2015/02/09

土地が歴史を生む──高井戸〜下高井戸

2015.1.24【東京都】──「神田川を歩く_5」




高井戸


 奥は高井戸のランドマークとされる杉並清掃工場の煙突ですが、環状八号線の反対側に偽装農地の代名詞とされる「栗畑」(手の掛からない農地で、売り時を探れる)が広がるとは知りませんでした。
 旬の季節には、敷地内にある「くりのないとう」店頭に行列ができるとのことで、失礼なことを……(リンク先の栗は立派でおいしそう)
 周囲には、土地の切り売りで建てたと思われる住宅街やマンション、温浴施設+フィットネス+スイミングスクール、高井戸小学校(寄付ではないにせよ)等々が隣接しており、所有地はどこまで広がっていたのか? というサイズ感です。


 上は、井の頭(いのかしら)線の車窓から見える「東京ゴルフ専門学校」で、のぞいてみればガキが遊ぶような声が聞こえます。
 なるほど! ガキ時分から英才教育で、将来の石川遼、松山秀樹を目指す夢はチャレンジの価値ありそうですし、子どもに期待しちゃう親の気持ちも理解できます。
 隣接のゴルフ練習所が親会社で、代表者は内藤性ですから、一族の所有地はまだまだ続きそうです……(清掃工場の敷地も含まれたのでしょう)


 神田川は高井戸付近から蛇行を始めるため、川岸に狭いながらも平坦地が生まれます。
 以前は、水田に利用されたであろう川岸の土地は、現在グラウンドやテニスコートとして整備されます。
 近ごろの錦織フィーバーにより、これまで何度かあったテニスブームで踊った人々が、テニスコートに戻ったとの話しをよく耳にします。
 テニスに縁のないわたしも、ライバル選手の名前覚えるのですから、すごい事です……(記憶にあるのは、ボルグ、マッケンロー程度)


浜田山

 高台にある雑木林が気になり足を運ぶと、「三井の森」の看板があります。
 以前付近にあった、三井上高井戸運動場を宅地開発した「パークシティ浜田山」の残骸のようです。
 宅地は、残された森、右のケヤキ並木と下の柏の宮公園に囲まれた立地で、緑に囲まれた環境は演出だけでなく、静かで暮らしやすそうに見えます。

 浜田山の地名は、旧内藤新宿(江戸時代新宿三丁目付近にあった甲州街道の宿場で、元は信濃国高遠藩 内藤家所有地のため名が残る)の商人、浜田屋の所有地によると知り、上の栗畑はその内藤家とつながるのか? とも……



塚山公園

 右は、縄文時代の竪穴式住居のレプリカ(モルタル製)ですが、立ち止まるきっかけとなった Good Job!
 以前石神井川沿いで奈良時代の遺跡を見かけましたが、神田川沿いには縄文時代の遺跡が多いらしく、三鷹市には「縄文の川 神田川」という展示施設があります。
 公園脇には旧鎌倉街道も通っており、並べると、縄文・奈良・鎌倉・江戸から現代まで、狩猟(江戸まで)や植林栽培(木の実など)に適した地域だったようです。
 点や線でなく面の視点を目指す中で、「歴史は土地に育まれる」痕跡に触れられた気がしました。


下高井戸(杉並区)

 神田川沿いにある下高井戸八幡神社(上)に接し、下高井戸は杉並区の地名であることを思い出します。
 通った大学最寄りの京王線下高井戸駅(世田谷区松原)、大学(世田谷区桜上水)や、借りたアパート(世田谷区赤堤)等の印象から、勝手に「下高井戸=世田谷区」の認識がありました。
 甲州街道(区界)を越えた杉並区下高井戸を歩いてみると、勝手な思い込みの無礼からか、居心地の悪さを感じたりしますが、青かった学生時代の思い出は「下高井戸=世田谷区」としてこれからも残り続けます……


追記──地域限定の報告

●下高井戸(世田谷区)通信
 DEN、東秀は消滅。マクドナルドはバーガーキングに。
 下高井戸シネマは健在。松沢小学校は明るくモダンになりました。

●桜上水通信
 桜上水団地(←懐かしい!)は「桜上水ガーデンズ」へと生まれ変わるため、旧グラウンド沿いの道まで閉鎖して高層住宅を建設中(便利な場所なので人気ありそう)。
 桜上水駅の改札は地下から橋上駅舎(2008年)となりました。
 進京亭(ラーメン屋:太いブリブリの自家製卵入り麺)は健在ですが、臨時休業でありつけず…… 再挑戦します!

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