2014/09/29

祭りばやしが聞こえる──本所

2014.9.13【東京都】──「隅田川を歩く_27」

 以前本所区とされた付近は、関東大震災(1923年:大正12年)の被害から工場地として復興しますが、戦時下では軍需工場とされ東京大空襲により灰燼と化します。
 誕生以来何度となく火に飲まれた町のため区画整理が進み、区割りは細かいが歩きやすい(だから面白味がない?)町並みになりました。


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アサヒビールタワー(Map)


 奥の金色のビルはアサヒビール本部、手前のオブジェを乗せた建物はスーパードライホールでビアホールやレストランが入ります。
 もっぱら隅田川・浅草方面を意識した作りにスカイツリーが加わり、浅草側ではこれまで以上の人気撮影スポットとなりますが、看板と同じで立地場所から見上げると異様だったりします…… 


牛島神社例祭(Map)


 牛島神社の氏子町会は、北の曳舟(ひきふね)から南は両国に至るため、本所辺りでは祭りばやしが四方から聞こえてきます。
 例祭前日は各町会ごとの「子ども神輿」が練り歩き、区割りを知らない訪問者は別方向からの囃子に、違う町会に足を踏み入れたと気付かされます。
 狭い路地奥に見え隠れするお囃子の、かくれんぼのような絵を撮り逃してしまった……あれは是非撮らねば!

 下は子ども囃子の太鼓を乗せた台車で、大人が両脇を引き、奏者は歩きながら叩きます。
 本祭の流れを子ども神輿で馴染ませるらしく、将来の担い手取り込みにぬかりはありません。

 東京スカイツリーの地鎮祭は牛島神社によるためか、ポスターの背景にツリーが描かれます。


 本祭から身を引いた(引退勧告された?)ご隠居たちが、子ども神輿をサポートします。引退後も祭りには血が騒ぐらしく、その姿は発散するかのようです。
 口だけは元気なじいさんは、やかましくも面倒見がよかったりするので、そんなコミュニケーションが子供たちに地元への思いを根付かせます。
 いまどきの親は依頼されるのか、金魚のフンのようについて回るが、昔は一人で参加し知らないじいさんに説教され、「外の社会」を実感した記憶があります。

 子ども神輿にも接待所があり、右はヤクルトに群れる様子で、見事なスカウティング! と。
 エサで手なずけるのは近道ながら、「あのエサが好きだった!」ヤツは必ずいますから、まき続けねば…… いえいえ、現物での慰労接待は大切です!

 王貞治さんは本所出身で、本所中学校に「気力」と刻まれた碑があります(ガキ相手でも手を抜かない)。
 ガキ時分と違い、王さんの姿が浮かび背筋が伸びますし、「喝」を入れられた思いがしました。


 人の群れる船上から焼き物をしてるような煙が流れます。船上バーベキュー? らしいが、船の小ささから「ここは台湾 or 香港?」と思ったり。
 浅草だから目にできる光景に違いなく、本来のテーマである隅田川に戻ってきたと感じさせてくれます。


追記──NHK連続テレビ小説『花子とアン』終了

 少女漫画のような極端な設定や展開が楽しめる物語でした。
 貧しい農家育ちの娘が、伯爵令嬢と「腹心の友:親友」になる設定は笑ってしまうも、オヤジにもファンタジーとして受け止められます。
 女性の原作者・脚本家の理想像? とも思えるチャーミングなオヤジたち(主人公の祖父:石橋蓮司、父:伊原剛志、旦那の父:中原丈雄、石炭王:吉田鋼太郎)や、長身でイケメン男を添え物にしたい!(旦那:鈴木亮平、令嬢の旦那:中島歩)願望のストレートさも理解できました。

 吉高由里子の楽しげに演じる姿には安定感もあり文句のつけようも無いが、終了してもなお「何で彼女が選ばれたのだろう?」の疑問は消えません。
 一方、仲間由紀恵という女優は、演ずる人物像を見る者に染み込ませる力を持ち合わせており、30代なかばで大成した印象を受けた。
 そしてそして、顔は見せないが「このドラマの顔」である、ナレーターの美輪明宏さんこそが本作成功の最大の功労者でしょう!
 「ごきげんよう、さようなら……」(この手の言葉が流行語でもいいと思う)


追記──現在暮らす住宅が「除却(じょきゃく):取りのぞくこと」に……

 現在暮らすUR都市機構「田町駅前市街地住宅:1966年(昭和41年)建設」は、「耐震基準改正:1981年(昭和56年)」への対応が課題でしたが、大震災を契機に動き出した耐震診断の結果と今後の方針についての住民説明がありました。
 室内に鉄骨を配する工事が必要で一時退居や、居住面積が狭くなる利便性の悪化、高額な費用見積等より、「耐震改修を断念し、除却する方針」とされました。
 今回の説明会は「危険な建物から早く退居したい」人への案内で、未定だが最終退居までは2年半程度のスケジュール感らしい。(テナントの「りそな銀行」は10月に移転)
 説明会で立ち退き料の金額が示され、大金ながらも質疑応答でポンポン出てくるその金額に、NHKのコント番組『LIFE』のナンチャンのコント「はい、100万円!」を想起し、「大金」として実感できる金額であることを納得しました。
 入居時に7年は継続予定と聞いたが、12月で3年なので最短でも5年半であればしかたないと思うも、必要と思わない引っ越しはやっかいです……


追記──御嶽山は活火山です。

 信仰対象の山なので登山者が多いことも分かりますが、「御嶽山は活火山」であることを軽視していないか? 富士山も安心できる山ではありません(覚悟を持って登るからありがたさがあった)。
 今回の警鐘を受けても「多分、大丈夫だよ」と、繰り返される「自然を軽視する風潮」が、広島の土砂災害を生み出した元凶と思いますが、すべての危険個所に近寄るなとしたら、海岸や山すそには住めませんし、多くの道が通行止めとなってしまいます……

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