隅田川を歩こうと思ったきっかけは、以前浅草付近で目にした「隅田川テラス」工事が完成したら河口まで歩こうというもので、どうせならもっと上流からとなりました。
以前浅草の活気は、吾妻橋脇の船だまり等の猥雑さが原動力と感じましたが、その場所に整備されたテラスのおかげで、外国人観光客が「ここまで足を伸ばすの?」と行動範囲が広がる様子に、環境整備の成果が見て取れます。
整備のきっかけと思われるホームレスも一掃し結果オーライに見えますが、彼らは別の場所に移動しただけではないか? NHKドラマ『サイレント・プア』(深田恭子主演)のような、取り組みが続けられますよう……
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隅田公園(Map)
隅田公園にある「パラボラ型の花壇」は、アート環境プロジェクト作品「グリーンプラネット」で、穴から首を出して周囲の花とスカイツリーをのぞく趣向とされ、ちょうど外国人観光客が首を出してくれました。
犬が逆さのメガホンを被るような姿(体の塗り薬等をなめさせないためのエリザベスカラー)は滑稽でも、表情には「Happy!」さが見て取れます。
もしエリザベスカラーを被る人を見かけたら、浮気防止用で「わたしだけを見なさい」と装着されたに違いなく、グチくらいは聞いてあげましょう……(冗談!)厩橋:うまやばし(Map)
名称は、以前蔵前にあった江戸幕府の「御米蔵」で働く馬の小屋に由来しますが、江戸期の主力交通手段(馬力)なので、「厩奉行」等も配されたとのこと。
橋には、親柱のステンドグラスや、中央部のレリーフに馬の装飾があります。
江戸幕府の架橋制限のため橋の少ない隅田川流域には、白鬚橋のように地域住民が金を出し合ってでも橋を架ける必要性がありました(寄付でなく出資の概念が広まった)。
関東大震災の被害を受け、国や都が「震災復興事業」として頑丈な橋を架けますが、恩恵はうわべのアメの部分だけで、軍事に利用され痛い目に遭うことに……
蔵前橋(Map)
近ごろ社会インフラの老朽化問題とされるのは、高度成長期に集中的に作られた設備ですが、それとは別に、関東大震災復興事業として大正末期〜昭和初期に作られた頑丈な橋々にも老朽化問題が迫ります。
現在東京都が管理する白鬚橋、吾妻橋、駒形橋、蔵前橋等では、架け替え工事を分散するための延命化工事が行なわれています。
ですが、そんな余裕があるのは東京都だけで、地方の自治体は現在審議中の「地方創成政策」で仮に潤ったとしても、その全部をつぎ込む緊急対策に迫られる状況にあるのではないか?(水路の多い墨田区は、躍起になって延命化工事を推進中)。
橋には珍しい鮮やかな黄色は水上バスサービスか、裏側もしっかり塗られています。
蔵前橋下流(蔵前側)の堤防には、なまこ壁の装飾があります。
外国人観光客はよろこびそうなので続けるべきと思うも、汚れが目立つ白壁を維持するのはちと大変かも(以前は無装飾のコンクリート壁としたらすごい出費……)。
でも、落書きを目にしない「よろこばしい」取り組みを、事例紹介として広められればと思いつつ……
隅田川テラスギャラリー(Map)
JR総武線鉄橋付近(両国側)には、堤防壁面に大きな絵が展示できる「隅田川テラスギャラリー」があります(結構距離は長い)。
この日は、隅田川花火の浮世絵(錦絵)が飾られますが、美術館のように架け替え可能な設備なので、季節ごとに絵を入れ替えるとのこと。
ホームレスから解放された首都高速下は、庶民が楽しめる本来の姿を取り戻しました。
上は中学生の卒業制作で、ギャラリーの意図に最も近いと感じた作品。
柳橋(Map)
隅田川に合流する神田川最後の橋で、神田川沿いには柳が植えられます。
名称から想起する「柳橋芸者」は、江戸末期に誕生した花街(かがい)を拠点とし、昭和初期には新橋演舞場や明治座にも出演する、芸が売りで格が高いとされた芸者衆。
柳はどこの花街でも看板で「花柳界:芸妓、芸者の社会(娼婦は含まない)」の由来と思っていたが、中国に由来する「柳港花街:遊女のいる場所」をなぞったものらしい。
柳の仲間は300種以上あり、主に北半球に分布すると知り、西洋にも女性につながる表現があるのでは? とも。
浅草橋(Map)
歴史は浅くも「文化を伝えたい」心意気には、京都に負けない気概を感じました。
東京圏育ちが京都文化にふれると「歴史の重み:日本文化のルーツ」を感じますが、京都育ちは江戸文化の「お気楽さ:庶民の文化」に驚くのではないか?
江戸期遺産の多くは焼失したため、比較的新しい遺産しか現存しないが、変化し続ける大都会で「文化を守る覚悟」の重さに触れられた気がします……
近ごろ浅草周辺に幾度も足を運び、町に慣れたと感じるのはうれしいところです。
浅草橋は柳橋のひとつ上流側に架かる神田川の橋(カメラの立ち位置)。
追記──「自分に勝てた」と言い切る錦織圭選手の気迫!
男子テニスツアー「ジャパン・オープン」で、2週連続の優勝を果たしましたが、体はかなり悲鳴を上げているのでは?
少し休んだ方が… とも言いたいが、11月のツアー最終戦「ワールドツアー・ファイナル:ランキング上位8名が出場」という大きな目標への正念場とのこと。
われわれ凡人は、レベルの低い目標達成に満足していますが、トッププロ選手が目標に挑み「自分に勝てた」と言える瞬間には、どんな景色が広がるのだろう?
世界は遠い存在だった男子テニスで、こんなに熱くさせてくれる彼の「ファイナル出場」を応援します!
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