門前仲町〜清澄白河付近の人工水路「小名木川」と「仙台堀川」を歩きたく、連休中に「荒川ロックゲート」からブラブラですが、結構歩きました……
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荒川ロックゲート(Map)
ロックゲートは閘門(こうもん)とされる二つの門を持つ施設で、水位が異なる荒川(奧)と旧中川(手前)の水の高さを調整し船を航行させます。
手前の海抜ゼロメートル地帯の水害を防ぐ要の施設で、
この日の水位差は陸地側-2.1mとのこと。
相互航行可能な一方通行で、1サイクル20分程度を目指すため、水の出し入れはかなり速いようです。
門内はエンジン停止のため、右の小舟はロープにつかまっても流れに翻弄されますが、その後反対側から入ってきたシーカヤックのオール使用はOKらしい。独り占めとは言え両側は観覧席のようで、舞台でひとり踊る「さらし者」的な心境かも知れません……
水陸両用バスのスプラッシュポイント(Map)
一般道でも見かけた奇妙なバスは、都内初とされる水陸両用バス「SKY Duck」で、船首に車両ナンバープレートが見えます(2013年運行開始)。
現在「東京スカイツリーコース」「亀戸コース」があり、どちらも「旧中川・川の駅」付近の「スプラッシュポイント」から川へダイブします。
遠い場所でも「ズドーン」の音と、水しぶきの迫力が感じられます(撮れなかった)。
このまま荒川ロックゲートへ向かうと思ったら、この水路でじゃぶじゃぶするだけらしい(確かにゲート往復だけで40分かかります)。
足を運ぶ機会の少ない東大島付近ですが、アトラクション的な楽しさがあり、水辺から経験してみたい気持ちが高まります。
小名木川 クローバー橋(Map)
1590年秀吉の命で駿河から関東に国替えさせられた徳川家康は、江戸城を中心としたインフラ整備に着手します。
現在千葉県行徳付近の塩田から塩を運ぶ際、当時の東京湾には浅瀬が広がり座礁する船が多いため、小名木四郎兵衛に建設を命じた運河が小名木川の由来となります。
後に年貢米の運搬路として栄え「スプラッシュポイント」付近に船番所が置かれます。
上は小名木川と横十間川交差地に架けられるクローバー橋で、船舶用の交差点ミラーが設置されています。
歩行者・自転車には非常に便利な橋で、同じ道を戻りたくないと考えると、元の場所に戻るには遠回り&迷いそうで、架橋前は不便以前に川向こうを知らなかったのでは?
小名木川 扇橋閘門(Map)
高度成長期以前は、物輸主力の船舶で水路はにぎわいますが、地盤沈下による1976年荒川側の水門閉鎖から、2005年荒川ロックゲート完成まで水路は閉鎖されます。
荒川ロックゲートは、海水流入を防ぐ施設ですが、この扇橋閘門(PDF)は、西の隅田川と東の荒川側で最大3mある高低差を調整するための閘門になります。
ゼロメートル地帯の中にも高低差があり、その間を行き来するために水位調整が必要とは驚きました。考えてみれば、全体が一様に沈下するわけもありません。
旧仙台堀川(Map)
小名木川の海側に平行する仙台堀川(付近にあった仙台藩邸に由来)も利用されなくなりますが、高潮被害のため1982年埋め立て〜仙台堀川親水公園とされます。
江東区マップ(PDF)の、水路を埋め立てたと思われる公園施設は、不要のためではなく防災対策のようです。
公園内「野鳥の島」には、サギの姿が見られます。
清澄庭園では毎回目にするので、住み着いているのかと思いましたが、水路沿いに多く見かけます。
人間には分からないも、鳥には「干潟の断片」として暮らせる環境が、数多く残されているのかも知れません。
東京都現代美術館・木場公園(Map)
東京都現代美術館(上)は新緑とも違和感なく、季節感を取り込む日本家屋がコンセプト? とても好きです。
右は木場公園付近の仙台堀川ですが、このすぐ先から埋め立てられています。
川の埋立とはいえ、3枚上の旧堤防から見える公園の高さまで埋め立てるのはかなり大変な工事と思われます。
自分が暮らす地域と変わらないように見えても、地域全体が水面下に置かれる実態を目にし、「危機に囲まれて暮らす」様の一端を理解できたような気がします。
そこに暮らす人々が、他の地域と変わらない日常を過ごす様子には、政府・自治体の注力を感じます。
若葉の隣で真っ赤な葉をつける木があります。
「春もみじ」という園芸品種のようで、さまざまに改良された品種があるらしいと知り、切りがなさそうと調べる手が止まりました……