2016/02/29

爆買い最後の春?──新橋

2016.2.7【東京都】──「汐留川水系を歩く_5」

 汐留川流域とされる上流域では、いくつもの谷筋が流れの記憶をとどめますが、下流域は江戸城や市街整備のため人工的な流路とされ、埋め立てられた現在では痕跡もわずかとなっています。





銀座中央通り

 中国の春節休み中の銀座八丁目(旧新橋)付近には、視界の中はすべて中華系観光客で埋め尽くされているのでは? という光景が広がります。
 歩行者天国手前では、次々到着するバスから観光客がゾロゾロ降りてきますし、観光客目当ての中華系路上セールスが待ち構えていたりと、言葉ばかりか空気にも「ここは日本じゃない!」との喧噪感が漂います。
 中国バブルの雲行きもあやしそうなので、春の風物詩(?)の爆買いツアーも見納めとなるかも知れません。売り上げが落ちる時期を「二八(にっぱち)の救世主」に助けてもらったんだから、自立せにゃと言いたいところですが……

 新橋は旧東海道の汐留川にかけられた橋で、たもとに親柱が残されますが… 遺構よりも「重そうなリュック」に目が向いてしまいます。

 付近で「ポンヌフ:パリのセーヌ川に架かる橋で新橋の意」という喫茶店を見かけますが、日仏のイメージギャップの大きさはフォローのしようもありません。
 前回の、新虎通りのシャンゼリゼ化に対抗して、オヤジの聖地にはキャバレー「シャンゼリゼ」だ! と考えるような地域文化と開き直るか?(はやらなさそう…)


浜離宮恩賜庭園


 上は浜離宮庭園外周の石垣で、管理上は右が汐留川、左が築地川とされます。
 汐留川上流は水運が盛んだった外濠に通じ、築地川は両端が隅田川に至る運河でしたから、カメラ手前側も上のような光景の水路の交差点だったのでは?(痕跡なし)

 紅や白の梅には頻繁に出会えますが、菜の花の黄色い春色を町で探すのは難しいため、この花畑に誘われてしまいます。
 冬の庭園は、汐留のビル群が北風を遮ってくれるため、穏やかな日和を楽しめます。


 上は、隅田川護岸の築地川水門を出て行く水上バス(奥はレインボーブリッジ)。
 護岸の高さは水面から4〜5m程度に見えますが、以前対岸の倉庫が並ぶ豊海でも感じた、東京湾平均海面+4.0mの計画高潮位(最大潮位)を想定した設備で大丈夫なのか? と。
 「東京湾に大津波はこない」の認識は疑うべきと思うが、かさ上げ工事などの対策が必要となれば、巨大な事業となります。


 上は汐留川水門と、クラゲのような排水施設(洪水時に陸側の水を東京湾へポンプで排水する)で、力の入った施設ですが、数m程度の津波で流されそうにも見えます。
 東日本大震災から、海沿いに重要な施設は作ってはいけないと学ぶも、経済活動が盛んな地域には要となる施設が並ぶため「守りの意識」がはたらきますが、自然の理に反する「対処」では、いつか見直しを迫られることになります。


 上は、汐留川で見かけた水鳥(鵜?)とアナゴ(?)のバトル。
 狙った獲物は水中まで追いかけますし、アナゴも首に巻き付いたりと必死です。
 5分程続くも頭をくわえたと思ったら、「これぞ!」一気に鵜呑みにします。
 水面上からは確認できないが、エサを求めて集まる鳥たちを満たす生物が生息する海は、食物連鎖の上では豊かと言えるのかも知れません。


隅田川散策終了


 2014年3月に岩淵水門をスタートした隅田川散策(岩淵水門〜竹芝桟橋)は、荒川との間に広がるゼロメートル地帯や、支流である石神井川、神田川などに足をのばしたこともあり、丸2年楽しむことができました。
 水運が主力の江戸時代、川や水路を中心に発展した町で江戸っ子が競った「粋=やせがまんの美学」こそ、江戸文化の根っこでは? と感じましたし、明治期から工場地帯とされた川沿いも現在宅地化され、コンクリートで固められた護岸を自然堤防に整備する取り組みは、川との共存意識の表れであると。
 隅田川の将来に夢を託すなど想像しませんでしたが、水辺に暮らす人々には、明るい展望が開けているように感じました(上は、竹芝桟橋から隅田川方面)。

 次回からは、南西側に位置し東京湾に流れ込む川・谷筋を歩こうと思います。


追記──職人のかっこよさ

 以前、雑誌の仕事でご一緒したデザイナーの方を、NHK『プロフェッショナル』で見かけ(残念ながら主役ではない)、現在「日本刀 つか巻師」の姿に、びっくりぽん!
 刀に関心があったのか、家業を継いだのか分かりませんが、デザイナーの器用さがあれば職人の道を歩まれても不思議はありません。
 わたし自身あまりこだわりを持たないのは、職人さんのように突き詰められない性質と納得するためか、自身と一線を画す「職人魂」にかっこよさを覚えます。


追記──東京マラソン2016(2月28日)


 この巨大イベントを無事10年続けられたことは、「平和国家」として胸を張れる実績といえるのでしょう。おそらく10年前にそんな意識は無かったと思うし、変わり続ける世界には「どんだけ〜!」を繰り返すばかりです。
 この日は陽気がよかったので、着ぐるみなどに扮装した方は暑かったのではないか?

0 件のコメント: