2015/07/06

水路のジャンクション──飯田橋・水道橋

2015.6.13【東京都】──「神田川を歩く_25」



飯田橋


 江戸時代の江戸川橋〜後楽園付近には白鳥沼・小石川沼の湿地帯が広がり(旧地図参照)、江戸開府当初はこの沼を水源とする平川(現日本橋川)を上水に利用するも、水量減少・水質悪化のため、上流の芭蕉庵付近の関口から取水するようになります。
 湿地の整備により直角に近い角度で曲がる河道とされますが、その上に通された首都高速5号池袋線は、大曲・飯田橋・水道橋と続く急カーブをきちんとトレースしています。

  上は駅前の本家飯田橋ですが、現在は目白通り上下線2本の橋がV字状に並びます。


小石川橋付近──神田川(左)と日本橋川(旧平川 右)の分岐点


 新たな水源地として整備された井の頭池善福寺川妙正寺川)水系と、関口付近から分流し小石川、本郷に水を供給した新設水路は神田上水とされます。
 また、分流地の関口〜飯田橋駅間が「江戸川」と呼ばれたことが、江戸川橋駅などの由来とのこと。
 そして上の地(飯田橋・水道橋間)から、神田山と呼ばれた丘陵地(お茶の水駅周辺)を開削し、隅田川に通された新河道(左)が神田川とされます。
 洪水対策と、伊達政宗の「江戸を攻めるなら本郷の高台から」に、家康「ならば、攻め込めぬよう掘りを作れ」の逸話が残る、防御の目的も持ちます。
 付近のよどみは海水による影響で、塩分を含まない上水を欲した様子がうかがえます。


東京ドーム「NEWS-LIVE TOUR 2015 White」会場


 飯田橋のホテル付近で浮ついたギャルを多く見かけたのは、東京ドームのジャニーズ「NEWS-LIVE TOUR 2015 White」に泊まりがけで集まった連中らしい。
 上は会場限定販売グッズに並ぶ、ギャル&時折おばちゃんの列。「お祭りは行列から始まる」ようで、並ぶ様子も楽しげです(山PはNEWSを脱退したんだ…)。
 アイドルのコンサートなのに「いい男いない?」という視線と、野郎が「ここで何やってんの?」の様子に、祭の意味を再認識した気がします(靖国神社の「みたままつり」を若者は「ナンパ祭り」と呼ぶらしい)。若者には出会いの場ですものね……


水道橋


 野球シーズン中の合間にイベントを誘致する商魂はたくましいと感じるも、ドームの維持・管理費は膨大でしょうから、常に合間を埋める営業に駆け回っていそうです。
 上は、野球の無い日でも水道橋の上にチケット販売の看板が立つ様子。
 これが水道橋らしい光景と思うも、たまに球場に足を運びビールを飲んじゃうと、イベント的出費となってしまいます……(いちいち高いよね)

 下は、水道橋駅南側の「三崎稲荷神社」(氏神様として有名)で、宮司さんの「誰かに効けばご利益。それが風潮となり、ご利益となるのです」は、「願掛け」の祈りを影から応援する、日本らしい支えと感じます(夏の大祓の茅の輪がある)。



神田山

 水道橋〜お茶の水間南側の丘陵地に、山を開削して通された神田川の上方を神田上水が渡る、御茶ノ水の懸樋(かけひ:神田方面に送水する水道橋)跡の案内があります。
 上水は自然流下方式のため、高台から高低差を利用して送水する必要がありました。それを理にかなう事と受け止めた江戸庶民の高低差に対する感覚は、われわれよりもはるかに敏感だったのではないか?

 右はアテネ・フランセ(フランス語、古典ギリシア語、ラテン語教育を行なう言語学校で、文化センターでは映画上映も行なわれる)の壁面。


お茶の水橋(駅の西側)


 橋の下へと降りる階段(以前降りた記憶がある)が閉鎖されているのは、対岸の駅改修工事のためか? お茶の水駅では、地上(橋)の高さに新たなフロアーを建設するバリアフリー化工事が行なわれています。
 神田川開削部分の斜面を垂直に削って広げた敷地は狭いため難工事のようで、川幅半分まで足場が組まれています。

 人工的に掘られた谷ですが、付近の湧水を将軍家が茶の湯に用いたことが地名由来とされます(井の頭池の湧水と同じ)。
 江戸は湧水に恵まれた「水の都」のはずが、あまりにも急激な人口増加のため、当初からインフラ整備が必要な「大都会」の宿命を背負っていたようです。


追記──FIFA女子ワールドカップ カナダ2015 なでしこジャパン準優勝

 全員が空中を警戒する瞬間、グラウンダーのパスにとまどうのは当然で、高さという武器を「おとり」にする作戦はさすがです。たらればですが、あのピッチにスタメンで澤選手が立っていれば気付いたのではないか? とも……(澤がいない時間にGO!も戦術)
 試合は監督が采配しますが、応援する側にも「感動的な結末:途中出場の澤が…」を期待しすぎる面があったように思います。
 決勝の舞台に立てたのだから、何も恥じることは無いし、大負けしたことで逆にサバサバと次の準備に取り組めるのではないか。
 まずは、疲れを癒してください。お疲れ様でしたの拍手を贈ります!

 前回MVPの澤 穂希は「スーパー澤」だったこと、再認識しました……

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