2015/03/09

善き心で福の到来を祈る──善福寺池

2015.2.21【東京都】──「神田川を歩く_9」

 今回から神田川支流の善福寺川をたどります。
 これまで水源である善福寺池には吉祥寺駅から歩きましたが、今回は西武新宿線方面から向かいます(吉祥寺より近い上石神井駅からも20分以上かかる立地)。


上井草スポーツセンター

 ならばと上井草駅で下車し上井草スポーツセンターへ。
 以前、プロ野球を開催した「東京球場(上井草球場):1936〜59年」があり(南千住は「東京スタジアム」)、神宮球場が米軍に接収され、戦後の東京六大学野球はここで再開されました(早稲田大学のグラウンドが隣接)。
 跡地に建設された水道貯水池の屋上に運動施設が整備され、現在は杉並区営とされます。
 子どもから大人までが賑わう様子は、設備の良さ+運営の工夫による成果と感じます。
 右は、鏡面を切り抜いたオブジェ。


東京都立農芸高等学校の農場

 スポーツセンター周辺には東京都立農芸高等学校の農場が点在し、果樹園ではナシ、ブドウ、ブルーベーリー等を育てるそうです。
 生産農地とは違い実習場のゆとりある光景は、田舎の田園風景のようです(門から撮影)。
 近所に農地があることを「田舎だから」と表現しますが、ここでは「田舎のような農地がある!」と自慢すべきと思ったりします。
 卒業生に原田泰造の名を目にし、大河ドラマ『花燃ゆ』の地に足をつけた演技の根っこはここにあったかと……


井草八幡宮


 青梅街道沿いの巨大な鳥居と灯籠を目にした記憶がありますが、なるほど立派な神社と納得させられました。
 古くからの神社に、源頼朝が奥州討伐の際に八幡神を祭り、室町時代に太田道灌が豊島氏との戦い前に祈願し勝利するなど、戦いの神とされました。
 右の参道で流鏑馬(BGMあり)が行なわれるのか?

 善福寺池や川への南斜面は耕地に適したため、太古から人が根付き縄文時代の遺跡も残ります。
 そんな地で神社とともに続く人々の営みは、この国のあり様を物語るようです。


善福寺公園


 善福寺という響きから「善き心を持ち、福の到来を祈る」精神を受け止め、「郷に入っては郷に従え」を心掛ければ、穏やかな気持ちになれそうと思うのは、単なる幻想か?
 ですが、歴史を感じさせる農家が、巨木に囲まれた敷地の構えを維持する姿は(日当り悪そう)、土地に対する信仰・忠誠心を示すディスプレイのようです(写真なし)。

 上はコブシのつぼみで、梅→モクレン→桜と移り変わる印象から、以前、容姿が似ているモクレンと紹介したかも知れません(失礼…)。
 コブシの花は桜より少し早いか同じ頃か? いずれにしてもカウントダウン開始です!


 上の母・息子の姿には、あふれる愛情を感じますが、この後ろを歩く別の父・娘の姿は、どうしてもオヤジが付き合ってるように見えてしまいます。
 子どもは「母に育てられ、父の姿に学ぶ」と考えると、成長につれ娘とふれあう機会が限られるオヤジが背負う「悲哀」の重さは、想像以上と思えてきます。
 イクメンとして母に重宝がられる父は、将来娘に重宝がられても「ホイホイ」面倒見ちゃうんでしょうね……

 右はひなたぼっこするカモ(?)。


 池の名称は、以前ほとりにあった善福寺(廃寺)に由来しますが、現在付近にある善福寺(曹洞宗)は後の改名とされ、麻布十番の善福寺は無関係との見方もあるらしい。
 ですがいずれも、こころが暖まる名の元で祈りたい思いによるのでは?

 ほとりの高台には、東京都区部で唯一地下水を利用する杉並浄水所(不定期利用)があり、公園付近にも古い建造物を目にします。


追記──首都高速中央環状線が全線開通

 大橋ジャンクション〜大井ジャンクション間が3月7日に開通しました。
 新宿方面から羽田空港への所要時間は短縮されそうですが(40分→20分)、舛添都知事の「渋滞のない都市」が実現するのか、経過を楽しみに注視しましょう。

 大橋ジャンクション開業前に続き、今回もテレビ朝日『タモリ倶楽部』の収録に協力した首都高速道路(株)の好感度はアップしたことでしょう。
 狭い分野でも「マニア:オタク」を味方に付けることは、企業側にとってもプラスになる! と、タモリ倶楽部は訴え続け、NHK『ブラタモリ』で市民権を得た、という気がします……(前週は、初めてJR東日本の協力を取り付けた)

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