2018/02/12

静かな入り江の活用法──旧江戸川

2018.1.20【東京都】──江戸川区探訪_14

 地下鉄 東西線に近い地域ながら旧江戸川に橋がないため、千葉県 市川市へ渡るには遠回りの京成バスを利用するしかありません。付近では以前から京成バスが力を入れていたらしいが、都営新宿線開業後も都営バス路線がないのは、都が放任した地域ということか。


マリーナと造船所

 旧江戸川は、前回歩いた篠崎水門(海水の遡上を防ぐ)の下流は海とすれば、付近は入り江のもっとも奥まった場所にあたります。
 レジャーボート販売のイズミマリーン(豪華なボートが並ぶ)付近に造船所が並ぶので、そこで造っているかとのぞくも、ドック内には台船(箱型の浮き船)の姿が。
 以前付近には、王子マテリア 江戸川工場(下が江戸川下流域の漁業被害「本州製紙事件」の元凶)のような工場が並び、前回の江戸川区スポーツランドや江戸川区水辺のスポーツガーデン(2枚下)等、まとまった土地の公共施設は工場跡地を整備したように見えます。


 最寄りとしては距離はあるが、都営新宿線 瑞江駅周辺は川沿いの工場従業者が立ち寄るようで、地元色を持つ店舗が根付くように見えます。
 一之江(何も無い)や篠崎駅周辺は、地域住民をターゲットとするチェーン店舗ばかりですが、瑞江には労働者相手の小規模な店舗がありそうなにおいがします。
 暮らしやすさに基準はないと思うが、働く人々向けのサービスがない町ではひと息も入れられないし、共感できる光景にも出会えません(オヤジの嘆きです……)。




 旧江戸川沿いの細長い土地(造船所が並んだのか?)には、野球場、テニスコート、フットサルコートに加え、初めて目にするローラーコート(都内最大らしい)が整備され、一周200mのバンク(傾斜面)がある本格的なコースは一輪車競技も利用できるそう。
 彼女たちが履く車輪を縦一列に並べたインラインスケートは、アイススケートのスピード靴のように速そうで、四輪車のようなローラースケートはホッケー靴のイメージか?(以前のローラーゲームローラーダービーとして五輪競技を目指すそう)。
 スピード競技のチーム戦練習は、40km/h以上のスピードながら音は静かでスマートに見えますが、ずっと中腰姿勢なので足腰の鍛錬が重要でも、トレーニングはキツそうと。
 競技会は各地で開かれ、岐阜長良川大会は高橋尚子ロードで行われます(余談ですが、高橋尚子ロードは岐阜だけじゃない! らしい)。


 スポーツガーデン前の旧江戸川には、現在使用されない船舶係留施設の柱が残り、放置されたままの船が沈んでいます。
 東京都は、運河・河川での不法係留の取り締まりや、放置船の強制撤去・処分の権限等を強化しますが、上の場合などは撤去に数百万円程度かかるため、おいそれとは手を出せないようです。


中川と旧江戸川の合流付近


 上は、東京都がボート不法係留の防止策として整備した暫定係留施設ですが、掃きだめのように見えるアングルで撮りました(失礼…)。
 奥の大きなマンション群(左は都営住宅)の広い土地は工場跡地と思われ、右後方の煙突は江戸川清掃工場ですから、現在は住宅地となるも交通の不便さがうかがえます。
 その奥には、清掃工場の余熱を利用した温浴施設「くつろぎの家:60歳以上限定」を作り、近所のお年寄りのご機嫌を取っているようです。

 旧江戸川との合流付近にある中川の今井水門は、中川上流(ゼロメートル地帯)を高潮から守るための施設。

 その合流付近にも、旧江戸川沿いの細長い土地に今井児童交通公園があり、右はペダル式サイクルモノレールのレインボーサイクル
 奥の工場は、以前対岸で屋形船の上でダンス練習する女の子を撮る際、奥に見えた工場で、こちらの岸辺からも撤退へのプレッシャーをかけているように。
 下流には、産廃処理施設が並ぶ妙見島が見えます。

 前回の篠崎水門(車両通行不可)から付近の今井橋まで旧江戸川に橋がないのは、江戸川区と市川市の関係がよくないためか?


追記──2月7日 きょうは何の日?

 通勤時に会社近くの交差点で、歩道まで封鎖する勢いの警備体制を目にし「にぎやかな一日になりそう」と思うも、すでにロシア大使館前では、合気道の道着姿(?)の年配者が君が代を歌っています。
 この日は北方領土の日(国民の関心と理解を更に深め、全国的な北方領土返還運動の一層強力な推進を図る目的で制定)で、1855年江戸幕府と当時の帝政ロシア間で最初に国境を定めた、日露和親条約が結ばれた日に由来するそう。
 勉強になりますが、もう少し静かにご教授願えないだろうか……


追記──郵便局のスーパーカブ 第三話

 勤務先に隣接する郵便局から、赤い旧スーパーカブがバイク買い取り業者に引き取られていきました。中古車を扱う業者ですから手入れして売るつもりでしょうが、スーパーカブには丈夫そうなイメージがあり「まだまだ走れるだろう」との、信奉心が根付くことに気付かされます。
 乗ったことがない者にも本田宗一郎氏の偉大さを浸透させたのは、郵便・新聞配達員方々の地道な業務のおかげではないかと……


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