2019/04/15

春は隅田川

2019.4.6【東京都】

 もちろん花見がメインですが、花見客の浮かれる様子も楽しいので、昨年の上野に続き今年は浅草の雑踏に挑みます。


隅田川 墨田区側

 新入社員研修の集団か、墨田区役所前でスーツ姿の若い女性たちが「こんな時に来られて!」と舞い上がっています。浮かれる気持ちはみな同じですから、はしゃぐ様子を目を細めて眺めています。
 下の水上バスは外国人観光客も多いため、混雑で乗降に時間がかかるらしく、接岸待ちの船が並んで待っている状況です。この日のフワフワと浮ついた空気感が外国人観光客にも伝わる様子は、ゆるんだ表情から見て取れます。写真では伝わらない「春の迫力」を体感してもらえただろうか?

 右は墨田区役所近くの枕橋の街灯と京成線の橋脚で、以前付近に隅田公園駅があったそう。


 枕橋が架かる北十間川の北側は向島で、見番通りにある向嶋墨堤組合(旧見番で、料理屋・芸者屋・待合の三業組合事務所)が、墨堤桜まつりに出店する芸妓(げいぎ)茶屋(リンク先YouTube)では、所属の芸妓さんが給仕をしてくれます。
 こんな笑顔で見つめられ、座敷の合間に同伴で夜桜散策してくれたら、ジジイも老骨に鞭打って頑張っちゃいます。夕刻の墨堤(隅田川の土手)に芸妓さんを見かけたら、狐にだまされてもいいと桜橋を渡ってしまいそう……
 現在も登録の芸妓衆は120人以上いるらしいが、芸者・半玉(はんぎょく:見習い)・かもめ(アルバイト)を募集していますから、繁盛しているようです。


隅田川 台東区側

 浅草は東京随一の観光地ですから台東区側の人出は多く、外国人や若者の集団など客層も広いため、墨田区側が芸妓さんのおもてなしや、東京スカイツリーでいくらアピールしても勝てそうにありません(スカイツリー人気も陰り始めたとか)。
 浅草寺周辺には年中お祭りのような華やかさがあり、そのざわざわ感は人を引き付けますし、花見の喧騒も取り込んでしまうバイタリティーは敵なしのように(外国人観光客は川より寺のようです)。
 にぎわいを墨田区側から川越しに眺めるのは一興でも、背景にスカイツリーが見える浅草側が人気なのも当然で、墨田区はどうあがいても引き立て役らしい。

 近頃では、浴衣を着る外国人観光客が多いようで、和装で人力車に乗る様子を目にすると、わたしも一度は経験しておきたいと。いまどきの浅草では車夫も当然英語を話しますし、おしゃべりな英会話は喜ばれると思うも、右のおばちゃんはうんざりしているように(通じてない?)。
 浅草寺境内では、アジア系の方が好む鮮やかな色や、大きな柄の浴衣が目につきますが、われわれには子供が着る柄のように見えてしまいます。ですがその手の柄は人気があるらしく、レンタル店でも品揃えが豊富なようです。

 「花:瀧廉太郎」に歌われた「春のうららの 隅田川」の景色は変わっても、われわれには春のにぎわいを川に求める習性があるようで、隅田川に引き寄せられます……


4.7 西葛西


 見る者にとっての球春は選抜高校野球ですが、多くの高校球児にとっては春季大会になります。近所の江戸川区球場(愛称はエドキュー)で春季東京都高等学校野球大会が行われており、日曜ということもあり応援でスタンドは満席(関東一高 6-0 日大鶴ヶ丘)。選抜大会が終わるのを待っていた球児や関係者にとっての球春は、いまです。

 右は新左近川親水公園の斜面を滑り降りる子供たち。傾斜は急なのに、飽きることなく駆け上っていきます。

 花が散った途端に真冬の寒さが戻り震えましたが、間隙をぬって咲ききった花の生き様は見事と……


追記──ブラックホール撮影に成功

 光を発しない(抜け出せない)存在なのでそれ自体の撮影はできないが、周囲のガスを可視化してブラックホールシャドウを浮かび上がらせました。世界各地の望遠鏡で同時観測するプロジェクトはずいぶん前に耳にしましたが(2006年初観測らしい)、世界中の研究者が協力して成し遂げたことは素晴らしい第一歩と。
 「事象の地平面:観測者に光が届かない領域」の先にあるブラックホール内部の観測は無理でも、強力な重力源から噴出されるジェットの観測から手がかりが得られるかも知れません。人間の探究心はいつも不可能の先に向けられてきたので、期待してしまいます。

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