2020/11/09

昭和感が漂う──田原町

2020.10.18【東京都】

 前回の続きを、稲荷町から浅草へ向かいます(地下鉄 銀座線の稲荷町〜田原町〜浅草)。
 周辺は東本願寺を中心とした寺町で、浅草通り北側に寺が集まり、南側に神仏具店が並ぶのは、仏壇が日やけしないよう南を背にするためらしいが、向かいのビルに反射した日が差し込むようになったそう……



 背の高いマンションに建て替えられた旧同潤会アパートの向かいに、二軒長屋(?)がポツンと残されています(周囲は更地)。前回の「下谷育ちオヤジ情報」から、五代目 志ん生(池波志乃の祖父)が暮らした家ではないかと。取り壊しの話を知った近隣住民は「志ん生の家は残すべき!」と即決し、すぐ「金の都合はどうする?」と、動き出したのではないか?
 「そんなの当たりめぇじゃねぇか!」だとしたら、下町らしさに惚れちゃいます……

 そのマンションの裏には銭湯が健在で(下)、「こんなところに銭湯あるの?」という仲間を連れてきた若者が、「ほらほら、いい香りがしてきたろ!」(下町っ子らしく声が大きい)の表現に、「わかる!」とうなずきましたが、わかる人も減ってるんでしょうね。
 同潤会アパートがあった時分は、昭和が薫る一角でした。


 かっぱ橋道具街は観光地ではないため、日曜休みの店が多く(土曜は営業らしい)人通りも閑散としています(当然外国人観光客は不在)。
 右の食品サンプルは、工芸品のような繊細さに目を引かれますが、これは「売り物」なのでカバーがかけられています(うまく撮れませんでした)。
 日常を考えてみれば、写真の方がイメージしやすく食欲が喚起されるので、店頭を明るく見せるための装飾、という気もします。ですが、ホコリだらけのサンプルには、別の意味で関心が高まる、不思議な心理(探究心・冒険心?)も働きます。冷やかし半分なので、覚悟の上でチャレンジしたりも……
 田原町から浅草へと続く繁華街の、国際通り・雷門通り沿いには、昔からの店舗で営業する「花家:焼そば、甘味喫茶」、小型の神輿が飾られる「岡田屋布施:太鼓、神輿」、もくもく煙る「八ッ目鰻本舗:漢方薬とされ、蒲焼はあるがご飯はない、薬味酒はあるがビールはない」が健在です(ヤツメウナギは鰻とは別種)。眺めながら歩くだけでも楽しめます。

 右は、会席料理 「茶寮 一松」“はなれ”(手土産・生菓子販売店)で、オープンしたばかりらしいが、ひっきりなしに客が出入りする人気店。
 寺町周辺の繁華街は、世代・性別を問わない店の多いことが強みではないかと。

 9月まで閑散としていた雷門前には観光客が戻り、通りに人力車が並ぶようになりました。
 普段の雰囲気に戻りつつあり、人混みでは全員マスクをしていますが、完全にオフ・モードなのでそそくさと地下鉄へ向かいますが、休日の車内はゆるゆるです……
 上は、駐車禁止標識の「人力車を除く」を撮りたかったもの。


ススキノを守る戦い

 北海道知事の「ススキノを守る戦い」発言を、NHK ドキュメント72時間「札幌・サンドイッチ店 24時間営業は続く」を見て、理解できた気がしました。ススキノに近い店を利用する人の多くは歓楽街に関わりがあり、地場産業(?)とも言える広い裾野を持つ町のロックダウンは、札幌に限らず北海道全体に影響が及ぶ恐れのあることが、伝わってきました。
 自分や家族を守る行動が社会を守ることにつながると、再認識すべき時ではないかと……


大人のアメリカに戻ってもらわなければ 

 「失われた4年間」の出口には、反対票を投じた半数近い国民に加え、多大な被害を及ぼし続ける疫病が待ち受けています。かなり困難な道のりですが、ここで立て直してもらわなければ、世界の混迷が深まってしまいます。
 まずは「子供の時間」に終止符を!

0 件のコメント: