2020/03/16

下町が保持する機能──町屋

2020.2.29【東京都】

 特に何があるわけでもない町を歩きたくなるのは、味わいたい空気感に引かれるためらしく、好感度ではなく「遠い記憶』を追う感覚かもしれません……


 右の日暮里舎人(とねり)ライナー(日暮里駅〜見沼代親水公園駅)は、運転席のない新交通システムなので、スキあらば先頭座席に! が実現した絵です。いくつになってもと思うが、やはり楽しい!
 案内軌条(中央の白い設備)沿いをゴムタイヤで走行するため勾配に強く(抵抗が大きいためエネルギー消費も多い)、急な加減速が可能な様子はモノレールに近いか。
 ラッシュ時の混雑は田園都市線以上でも赤字が減らないのは、車両を増やしても利用者増加により、再増備が必要になるためだそう。見積りが甘くなったのは、利用者数が右肩上がりの路線が少なくなったせいとも……

 右は、隅田川のカミソリ堤防とされる薄っぺらい旧堤防の遺構で、現在も多くの場所に設置されています。付近はスーパー堤防化のモデル地区らしく、隅田川とは思えないなだらかな堤防が、落ち着ける憩いの場になりました。
 以前の周辺は人気のない場所のため、農耕・荷役馬の馬捨場とされたそうで、供養の馬頭観音が祀られます。

 隅田川に架かる尾久橋近くに、米軍による最初の本土空襲地の案内板があります。1941年12月の開戦から5ヶ月後の42年4月に空襲を受けますが、言論統制により口外を禁じられたそうで、口を封じれば広まらない時代でした……


 上は、尾久(おぐ)の原公園JR尾久駅はおくの読み)の枝垂れ桜で、もうじき花の季節になりますが、今年は桜の下で輪になって花見はできるのだろうか? 宴会の自粛要請は「上野公園のような騒ぎ(濃厚接触)はやめて!」の意味と理解しますが……
 一帯は、以前のADEKA(旧 旭電化工業)工場跡地の再開発により、当公園、首都大学東京荒川キャンパス東尾久運動場東尾久浄化センター(下水処理施設)とされますが、工場の町だった名残が旭電化通りの名称に残されます。


 上は、灯油等の小売りをする店の看板で、ガキ時分に目にした際は「関係ない」とスルーしていましたが、改めて目にするとスゴイ看板です。現在も営業継続しているのは、車の通れない狭い路地に暮らすお年寄りなど、小口ながらも必要とする方が多いためではないかと。
 新しい町では「危険物」と排除されそうですが、以前は必要性から当たり前と考えられていました。


 町屋(荒川区)は、京成線、地下鉄千代田線、都電荒川線の駅がある便利な場所ですから、再開発による右写真奥のシンボル的な高層マンション(2棟)建設は、地域行政としてマストな事業だったようです。
 駅周辺には火災延焼の危険性が高い地域が多いため、再開発計画はあるようですが、時間がかかりそうと。
 迷いながら歩くのが楽しい付近は、巨人の星の舞台とされたそうです(ついでに広島 鈴木誠也 選手の出身地)。

 上は、日本で唯一のぬりえ美術館で、蔦谷喜一の「きいちのぬりえ」がメインの展示らしいが、関心は「懐かしい絵柄」どまりです……


追記──有事に馬脚を露わした拝金体質

 どの国も、新型コロナウイルス(武漢ウイルスの方がわかりやすい)のような感染症対策を想定していないため、対応に浮き足立ってしまい、ボロボロほころびが出ています。
 WHO(世界保健機関)は、基本的人権「人間の健康」を目的とした国連の専門機関ながら、国連分担金第2位の中国への配慮が疑問視され、日本からの寄付を受け取った途端に賛辞を表明するなど、一般人には理解できない態度を恥じる様子もありません。健康ではなく権威を守るための機関としたら、事態収拾後には当然見直しを迫られることと。
 わが国では、イベント自粛のトドメとなる高校野球の中止により、全世代に危機感が伝わったと思うので、もうしばらく辛抱すれば緩やかに乗り切れるだろうと、希望的な私見を……

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