2015/03/16

平和利用から生まれた夢──西荻窪周辺

2015.2.28【東京都】──「神田川を歩く_10」



東京女子大学

 塀の外から礼拝堂(リンク先の内部がキレイ)を目にし守衛さんに尋ねると、庭は見学可とのことで女子大に潜入します!(男って何でこういう表現になるのか?)
 国の登録有形文化財なので公開すべきと思うも、聞いてみるもんだ……


 本学は、北米プロテスタント諸教派の援助で1918年に開設され、初代学長の新渡戸稲造(旧五千円札肖像)は、国際連盟の事務次官を務めたプロテスタント。
 彼が札幌農学校(現北海道大学)入学の際、すれ違いとなったクラーク博士もプロテスタントでした。
 カトリックとプロテスタントの違いを学んでも、宗教に無頓着な日本人は同じキリスト教と受け止めそうですが、イスラム教とそれを詐称する過激派組織の違いは理解できます。

 教室から聞こえる発声練習から、映画『ふたりのベロニカ(YouTube:タイトルバックの歌声)』を想起し、女学生たちのまぶしい姿を勝手に膨らませます。
 以前同僚だった卒業生が、吉祥寺のやきとり屋「いせや」を懐かしそうに語ったのは、「東女(とんじょ)の学生がいせやに?」と、チヤホヤされた時分を振り返っていたのではないかと……

 女子大を調べるうちに、実家に近い相模女子大学が、日本で4番目に古い女子大学と知り驚きました(1900年設立の日本女学校がルーツとのこと)。


荻窪八幡神社


 本神社も井草八幡宮同様、源頼朝が奥州討伐の際、各地古来の神社に八幡神を祭った経緯を持ちます。
 遺跡が残る縄文期から人が暮らし始め、室町時代末には集落のまとまりがあるも、京の都から「荒くれ者の地」とさげすまれた関東に、源氏の守護神である八幡神を広め、地盤を固めていった様子が見て取れます。
 上は祓門(はらいもん)で、6月30日と12月31日に行われる除災行事の大祓(おおはらえ)で設置される茅の輪の常設版。




 「杉並アニメ資料館:2003年」から発展した、日本初のアニメーション博物館とのこと。
 上井草駅前のガンダム像は制作会社の所在によるが、ここはアニメーション全般を扱うそうで、この日は「赤塚不二夫展」を開催中。
 上はSONY製テレビ(トリニトロン? 暗くて分からない)に映される『北斗の拳』。
 館長の鈴木伸一さんは、藤子不二雄漫画に登場する「(ラーメン好き)小池さん」のモデルとのこと。

 本施設のある「杉並会館」は区営の宴会施設で、結婚披露宴では右の螺旋階段から新郎新婦が登場するのか?
 古いながらも、しゃれた印象を受けます。


桃井原っぱ公園 & プロムナード荻窪(デザイナーズ賃貸住宅)

 防災公園&集合住宅として再開発された広大な土地には、戦時中まで中島飛行機東京工場(戦闘機工場)がありました(後の日産自動車荻窪工場)。
 戦後、中島飛行機解体後の富士精密工業時代に、東大生産研究所と共同でペンシルロケットが開発され、ロケット発祥地の碑が残ります。
 この地で産声を上げた国産のロケット技術は、現在の「H-IIAロケット:はやぶさ2等」に受け継がれます。
 以前『科学朝日』→『サイアス』(休刊)連載「リフトオフ! 国産ロケットをつくった男」の、五代富文さんの奮闘史を夢中で読んだことを思い出します。
 この地で育った子どもたちが、経緯を理解し宇宙への夢を抱けるように、アピールいていくべきと感じました。

 右は、集合住宅から公園に向かう歩道入口にある、「宣伝して!」と訴えるようなオブジェ。
 都市再生機構(UR)にしては高級感を演出すると思えば、「デザイナーズ賃貸住宅」が売りのようです。
 これまでいくつもの公団(UR賃貸:旧日本住宅公団)にお世話になりながら、その使命が時代とともに変わる様子を実感してきました。
 「設備は最低限でも家賃の安い」物件は、うばすてやまの評判と共に消されゆく運命のようです……


 道すがら点在する水草を目にし、もっと育てれば水質も良くなると思っていましたが。付近では全面に水草が根付いています(ゴミ掃除の必要が無いよう暮らしたい)。
 神田川より水がキレイと感じるのは、源泉以外からの湧水が多いためかも知れません。


追記──東日本大震災から4年 2015.03.11

 ニュース報道等の印象からは、被災地に「笑顔」が増えてきたように感じますが、復興は道半ばながら「希望」を見いだせる方々が増えることを祈るばかりです。
 あまりにも広範囲でハードルの高い復興事業が、計画通りに進まないのは当然で、来年までの5年間の成果を判断する際も、「予算を付けたのに何やってるんだ」ではなく、時間のかかる事業を見守り、サポートするべきです。


追記──北陸新幹線開業 2015.03.14

 開業前の石川県では、時刻表が普段の3倍以上売れたというのですから、地元での盛り上がる様子がうかがえます。
 東京〜金沢間が2時間半となれば、航空路線の強力なライバルとなります。
 整備新幹線計画(1973年)の夢が実現したことは大きな成果ですが、「開国」による便利さはライバルの活性化や、地元からの流出も促進させるため、これまで以上に綿密な戦略が必要とされるのではないか(京都に次ぐ魅力があれば大丈夫?)。
 JRの「ウフフ! 北陸新幹線」ポスターには思わず顔もほころび、地元の人々の心情が表れるようで見事! と、応援したい気持ちにさせられます。

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