2020/08/24

国民が求める情報──立花(平井)

2020.8.10【東京都】

 この日は、東武亀戸線 東あずま駅から旧中川方面を歩きます。暑さは覚悟していましたが、木陰のベンチを目にするたびに避難を繰り返します……



 東あずまとは吾嬬神社(あづまじんじゃ)に由来するもので、日本武尊(ヤマトタケル)の神話にある、房総へ海を渡る際の暴風雨で、海を鎮めるために海中に没した弟橘姫(おとたちばなひめ)の遺品が流れ着いた場所とされます(吾嬬=わが妻の意)。浅草の吾妻橋も、神社に通じる道に由来する説があるそうで(漢字表記からも理解できます)、船橋の海神にも伝説が伝わります。

 上は旧小山家住宅(大正6年:1917年)の奥座敷にある欄間飾りで、以前は中川に面していましたが、ちょうど荒川放水路開削工事(13年〜30年)の時分なので、風情を残そうとしたようにも……


 上のすみだスポーツ健康センターは、隣接する墨田清掃工場の余熱を利用する室内温水プールですが、流水プールやウォータースライダーがあり、ガラス越しにはスカイツリーが見えるそう。のぞいてみたかったが、時節柄の入館チェックがあるため、野次馬は遠慮することに。チェックは当然玄関の外で行うため、日陰とはいえ受付の方は猛暑の玄関前で待機しており、思わずあいさつを……

 旧中川の水位は荒川より1m低く管理され(下流に荒川ロックゲートがある)、流れのない水路はボート競技の練習に利用されます。ゆりのき橋下に艇庫があり、暑い中も漕ぎ出しているようです(船底は鏡のよう)。

 池のような水路のため野鳥もまったりするのか、釣り人から餌をもらうサギの姿(右は飛んでくる姿)に、「お互いどうなのよ?」とも(近寄っても逃げないと思っていた)。

 下は、木下川排水樋門(きねがわはいすいひもん)の日陰から撮影。樋門は水路が埋設された水門(船の通行不可)で、旧中川に流れ込む水を荒川に排水する施設。「暑さに負けるか!」と気合の入るライダーが多いのは、マスク生活のストレス発散かも(思い切りハァハァしたい気持ちわかります)。
 右の旧中川も下の荒川も河川敷に日陰はありませんから、熱中症にはお気をつけください……


国民が欲している情報

 日本感染症学会で、国民が知りたい見解が発表されました。
「大都市で数万人が死亡し、医療が崩壊するといった最悪のシナリオが起きる可能性は低まってきた」
「接待を伴う飲食店を中心としたリスクは、さらに低減させる必要がある」
「クラスターの発生が続く中、どんなに注意しても現状では完全な感染予防は不可能で、不安は生じるが、心の持ちようや対処方法を考え、冷静に対応することが重要」
「新型コロナの実態は、この半年でかなり分かってきた。クラスターが見つかることは不安ではなく、制御できる機会の発見で安心につながると考えてほしい」
「全ての場でリスクゼロを求めると、社会や経済の活動を著しく制限せざるを得なくなる。新型コロナを正しく評価し、どこまでリスクを許容するかについて社会のコンセンサス(同意)を得ていくことが必要だ」

 専門家の真意をストレートに伝えれば、国民も誤解なく受け止められますが、ほとんどが黒塗りとされた専門家会議の発言録のように、操作された情報を根拠とする施策に従えでは、あまりにも乱暴すぎます。
 そんな経緯を受け、学会で発表したことは学者としての矜持であり、国民にとって有益であると感謝したい……

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