2016/08/08

ふたをしたい分別盛り──下高井戸

2016.7.16【東京都】──「目黒川を歩く_5」 北沢川_2(松原赤堤支流)

 今回は京王線 明大前〜下高井戸駅間を水源とし、小田急線 豪徳寺駅付近で北沢川に合流する松原赤堤支流を歩きます。元の流れは少ないため灌漑用に玉川上水から分流したらしく、世田谷線沿いの流れは、親水施設として整備されました。




日本大学文理学部(出身大学)


 市街地同様キャンパスでも戦後期建築物の建て替えをよく目にするが、ここにもタワークレーンが並ぶため、よりどころがあるうちに確認しておこうと門をくぐります。
 在学時から半分程度建て替えられた状況ながら「道半ば」の意思が感じられるので、近いうちに以前の面影は消えてしまいそうです。中庭をつぶして教室数は確保できたため、上の1号館だけはシンボル(昭和12年:1937年建設)として保存するようです。
 訪問日はオープンキャンパスが開催され、多くの子どもたちが走り回っていましたが、マンモス学校にとって次世代へのアピールは、必修課目に違いありません。
 リオ五輪陸上代表ケンブリッジ飛鳥(卒業生)の垂れ幕を目にし、応援しなきゃと……


下高井戸駅

 昭和の香りが残る下高井戸駅前市場では、「刺身上がったよ!」と威勢のいい魚屋は元気でも、数件あった八百屋は閉店しました。ライバルとの競争ではなく、近々始まる京王線連続立体交差化工事の立ち退きか?
 京王が目指す「カーブ状ホームの解消」には、駅を左側に移設し駅前市場付近を通す必要があります。町は時代と共に移り変わる宿命を持ちますが、今度の駅前は便利になりますことを(現状は不便でも、いい雰囲気でした)。
 駅前市場付近のシャッターには「昭和の青春」がしみ込んでいる(ドラマは夜に生まれるのです)、と感じる人は多いのではないか……


松原赤堤支流の水源付近

 右は、京王線 下高井戸駅から明大前駅を見た絵で、途中の谷地は記憶にありますが、そこにあった水路に関心を抱くまで、数十年かかりました。
 江戸期以前は細いの流れで十分でも、人口増+耕地拡大により、玉川上水の水を引く必要に迫られたようです。
 川というのは、下流に向かうにつれ主流に集まる人間の静脈のような存在ですが、上水は、下流に向かい枝分かれする毛細血管のように、細やかに水を行き渡らせる目的を持つ動脈のような存在です。
 付近ではこの支流のように、耕地との高度差が小さい(浸食力の弱い)流路が灌漑用水として活用されました。

 右は支流沿いにある震災時井戸水提供の家(世田谷区内に2000箇所以上あるそう)。
 場所によっては水流が細くなったり、熊本地震後のように地下水脈が影響を受け、使えなくなる可能性もあるため、平時からそんな事態も想定した備えが必要です。
 人は水に恵まれた地域に集まり(付近の公園が水源だったらしい)、最初は共同で井戸を掘り地域で利用し、後に各家庭用の井戸が掘られたのでしょう。掘っても出ない場所への融通は可能でも、需要の増加から枯渇する地域もあったのではないか?
 水道に頼り切りのわれわれは、緊急時の水問題に対処する術を持たないので、確実に水難民になりそうです……


赤堤(世田谷線 松原駅付近)

 付近で暮らした学生時分、世田谷線沿いの用水路は開きょのどぶ川でしたが、現在はふたがされ歩きやすい親水施設に整備されました。
 大学周辺からよみがえる当時の記憶は、周囲に迷惑をかけた恥ずかしいものばかりで、年齢と共にネガティブな記憶を思い出すことが増え、そこだけふたをしたいと思ったりします(分別がつく年ごろの中年を「分別盛り」と表現するそうです…)。
 当時の生意気な言動を見逃してもらった経験から、若い世代に対し寛容に接するつもりも、世代間ギャップのためか時折イラッとすることがあります。その免疫は子育てから身に付くようで、経験の足りなさと……



 外からは丘陵地のように見える巨木に囲まれた一画は、地元で「六所の森」と自慢げに呼ぶ立派な森です。赤堤地区の鎮守(六所宮とされる府中「大國魂神社」を勧請したもの)で、手水舎(ちょうずや)の亀(カメの甲羅は六角形つながり)は、センサー稼働で驚かされます。
 世田谷城が築かれた時分(1400年前後 室町時代)、付近に「赤堤砦」が設けられ、江戸時代には幕府の天領とされます。江戸期の天領といえば鷹場ですから、玉川上水の水を引いたのは獲物を育てるためか?
 以前世田谷線には六所神社前駅があり、その後移設され現松原駅になったそう。


世田谷線 山下駅


 小田急線 豪徳寺、世田谷線 山下と異なる駅名が隣接するも、山下の山は豪徳寺のことで、両線が立体交差するように、異なる表現で地域のシンボルをアピールしています。
 世田谷線は10編成(各2両編成)で運行され、各編成で異なる車体カラーは、以前のカラフルなiMacのような「多様化時代」の対応を目指すのでしょう。好みが分かれることを前提に、井の頭線のように車体カラーに関心を向けさせた狙いは成功では?


追記──甲子園のグラウンドから女子マネージャーをつまみ出す規則

 監督のゲリラ的な計画は排除覚悟のように見えたが、窮屈と感じる野球競技(全般)の取り決めへの、見事な一石となったのでは?
 高野連が説明する「安全面の配慮」とは、各校のグラウンドでの事故は学校の責任だが、甲子園での事故は自分たちに責任が及ぶので困る、と理解していいでしょう。
学生野球の基本原理
 学生野球は、教育の一環であり、平和で民主的な人類社会の形成者として必要な資質を備えた人間の育成を目的とする。

 とあるが、その後の細則でどんどん理念が狭められていきます。押しつけではなく、疑問を抱く関係者(元球児など)の意見に、耳を傾けるべきと感じた事例です。


追記──ドーピングを排除できないリオ・オリンピック開幕

 近ごろの競技会にドーピング問題は付きもので、バレない不正を目指す側と、検査精度向上により不正をあばく側の、いたちごっこの人体実験場の印象があります。
 不正排除を目指す(?)国際オリンピック委員会(IOC)に影響力を持つ裏の力(金?)が存在することは、ロシア選手のオリンピック出場を可能とするも、パラリンピックを見放す「意思」から見て取れます。
 イベントの看板が腐ってしまったイメージがあるが、「スポーツマンシップを取り戻す東京オリンピックに!」しなければなりません。

 現在携わる乗馬関連の配信動画に出演いただく福島大輔 氏が、障害馬術(ジャンプ)代表に選ばれ応援せねばと思っていますが、期待感や人気の無いことからBSでも放映されないようです(LIVE配信で応援します)。

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