゆりかもめと、地上まで降りる一般道はご存じのループを利用します。
 遊歩道へのアプローチにはエレベーターが設置されていますが、ループをグルッと歩いてみたい気もします。

 エレベーター施設の直下には「芝浦南ふ頭公園運動広場」があり、少年サッカーチームが試合開始のあいさつをしています。
 なかなかこんなアングルでは見られませんし、屋内競技場のカメラのようで選手の動きがよく分かり、「お前何やってんだ!」という的確な指示を出せそうな視点です。

 TVロケなどに使われる絵になるロケーションなので、アベックに人気と思いきや、いつ行ってもガラ〜ンとしています。
 きっと、わたしが飲んだくれている時間帯(夜も更けた時分)に、「夜景を見に行かない?」などと、虫がわくように集まって来るのかも……(ひがみ過ぎかしら?)

 お台場地区の住人にとっては「大動脈」と思われる橋なので、災害時等に閉鎖されてしまうと大混乱になりそうです。また、りんかい線も不通になると、本土への連絡路は豊洲や新木場方面の徒歩だけとなります。
 自分は本土側に暮らす身ですが、災害発生時には「有明の丘基幹的広域防災拠点施設」周辺に、都内で最も救援物資が集まるような気がしてなりません。
 勝手な思い込みかも知れませんが、橋が渡れない場合のルートを研究しておかねばと考えさせてくれたお台場周辺の散策も、これで終了になります。

 20分程度の帰りの道すがら、芝浦アイランドとされる高層マンション群にあるスーパーで、晩のつまみを買って帰るようなご近所になります……

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