2017/12/18

文化の芽を育てる──小松川境川親水公園_2

2017.12.2【東京都】──江戸川区探訪_7

 西葛西駅→新小岩駅行きバスは、途中の船堀駅で乗客が入れ替わり、新小岩駅近くでは大混雑となります。鉄道は東西方向だけなので、区内の南北移動はバスに限られます。




 上は水辺に降りる滑り台で冬季は休止とされるが、脇から入り込んだ子どもたちは、落ちる寸前で止まるスリルを楽しんでいます。
 手前の2人は遊ぶ女の子で、左奥の女の子は「落ちたらどうするの? 信じられな〜い」と、立ちすくんでいます。
 作り手側も遊ぶ子どもも見事で、これが江戸川区流かと。
 下は、左の頭は切れてしまったが、好きな色合いなので。




 散歩には区内の見分をかねる面もあり、立派な文化施設の存在を知るも、この立地では利用しづらいと。
 交通は不便でも、以前からの中心地に主要施設を作ろうとする心情も分かりますが(中心地の体裁等)、ユーザーである住民にとっては「公共施設は便利さが一番」に決まっています。

 この日は子どもたちのイベントがいくつも開かれ、大・小ホールやロビーはにぎわっています。文化の芽を育てるには幼少期の経験や記憶が影響しそうなので、広く利用してもらうためにも、利便性が大切ではないかと。


 隣接の江戸川区立第三松江小学校では、東京都教育の日の催しとして「展覧会」が開かれています。校舎には7色のカラフルな染め物が飾られ、自分の手がけた部分を指差し父親に説明する姿からも、作業の楽しさが伝わってきます。
 わたしの記憶に鮮やかな色彩の印象が残らないのは、記憶が色あせたということなのか? 小学生時分は、カメラは一般的ではない上、カラー写真は高価なので「想い出はモノクローム♪」(大瀧詠一『君は天然色』)で残ります。



 以前農耕地が広がった周辺は、平坦で水に困らないため工場が誘致されますが、周辺の宅地化が進み、工場の周囲を埋め尽くす住宅は、じきに工場を追い出しそうにも。
 右は製糖工場の配管で、立ち位置の水路跡遊歩道越しに施設が建てられたのは、工場用地の選択肢が狭められた影響かも知れません。
 飛び地に工場を拡張するのは効率的ではないが、これだけの施設を移転するにはかなりお金がかかりそうです。
 そんな悩みを抱えるためか、周辺には住宅に取り囲まれた工場や倉庫が点在します。



 右は、江戸川区登録天然記念物の臥竜の松(樹齢推定500年)。以前紹介した妙光寺の松のように、門の上に枝をはわせる様子を一般の家でもよく見かけるので、周辺ではやったように。
 潮風に強い松が好まれたのは海辺が近かったなごりか?

 ここは黄檗宗(おうばくしゅう:江戸時代に始まる三禅宗(臨済宗・曹洞宗)のひとつで臨済宗に近い)の寺院。
 京都府宇治市 萬福寺が本山で、開祖の隠元によるインゲン豆由来の逸話を思い出します。東福寺を聞き間違え訪問したものの、足を運んでよかったと。




 江戸幕府 八代将軍吉宗が鷹狩の際、付近の神社で出された餅のすまし汁に添えられた青菜を気に入り、名称の説明に窮した神主に「ここは小松川だから小松菜と呼べ」との逸話が由来とされます。
 現在はハウス栽培のため近寄れませんが(上)、寒い中でもシャキッとした生命力から、冬を乗り切る力を分けてもらうようにも。
 実家の雑煮にも青菜が入るように、冬の葉物野菜はできるだけ食べるべきと擦り込まれたせいか、とても身近な印象があります。




 上は9人制のバレーボール大会で、コートは6人制より広いが、9人がコートに立つとボールを拾いやすいためラリーがかなり続き、応援の旦那たちも苦笑いの様子。
 隣のコートでは、エースアタッカーがバチンと決めていましたが、ラリーが続くどんぐりの背比べの方が、いい運動になりそうと。
 付き合わされた家族も楽しんでいるようで、家族円満に貢献するクラブ活動とも。

 この施設も新小岩駅(葛飾区)からバス10分+徒歩5分の地にあるように、区の施設はどこも交通の便はよくありません(西葛西駅に近い江戸川区球場が一番便利そう)。駅から歩くのも運動だ、とは言わないでしょうが……


追記──NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』終了

 徳川幕府を支える井伊家を導いた人物とされるが、彼女がいくら「争い無き世を徳川に託す」と語っても、作り話が多い印象から作為的な人物像に見えてしまうし、彼女が主体性を持ち行動した存在とは受け止められなかった。
 井伊家から想起するのは幕末期の大老 井伊直弼(リンク先は擁護論)で、日米修好通商条約(不平等条約)に調印し、反対勢力を粛清した安政の大獄を断行し、その反発から暗殺された(桜田門外の変)人物のため、思い入れが難しい面も。
 原作・脚本家の自己満足(都合のいい創作)に付き合いきれない、と感じた方も多かったのではないか。
 主演の柴咲コウは頑張っていたが、生かしきれてないように見え、不完全燃焼だったのではないかと……

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