2016/05/09

墓地と基地──南青山〜六本木

2016.4.30【東京都】──「渋谷川水系を歩く_9」 笄川(こうがいがわ)

 青山霊園の立地は南向きに開けた丘陵地のため、現代人の目には「宅地にしたら一等地」ですが、開設当時の庶民は「日当りのいい墓地」を望んでいたようです……




青山霊園

 奥の伊藤忠商事ビル(純利益が初めて業界トップとなった)は、これまで神宮外苑側から眺めるばかりでしたが、南側からは、青山霊園を南北に縦断する道路の正面にそびえる巨大な墓標のように……
 戦後に発展した会社の多くは、戦没者に対して襟を正す必要があったのではないか?

 元は1872年(明治5年)開設の神道葬儀墓地で、1926年(大正15年)東京市に寄附され(1923年関東大震災の影響もありそう)、日本で初めての公営墓地とされます。
 荒れた墓も目に付くが、立ち退きは難しそう。

 右は、霊園と道を挟んで接するレストラン。
 欧米の墓地には公園のような明るさがあり、近くのレストランで故人を偲ぶ会食に涙はあっても、カラッとしてそうなイメージがあります。
 一方、日本の墓地は狭い敷地を石で囲うため、日陰に湿っぽさがつきまとい(家を守る意識?)、法事には酒の力で場を明るくしようとする印象があります。
 何でこんな場所に? と思ったが、ひょっとしてこのレストランは、そんな慣習に一石を投じようとしているのか? と思ったりも……

 旧笄川は、外苑西通り沿いの流れ(いもり川同様、国道246号線付近に始まる:右の高架橋の下)、霊園東側の流れ(上レストラン付近の旧蛇ヶ池:じゃがいけ)、根津美術館の流れ等が集まり、西麻布〜広尾を経て天現寺橋付近で渋谷川に合流します。
 現在確認できる水源は、根津美術館・有栖川宮記念公園にある池だけらしい。

 西麻布にある笄橋が由来らしいも、笄(こうがい:髪結い用具)なんて読めないし、かんざしとの違いもピンときません。


赤坂プレスセンター

 現在の米軍施設は、2.26事件の拠点が戦後接収されたもので、アメリカ大使館や米軍宿泊施設「ニュー山王ホテル」に近いため、キャロライン・ケネディ大使も利用していそうです。
 1985年ヘリポート地下のトンネル工事の際、代替地として提供した青山公園の一部は工事後も返却されず、新旧のヘリポート用地を総取りされます。
 そんな状況に「アメリカ側は応じない」と手をこまねいた日本という国は、何という「おひとよし」かと呆れます(墓地の上は障害物が少なく飛びやすいんですと)。
 名称は「星条旗新聞」の存在によるらしい。

 横田基地を民間機に開放する「軍民共用化」を目指した石原慎太郎元都知事も、災害時にこのヘリポートの共同使用を認めさせるのが精一杯でした。
 基地内の建物や光熱費は日本の思いやり予算によるため、米軍の紹介があれば一般の日本人も1泊25ドルで宿泊可能とすることが、返礼のつもりらしい。
 その上、戦争法案で海外に出費するとは、アメリカの言いなりと受け止められて当然です。ここは、ドナルド・トランプの「米軍駐留経費負担」発言を機に、一度すべて洗い直してみるべきと思うが、いかがか?
 右は、六本木ヒルズなど「まるっとお見通し?」の絵。

 隣接の青山公園では、外国人たちがペタンク(金属ボールを投げ、目標に近づけるゲーム)に興じています。
 この光景はのどかですが、別の日にマリファナの合法化を目指す集会「マリファナマーチ東京2016:リンクしません」には驚きました(タイトル自体がおかしい)。
 まさかここで吸ってないと思うが、数十人いる取り巻きの雰囲気に違和感を覚え、そそくさと後にします。
 外国大使館が六本木を「旅行者の危険地域」としたのは、裏情報から判断したのでは? チャラチャラ歩いているのは、日本人だけかもしれない、とも……

 六本木に右の国立新美術館を誘致したのは、陸軍〜米軍門前町のイメージを払しょくしたかったのでしょう。
 六本木ヒルズ:森美術館、東京ミッドタウン:サントリー美術館、泉ガーデンタワー:泉屋博古館分館等により、新たな客層を獲得するも、米軍施設は存在し続けます。

 トランプ発言に対しては、われわれの心に引っ掛かる「米軍占領下の延長上に生きるような圧迫感」への反発を含め、「この施設は不要なので、金は払わない」(アメリカは選択権を認めず金を払えと恫喝するのか?)と言ってやればいい!
 彼の発言にかかわらず、次期フィリピン大統領の出方次第で、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域とアメリカの関わり方が変わるかも知れません。

 今回「青山霊園」を検索した際にハマったらしく、検索結果ページ周囲の広告が墓地案内だらけになりました……


追記──唯一、ゴールデンウイークらしい絵


 今年のG.W.は、レインボーウォーク(レインボーブリッジを歩いて渡る)程度でしたが、晴海方面の消防艇放水パフォーマンスの練習風景に出会いました(上)。
 本番は、5月14日(土)・15日(日)の「東京みなと祭」とのこと。
 晴海への交通手段はバスになるため、イベント見学は大変そうですが、反対側の豊洲ならまだましか?

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