2020/11/30

心奪われる職人技──両国

2020.11.14【東京都】

 国技館の裏にまた高層ビルがそびえています(2020年8月開業のアパホテル。勢いがすごい)。大きく変わらなくていいと思うも、総武沿線の町も生きていると……(失礼な!)



 両国駅の普段使用されない3番線ホームへの通路(上)は、ステーションギャラリーとされ、様々な鉄道写真が展示されます(初めて入った)。ホームは、20年1月おでんで熱燗ステーション等のイベント会場とされますが、ホームで飲んだ帰りの電車では寝台車気分にならぬよう……

 両国国技館では大相撲 11月場所が開催中で、観客数は制限されてもワサワサしています。取り組みには見所があっても盛り上がれないのは、人気力士不在や、日本人力士が伸び悩むせいとも。横綱を含め休場者が多いのは、格闘技では仕方ない面もあるが、筋力の向上に関節等が悲鳴をあげるためとも(野球の大谷選手と同様)……
 上・下写真は、なかなか足を運べなかった、16年開館のすみだ北斎美術館
 これまでも北斎の版画とは何度も対面していますが、光の当て方や展示方法の違いか、細やかな線が限りなく並ぶ様子を目にし、これぞ日本の職人技(スゴイ仕事)! と心奪われました。
 北斎漫画(漫画:事物をとりとめもなく気の向くまま漫(そぞ)ろに描いた画)の複製本が展示され、巻末に版元の新刊予告が掲載される体裁は、江戸時代からあったのかと。
 建物は賞をもらったそうで、奇抜な外観に関心を引かれるも、敷地面積が広くないのにデコボコする館内は、わかりづらく狭い印象を受けます。


 美術館前の北斎通り沿いには、下町っ子のセンスが見て取れる、シャレた店舗が多く見られます。
 右の温浴施設両国湯屋 江戸遊の外観はのれんのイメージで、浴場の壁には北斎の赤富士(凱風快晴:がいふうかいせい)が描かれるらしく、そんな富士山を眺めながら入ってみたいと。

 近くのMERIKOTIに並ぶカラフルな商品に、ソックスの店かと思ったら、わらじの形状をした「布ぞうり」を扱う店舗で、スリッパのような室内ばきだそう(手作りワークショップも開催している)。両国という場所柄に似合う商品ですし、慣れたらハマりそうな気がします。


 上は、両国訪問時は寄らねばならない東京都慰霊堂(関東大震災、東京大空襲の身元不明の遺骨を納める)の、入口の上に飾られるオブジェ(魂ここにあり、の表現では?)。
 江戸時代には、御竹蔵(おたけぐら:「置いてけぼり」の言葉が生まれた地らしい)とされる貯木場があり、明治期に陸軍被服廠とされ、震災・空襲後に慰霊堂、昭和期に両国国技館、平成期に江戸東京博物館 等が整備されます。

 隣接地の旧安田庭園(大名屋敷〜安田財閥創始者本邸)にあった両国公会堂は、震災復興で建造され空襲をまぬがれますが、老朽化から民間の管理・運営事業者を募るも、見つからないため取り壊され、刀剣博物館(右)とされました。味のある建物だったのですが……


NHK連続テレビ小説『エール』終了

 古関裕而の楽曲をテーマに据え、目まぐるしく変化した激動の昭和期を、「歌は世につれ、世は歌につれ」とつづろうとする狙いは、成功したのではないか。
 「福島三羽ガラス」作曲家(窪田正孝)、作詞家(中村 蒼:熱男!)、歌手(山崎育三郎)たちの、熱き友情を描く物語は朝ドラにはなかったかと(『俺たちの旅』を想起した)。本作で、もっともいい役をもらったのが森山直太朗で、三羽ガラスの恩師(音楽教師役)として、演技・歌唱とも強く印象に残った。一方、残念だったのが志村けんさんで、才能をねたみイビリ続ける師が、ラストで賞賛する難しそうな表現を見てみたかったと……
 美声ぞろいの出演者たち(舞台俳優を多く起用)の歌声に酔いしれたが、気合の入っていた柴咲コウのオペラ、思いが込められた薬師丸ひろ子の賛美歌には、心揺さぶられた。

 世代的に離れていても、古関裕而の楽曲に身近な印象を抱くのは、「スポーツ=野球」の時代に育った野球少年だからかと。戦前・戦中の意識は想像もできないが、戦後の社会に満ちていた「希望」は記憶の片隅にあるので、現在の閉塞感からの脱却、二度目のオリンピック開催に向けての「エール」となることを!


説得力のない判断が混乱を招きそう

 政治家は専門知識を持つ必要はない反面、聞く耳を持つことが重要なはずです。そのために各方面の専門家委員会が設置されているのに、都合が悪い提言に耳を貸さず下す判断(学術会議を含め)に、説得力があるわけもありません。前任者と「詭弁を押し通す盟約」があったとすれば、大きな混乱を招くのではないか。
 すでに国民は、「感染予防対策はちゃんとやってるのに」と息苦しさを感じ始め、気持ちが沈み始めています……

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